愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

笑ってはいけない子供警察

以前は子供の成長記録をある意味生物観察している気分で書いていたが、もう小さいさんも7歳の立派な人間になった。大きくなるにつれて、我が子とはいえ一個人である小さいさんのあれやこれやを、本人の知らないところでネタ的に書き記すことに色々躊躇が出てきた。

まあそりゃそうだよな。自分の知らないところに自分の言動がさらされ、不特定多数の人が自分のアレコレ知っているのはやっぱりちょっと気持ち悪い(苦笑)。とはいえ、子供の成長はどこかに記録しておかないとやはりびっくりするくらい忘れるので、ここに時々は子供とのやりとりで自分が考えたことぐらいは書こうかな。あとはどっか紙にでも書いておくか・・。

以前にも書いたが、子供の時あんなに一生懸命読んでいた「アンネの日記」を大人になってもう一度読んだら、ただの中二病女子の日記だったことに気づき、大苦笑してしまったことがある。

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子供の頃あんなに共感して読んでいたのに、年を取ってからだと親視点で読んでしまった。そしてその中でも印象的だったのが、ティーンエイジャーらしく、日記に書かれた母親に対する攻撃disりのもの凄さ。

本人は大真面目の発言や怒りに対し、母親が笑うらしい。それに対しての侮辱感、ものすごい反発と怒りがある意味ネチネチ書かれている。

実際、まだ何も知らない小娘が小さなことで思いつめキィキィキャアキャアいうのは、ある意味見ていて微笑ましい。アンネ・フランクの母親も、自分の末娘が大人にとってはちょっとした事について必死でアレコレ言うのが可愛くて笑ったのではないか、と今になると親の気持ちの方がよくわかる。

私も子供が小さなことでこの世の終わりかというくらいドラマチックに怒ったり泣いたりしていると、それが可愛くておかしくて、もう腹を抱えて爆笑してしまいそうになる。

一方で、まだまだ小さな世界に住む子供にとっては、大人から見るとちょっとした事でも、本気の一大事であるのもよくわかる。子供の涙の抗議に対し、あまりあからさまに笑うのも失礼というか、子供を否定してしまうことにもなりかねない。子供にだってプライドはある。なのでもう笑わないよう真顔で対応しようと必死である。日々是笑ってはいけないシリーズである。キレ芸を披露されている気分である。時々どうしようもなくなり、自分のベッドルームに駆け込みドアを閉めて密かにヒィヒィ笑ってしまう事もある。

先日はテレビを巡り子供の怒りが爆発した。理由は何の事はない、テレビ視聴をめぐるしょうもない行き違いである。家族全員である番組を見ようと合意した後、その前に別の子供番組も見たいと言い始めたため、30分だけ許可。しかし時間の感覚がうまくつかめない7歳児、約束通り30分で切り上げたところ、番組の途中だったため、自分の視聴時間をカットされたと思い込み大号泣、1人部屋に閉じこもってしまった(あーしょうもない)。

しばらくしてこんな手紙がリビングに配達されてきた。

笑いをこらえて無視していたらさらにお手紙が配達されてきた。



leave me alone的な態度を取りながらも、本当はかまって欲しいので、ちょこちょこリビングにやってきては怒り顔で紙を置いていく子供。本人は本気の抗議だが、文章もスペルも可愛すぎて笑いをこらえるのに必死であった。ちなみに"Phil"というのは、この番組のこと。

www.netflix.com

フィル・ローゼンタールというテレビプロデューサーが世界各地を食べ歩く番組。この気のいいジューイッシュのおっちゃんが、嬉しそうに、わかりやすいリアクションでいろんな食べ物を食べたり現地の人と交流する、非常にファミリーフレンドリーな番組である。Netflixで放送される前に、地上波で放送されていた前身番組もあるのだが、そこではデーブ・スペクターに東京を案内してもらったりもしていた。このPhilには時間をとるくせに私の時間は半分で切り上げるとはフェアじゃないってw

ちゃんと30分約束通りとったんだよと後で時計で説明したら「そんなこと知らなかったんだぁぁぁぁぁ」とまた大泣きしていた。ああくだらない、ああ腹痛い。次回はタイマーでw


