愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

音楽がっこう 注:やっぱり長い↓


タチアナから新しい先生に代わってのレッスンがあった(って今日じゃなかったんだけど)。ヨガもやってるビシュナっていうフルーティストよ〜、といわれていたので、またインド人?! と思ったらセルビア人でした。


アメリカの音楽の先生は、私の知っている限り、概してほめ殺し傾向にあるような気がする。これはアメリカの教育全般に言えるのかもしれないけれど、とにかく褒めて伸ばす感じ。下手でも下手なりに、「演奏のこの部分がよかった」とか言ってくれるのは、褒められると伸びる子である私にとってもうれしいのだけれど、ほとんど練習してこないで、初見でやってごまかしてるのにもかかわらず、褒められるときもあり、うーん、これでいいのか?!と思うこともあった。


これは前にタチアナと話していて出てきた話なのだけれども、逆に東欧系の先生、とくにロシアから来た先生などは、もう少し厳しいっぽいところがあるらしい。ある小学生の子は、ロシア人の先生のあまりにの厳しさに耐えられず、以降ロシア人の先生だけにはしないで、とお願いしているらしい。(ここの学校は、ソビエト時代に亡命してきた先生とかも積極的に受け入れてきているので外国人の先生も多い)


タチアナはコスタリカ人だけど、アメリカの学校にずっと行っていたので、教え方も概してアメリカ式だった。でも外国出身の先生だと、やはり自分がそこで学んだ教え方をするようになるわけで、アメリカ式のやり方が良い意味でも悪い意味でも「楽しめ!」という感じであるのに対して、外国から来た先生は、もう少し理屈っぽかったり、練習にも規律を求めたりすることもある。アメリカの先生ほど褒めたりしないかもしれないし、間違いとか、下手な部分はここが悪い、とはっきり指摘することもある。


それがポジティブに育てられたアメリカ人の子供には、耐えられなかったりするんだろうなー。こっちでやってるTVのオーディション番組があるのだけど、審査員に一人辛辣なコメントをするイギリス人が入っていて、彼がヒール役みたいな感じになっている。下手な人にあんた下手ね、と言えないアメリカ人審査員とは対照的に、「あんたがプロになれるわけない」みたいなことをきっちり言うのは当然だと思うのだけど、批判されたアメリカ人はといえば、非常にショックを受けて泣くか、口だけは達者な人になると逆ギレして相手をののしったりしてたちが悪い。


ヨーロッパ人の知り合いは、アメリカ人ははっきりモノを言わない、Politically Correctすぎてつまらない、といってたけれど、確かに意外と、事なかれ主義なところがあるかなーとも思う。打たれ強くないというか。褒められて育つのもいいけど、やはり批判やチャレンジも一通り受けておかないといけないんじゃないかなー。そうでないと、自信過剰で逆ギレする人ばっかりになってしまう。(会社にもそういう子がいた)


・・・話が飛んでしまった・・・・。で、タチアナから新しい先生に代わるときに、セルビアから来たというので、どんな教え方をするのか、ちょっと不安なところもあったわけです。なんだかんだいって、タチアナの褒め殺しレッスンに慣れてしまっていたから。そしたらどっこい、ちょうど良い感じでよかったです。


タチアナのときのように、テンションがあがって楽しいレッスン!というわけではないのだけれど、タチアナがラテン系の行き当たりばったりな教え方だったのに対して、彼女はちゃんと1学期間に何をするか、フレームワークを作ってやる感じ。基礎練習も、「私の国ではこういうのをやってたんだけど」って、日本で先生についていたときと同じように、十年ぶりぐらいにモイーズのやつとかをやることに。スケールも、毎週順番を決めて週代わりメニューが作られることになった。


曲をやるときも、やたらめったら褒めるのではなくて、自分であ、ここ下手、と思ってたところを詳細に、でも的確に指摘してくれて、自分が何に弱いのかが明確になる。そしてその対処方法も一緒に考える。でもテクニックだけにこだわるのではなくて、さすがにヨガをやっているだけあって、呼吸や姿勢と心理状態との関連や、エネルギーの流れの観点からも説明してくれるし。


なかなか良い! 気に入りました。


宿題とかもでて、ちゃんと予習復習していかないと大変そうだけど、またみっちり勉強しようという気になってきた。今学期の候補は、エチュードにもなるとのことで、パガニーニの24のカプリスのフルート版、またはまたフレンチ・コンポーザーの中から1つ。5月までにどれかを完成させる予定。がんばるぞぉ〜