愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

対決!香港おばば


「出たきり邦人」というメールマガジンがあって、だいぶ前から愛読している。世界中に住む日本人が持ち回りでエッセーを書いているもので、姉妹品に「出戻り邦人」というのもある。suikanさんが海外アンテナを作ってくださるずいぶん前からあって、これで色々な国に住む人の日常を覗いて面白がっていた。その中でも私が面白い!と思ったのは当時香港在住だったソフィさんのエッセー。その国の行事や習慣をただ傍観者として羅列するだけのエッセーもある中で、北京語も広東語も駆使され、香港人とがんがんに渡り合ってきたソフィさんの書く話は、香港人に対する鋭い観察力と激しい突っ込みが満載で、読むたびに爆笑してしまった。特に引き込まれていったのは、彼女が綴る、「クレイジー・チャイニーズ・ママ(香港おばば)」との壮絶な戦いの記。当時ダンナとはまだ結婚してはいなかったけれど、陳家ママの、迷信やパラノイアや大中華思想から来るトンチンカンな言動には触れていたので、確かにこんなことうちもやりかねないよ!そうかこれは香港人一般の性質なのか!ということも確認でき、嫁に行った後に驚かずにすんだのも、ひとえにソフィさんのおかげである。


そんなソフィーさん、そしてまむこんさんがこのたび香港で、香港嫁姑バトルマニュアル「対決!香港おばば」をめでたく出版された。ソフィーさんのブログにたまにコメントを書かせていただき、一応「広東人の嫁」ということで、本当にちょびっとだけど、アンケートに答えさせていただいた。そんなご縁で、わざわざ香港から本を送っていただいて、感激!もう表紙からして、たまりません!


こちら!


思ったことはすぐに口にする、自らの過ちは認めず、迷信深く、面子を気にし、タダのものと食べることが好きで、全ての病気はスープで治ると信じている香港おばば(&おじじ)。そして行事ごとに繰り広げられる家族メシ、親戚一同からのいらぬ詮索etc. 日本にもこんなおばばは居そうだけれど、香港おばばのパワーはその100倍、そしてこんなおばばも「どこかに居そうよね〜」なのではなく、全ての香港おばばに、このエッセンスが必ず含まれているといっても過言ではないのだ・・・だから香港人に嫁いだ人はこの本を読んで必ず「これは我が家のことを言っているのか?」と思う部分があることは請け合いなのである。


この本によると、香港人と日本人カップルの間の離婚率はかなり高いのだそうだ。円満でいるためには、ダンナの協力も得ながら、この香港おばばとおじじの理不尽な詮索や干渉をいかにうまくかわすかがポイントになるらしい。正常な理論では説明不可能な法則で行動する香港おばばとおじじであるが、この本を読んでいるとそれでもある一定のルールが見えてくる気がする。そして嫁としての傾向と対策もアドバイスされている。別に嫁姑バトルがなくても、香港おばばの行動パターンを把握するには有効な一冊。巻末には、家族メシが強制される行事早見表もあって、これは便利!本気で活用させていただきます!


ということで、ソフィさん、まむこんさんありがとうございました。日本では香港王というお店で販売されるそうですよ!