小さいさんもあっという間に生意気なティーンエイジャーになるんだろう。生まれた直後に、ああもう18年もするとこの人は家を出て行ってしまうのか、とさめざめ泣いたものだが(ホルモンw)、あっという間にカウントダウンもあと10年ちょっとになった。これから笑えないような衝突も起きるんだろうか。いつまでも笑いをこらえながら対処できるようなシチュエーションばかりだと良いなあ。親の器も試される。

https://www.instagram.com/p/BdUmqolAq7B/

アメリカでは2年生、日本だとまだ1年生。でも身長130センチ超え、靴は22センチ。アメリカなので同じくらいの背たけの子は何人かいるけど、オランダ人とかw

【祝】10年ものグリーンカード更新、新カード到着

2017年夏に期限が切れた10年もののグリーンカード。その半年前から更新手続きを始めたものの、指紋を取ってから動きが全くなく待てど暮らせど新しいカードが届かない。そのうち私より後に手続きした人達にどんどんカードが届き始め、不安も募りましたが、1月も終わりに入ってしれっと届きました。パチパチ。

流れとしてはこんな感じ。

  • 2017年2月末、オンラインでI-90提出
  • 3月初頭、バイオメトリクス(写真、指紋)を取りに行く。12月までカードの期限を延長するステッカーを貼ってもらう。
  • 春、夏が過ぎていく。毎週のように「あなたのケースはまだペンディング中です」のメールアップデートばかり届く。
  • 延長された期限も12月で切れるのに、秋になっても動きがないので、11月初頭、移民局に出向く。新しいカードが届くまで、今のグリーンカードをさらに延長してもらう。ここではパスポートにスタンプが押された。
  • 秋頃より私より後に申請した人達にどんどんカードが届き出す。直接の知り合いだけで4−5人。ちょっと焦る。
  • 1月に入って、移民局に再度問い合わせ。今回はオンラインポータルの問い合わせフォームから。2日後ぐらいに、私のケースは現在の処理待ち時間の枠内だから大丈夫まあ待て的なメッセージが来る。
  • 1月も終わろうかという頃になり、「あなたのケースがアップデートされました、ポータルにアクセスして確認してください」のメッセージが届く。カードを送付するアドレスが正しいか確認しろとのこと。
  • 「カードを送る最終チェックをしています」のアップデートがあった後、送付完了のメッセージが来ないな・・と思っていたら2日後にUSPSのペロッとした封筒でしれっと郵便受けに入っていた。ジャンクメールと間違えるところだった危ない危ない。


ということで、私の場合は申請からカードが届くまでに約1年弱、かかりました。申請してから数ヶ月で届いた、という人もいるので、一体中で何がどうなっているのやら全く不明です。

I-90の処理は、申請した場所にかかわらず、ポトマックのサービスセンターでやっているらしい。1月に問い合わせた時、処理状況はこのサイトで「ポトマックサービスセンター」を選んで確認してください、とのことだったけれど、アクセスすると2ヶ月前の処理情報しか載っていなかった。2017年10月の時点で2016年12月のアプリケーションを処理中とのこと。

ただしこれよりずーっと後に申請してすぐ届いている人もたくさんいるので、謎。ケースによっては審査に時間がかかったりするのだろうか。ああ、一体中でどのような処理が行われているのか、めちゃくちゃ気になります。

でもとりあえずはめでたしめでたし。次の更新は、2028年に!!!!

marichan.hatenablog.com
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おまけ:そういえば11月にサンフランシスコ市内の移民局(って今は呼ばないかw)のオフィスに行った時に、近くで「アントマン」の続編の撮影やってた。今日出たトレイラー見てたら私が目撃したシーンが!w

【小籠包】やっぱり最強鼎泰豊

ベイエリアに鼎泰豊がやってきて1年半ほど。行ってみたいと思うものの場所がサンタクララとちと遠い上に、人気過ぎて待ち時間が半端ないとの噂を聞きなかなか行けないでいたが、最近は落ち着いてきたとのことで、とうとう友人たちと小籠包吸ってきた。

オープンした時は店が入ってるでかいモールの周りをぐるっと行列ができて、数時間待ちだったらしい。それに比べたら今回は平日昼だったからか15分待ち。

こんな感じで色々作ってる〜。包む餡は丁寧に重さを量っていた。

シアトルにカラフルで面白いデザインのパスタを作る人がいるのだけれど、いろんな粉ものに興味を持っていた彼女、鼎泰豊でも修行したいと申し込んだらしい。そうしたら左利きの人はダメと言って断られた、というのを読んだことがある。

鼎泰豊が有名になったのは、品質管理と標準化による所が大きいらしく、効率的に点心を作るタイトなプロセスも確立されているんだろうなぁ、左利きだと道具の置き場所とか隣の人と肘がぶつかるとか問題があるんだろうと思っていたが、ここで見る限りは作業台のスペースも作る人のペースもずいぶんゆっくりしていた。それほど混んでなかったからかな?

友達4人で行ったが、写真に撮りきれないほど色々頼んだ。

まずこのきゅうり、高さが全部一緒だった!!

そして小籠包。写真とるのがまだるっこしくこれくらいしか撮っていないが、やっぱりうまい。

ひだの数は18と決まっているらしい。そして他の店と比べてもずいぶん小さめ。以前、鼎泰豊で修行したことのある方に小籠包作りを習ったことがあるのだが、この小さめに作るのがかなり難しい。

そして地元の中華料理屋で頼む小籠包は時々皮が破れてスープがダレーッと出てしまっているものが1−2個あったりするが、ここではまずそんな心配をする必要がない。破れる心配のない小籠包。当たり前だがなんだかすごい幸せがある。しかも皮も変に分厚くない。なんだか小さな水風船を食べるような感じである。

手前はもち米が詰まった焼売。向こうの水餃もうまかった。多分ソースがうまい。

そして感動的に美しい鍋貼。このもう羽と呼んでいいのかもわからないパリパリした美味いもの、家でも再現したいと適当に片栗粉を流してみて大失敗してしまった。片栗粉と小麦粉の混ぜ技が必要らしい。

他に頼んだ麺類は普通な感じであったが、やはり全体的な満足度はかなり高かったし、お値段もまあこれなら、と納得な感じでとても良かった!

鼎泰豊については、シンガポールビジネススクールの教授が1年以上鼎泰豊に張り付いて、鼎泰豊のオペレーションを分析したケーススタディがあり、決断科学(decision science)関連の賞をもらったらしい。面白そう、読みたいなと思っているものの9ドル払わないと読めないのでちょっと躊躇している。小籠包1オーダー分ぐらいの躊躇・・w

しかしやはり品質管理と社員教育にかなり力を入れているらしく、収益の半分は社員教育とベネフィットに回されているんだとか。

厨房、もちろん小籠包を包むにも技術がいるけれど、一番難しいのは「蒸し」らしい。点心を蒸すときは、蒸籠もいくつも重ねて蒸す。メニューには小籠包意外にもいろんな点心があるので、オーダーの順番やそれぞれの点心の調理時間に合わせて、蒸籠を積み上げて行く必要があるらしい。確かに蒸籠の上段と下段ではずいぶん火力も温度も違いそう。

やっぱり世界展開するとなると品質維持が一番難しいところだと思うが、今じゃ日本に鼎泰豊、17軒もあるのか〜!日本では高島屋の子会社(他にも東京工大の学食とか色々やってる)が経営しているらしい。どうなんだろう、フランチャイズみたいになっていると、教育や技術の伝達というのも伝言ゲームになってしまうところもあったりするんだろうか(勝手な憶測)。なぜか実家近くにも一軒あるらしいので今度里帰りの時にでも行ってみようかな。

アメリカの鼎泰豊は鼎泰豊USAという会社経営になってるみたい。ここら辺はチャイニーズ人口も高いし、厨房の教育もしやすかったりするのだろうか。これも全く勝手な憶測。ちゃんとこの教授のリサーチペーパー読めばいいか。それにしてもこの教授、きっと趣味と実益をかねてこのリサーチしたに違いないよ・・・。

しかし何より鼎泰豊最強!と思ったのは、あれだけ食べまくっても、その日も翌朝も、中華(特に飲茶)を食べた後によくあるお腹の重たさが全くなく、とても軽やかですっきりしていたこと。それだけでも、また行く価値があると思ったのでありました。

勘違いジムへいらっしゃい

地元のジムに通い始めて5年ほどが経つ。近場にあったのと安かったので入ったが、女性専用のジムである。

やはりジムに男性がいると恥ずかしくて、気後れして行けない・・という人はアメリカにもいるようだ。と言うより、知らない男性がいるところで運動なんてとんでもない、という宗教の人もいるわけだから、かなりニーズはある。

そう、女性用のロッカールームやシャワーしかないこのジムでは、ムスリム生着替えを見ることもできる。普通にジャージをきて運動していたおばちゃんが、ロッカールームでささっと大きな布を頭に巻き、まち針のようなもので1−2箇所ぐらい止めて、さらにその上から黒いゾローッとしたブルカをかぶり、携帯をいじりながら出て行くのを見るはなかなか面白いものである。

時々メンテナンスなどで男性が入ってくることもある。そういう時には空襲警報さながらに、「男性がきます!」と警報が発令される。

私は子供が学校に行っている間に行くことが多いのだが、昼間のジムはおばちゃん達で溢れかえっている。

男子禁制のこのジムで、おばちゃん達はすこぶる元気である。ヨガのクラスに行けば、体勢を変える時にちょっと緩んだ体から「ブッ」とガスの音が聞こえてくることもある。

張り切り仕切り屋おばちゃんが、先生が来る前にみんなでウォーミングアップしておきましょうよ!と腕やらなにやらをパチパチ叩くエクササイズを強要してくることも度々である。

ズンバのクラスは端から見ると死霊の盆踊りのようではあるが、中に入ってみると皆満面の笑顔で「ヘイ!ヘイ!」と音楽に合わせて皆合いの手を入れながら楽しく踊っている。インストラクターのお手本などものともせずただヘイヘイ!と叫びに来ているだけなおばちゃんもいたりする。でも楽しそうである。

最近ではバリウッドの音楽に合わせて踊るエクササイズのクラスが人気だが、アップテンポのバリウッドの音楽に合わせてムスリムのおばちゃんが指笛を鳴らしてくれたりもしてなかなか本格的である。

運動しに来ているおばちゃんたちには色々クラスタがあり、元気な白人おばちゃん、英語はブロークンだがうるさいフィリピン・タイ・チャイニーズグループ、母国語でうるさいムスリムグループが三大勢力となっている。

アジア勢は一番キャッキャしているかもしれない。今は懐かしい鈴木その子風のミイラのようなおばちゃんが黒いレース風のレオタードのようなものを着てホネホネロック風に踊っていたり、細身ながらもダンベル振り回しながら踊るおばちゃんもいたり、小粒ながらなかなか壮観である。

ムスリム勢は、鉄腕ダッシュに出ているTOKIOのメンバー的なタオル様のものを頭に巻いたり巻かなかったり、一応スポーツウェアも長袖でバッチリ決めている。運動のキツさに耐えられなくなり、途中で部屋を出てしまうのもムスリム率が高い。

それに比べると白人クラスタはあまり面白みが無いが、勤務先のロゴが入ったTシャツを着ているヨレっとした人もいれば、若い頃ファッション業界にいたらしいおしゃれプラチナホワイト頭のおばさまもいる(異様に仕切るのもこういう人である)。

私は時々仕事をしていたりしていなかったりなので、定期的に行けない期間が出てくるのだが、行けば必ずクラスにいる、いわゆる常連的なおばちゃんもいらっしゃる。時にはカーディオのクラスを立て続けに2個とったりしていらっしゃるようだが、何年たっても驚くほど体型に変化が無い怪奇現象も見ることができる。

こんな感じのジムなので、ヨガでもカーディオのクラスでも、スタジオに入って鏡に映った自分を見ると、なんだか自分がすごく若くて細くてイケているような錯覚を起こしてしまう。このため私は心の中でこのジムを勘違いジムと呼んでいる。そう、勘違いしているのは私である。

しかし音楽に合わせてヘイヘイ!と嬉々として我を忘れ踊り狂うおばちゃん達を見ていると、マインドフルネスとはまさにこのこと、痩せまいが踊りがゾンビだろうが、楽しそうに今を生きるおばちゃん達と比べ、ひとり冷静にステップを踏んでいる自分の方がなんぼかイケてない気持ちになってくる。いや、本当はイケてるとかイケてないとか、人と比べるところからしてもう間違っているのだろう。そしてかくいう私も、5年このジムに通っている割に体型に変化は無いのであった。

40代、バイオリンを1年習ってみた。

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ふと思い立って、1年ちょっと前に急にバイオリンの稽古をすることにしてみた。

きっかけは色々あって、

  • フルート吹きだけど、地元の市民オーケストラでフルートの空きがほとんど無い(2-3人だし、アマチュアのオケでもプロが居座っていたりする)
  • 一方弦楽器はいつも空きがあって、かなりホゲラーッとした音の人たちもたくさんいる。時々弾いてるフリしてる人もいる。オーケストラに入りたいなら弦の方がハードル低そう
  • フルートコンチェルトはバイオリンコンチェルトを焼き直したものが結構あって(ハチャトリアンとか)演奏するたびにバイオリンだったらこういう音や表現ができるのにとか、気持ちがバイオリン寄りになりがちなので実際バイオリンでやってみたらどんなもんだろうかと思った(そこまでの腕前になればだが)

あと、その頃お友達がオススメくれたPeakという本を読んだのも、やってみようと思ったきっかけだった。実は半分読んだところでええいわかった、やってみよう、と本は投げ出したのだけれど、要はスポーツでも音楽でも、練習時間が多ければ多いほど良いというわけではなくて、しっかり目的を持った練習を集中してすることが大事、ということが語られている(ちょっとはしょりすぎだけど)。

Peak: Secrets from the New Science of Expertise

Peak: Secrets from the New Science of Expertise


ダラダラ練習すれば良いってものではないことは、一応長年のフルート修行を通じてこれはもうイヤーーーーというほどよくわかった事。

何も考えずに音階練習をしたり、曲をさらうにしても、自分がキレイに弾けるところばかりついつい気持ちよくなって弾いちゃったりって事はよくあること。音階をやるにしても、今日はこの2音をスムーズにつなげるようにしようとか、このテンポで早くできるようにしようとか、そしてそれが自分の演奏する曲にどういう利益をもたらすかとか、考えることでおのずと練習メニューはより戦略的なものになる。たとえ15分の練習でも、考えてやる練習はすごく効果的。そして何より明確な目標を設定することの大切さ。

昔聴講した巨匠ジェームス・ゴルウェイさんのマスタークラスで、彼が言っていたこととまさにドンピシャであった。やっぱり一流の人は、こういうのを自然にやっているということなんだな。

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昔よりはものの道理がわかっている大人になった今、全くやったことのない楽器を0から始めるとどういうことになるのか、ということも興味があった。


で、実践してみた。

楽器はレンタルで、地元のバイオリン教室に、週に1回、30分のレッスンに通うこと約1年。

とりあえず、今のところここら辺。正直に恥を忍んで公開します。音注意!w

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今までに習ったのは、ファーストポジションでの全音階、そして少しずつシフティング。これはピアノやフルートなど鍵盤を叩いたりキーを押せば一つの音が出る世界(フルートの場合はオクターブや倍音はあるけど)とは全く違う概念。弦って一つの音が一箇所だけから出るわけではなくて、違う弦でも押さえる場所によって、出る音が重複する。曲に合わせて、どの指使いでどの弦を押さえるか考えないといけない。

そしてもちろん、ギターのように印がついているわけでもないので、押さえるところをちょっとでも間違えるとそれで音程が酷いことになる。オーケストラでフルートは第2バイオリンの後ろの方に座ることが多いのだけれど、いつもバイオリンのホゲラ〜っとした音、ピッチの定まらない音を聞いて隣に座っているオーボエの人と白目をむいたりしていたのだが、今はもう、申し訳ありません、という気持ちである。何これ難しい。

さらにご覧の通り、私は手が小さめでピアノでもオクターブがやっと届くぐらい。なので小指がなかなか伸びず、高音を押さえるのも苦戦。ただ面白いことに、バイオリンをやるようになってから、ピアノ、左手だけオクターブを超えて、Cから次のDまで届くようになった!ストレッチ効果が思わぬところに!!

でも一番苦戦しているのは、弦を押さえる左手よりも弓を持つ右手。エア・バイオリンをやるとわかると思うのだけれど、バイオリンの格好いいところはやはり弓使い。手首を柔らかく動かして演奏するところを想像すると思うけれど、これが難しい。弓を持つ手、ビデオでもわかる通り手首がガチガチ。これはなんども先生に教えてもらっても、弓を落とさずに手首を柔らかくする感覚がうまくつかめない。その割に、演奏する曲はどんどん難しくなっていく気がして今ちょっと戸惑っている。この曲も本当はもっともっと早くなる。

2年目に立てている目標は、ビブラートがかけられるようになることと、この弓を持つ手をガチガチにしないこと、そして弓をまっすぐに弾くこと。そしてやりたい曲をいくつか。そして5年後に市民オーケストラでフルート持ち替えバイオリンのポジションをゲットできたら良いなぁ・・と思っている。


・・んだけれど、実際の所この半年はだんだん練習時間が取れなくなり、レッスン当日に慌てて30分ぐらい練習して行く、という泥縄状態が続き、ものの道理もののあはれもわかる大人になったはずが、何でもコツコツやらない小学生の時の自分に戻ってしまった感がありありになっている。で、ちょうど先生が産休に入るのと、私も仕事やら何やら色々立て込み始めたので、考えた末、2月で一度レッスンをストップして、夏以降また落ち着いたらレッスンを再開することにした。

本当はPeakで読んだことを実践実験する目的もあったのだけれど、だんだんなーなーになってしまったので、夏以降はちゃんとdeliberate practiceに協力してくれる先生を探すのと、自分でももう一回計画を練り直すつもり。なーなーになってきた理由には、やはり初心者レベルのバイオリンより、自分の自由がきくフルート吹くのがまた楽しくなってきちゃった、というのもあるのだけれど・・w

また進捗状況は定期的にアップデートします。どうなりますやら。