愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

【小籠包】やっぱり最強鼎泰豊

ベイエリアに鼎泰豊がやってきて1年半ほど。行ってみたいと思うものの場所がサンタクララとちと遠い上に、人気過ぎて待ち時間が半端ないとの噂を聞きなかなか行けないでいたが、最近は落ち着いてきたとのことで、とうとう友人たちと小籠包吸ってきた。

オープンした時は店が入ってるでかいモールの周りをぐるっと行列ができて、数時間待ちだったらしい。それに比べたら今回は平日昼だったからか15分待ち。

こんな感じで色々作ってる〜。包む餡は丁寧に重さを量っていた。

シアトルにカラフルで面白いデザインのパスタを作る人がいるのだけれど、いろんな粉ものに興味を持っていた彼女、鼎泰豊でも修行したいと申し込んだらしい。そうしたら左利きの人はダメと言って断られた、というのを読んだことがある。

鼎泰豊が有名になったのは、品質管理と標準化による所が大きいらしく、効率的に点心を作るタイトなプロセスも確立されているんだろうなぁ、左利きだと道具の置き場所とか隣の人と肘がぶつかるとか問題があるんだろうと思っていたが、ここで見る限りは作業台のスペースも作る人のペースもずいぶんゆっくりしていた。それほど混んでなかったからかな?

友達4人で行ったが、写真に撮りきれないほど色々頼んだ。

まずこのきゅうり、高さが全部一緒だった!!

そして小籠包。写真とるのがまだるっこしくこれくらいしか撮っていないが、やっぱりうまい。

ひだの数は18と決まっているらしい。そして他の店と比べてもずいぶん小さめ。以前、鼎泰豊で修行したことのある方に小籠包作りを習ったことがあるのだが、この小さめに作るのがかなり難しい。

そして地元の中華料理屋で頼む小籠包は時々皮が破れてスープがダレーッと出てしまっているものが1−2個あったりするが、ここではまずそんな心配をする必要がない。破れる心配のない小籠包。当たり前だがなんだかすごい幸せがある。しかも皮も変に分厚くない。なんだか小さな水風船を食べるような感じである。

手前はもち米が詰まった焼売。向こうの水餃もうまかった。多分ソースがうまい。

そして感動的に美しい鍋貼。このもう羽と呼んでいいのかもわからないパリパリした美味いもの、家でも再現したいと適当に片栗粉を流してみて大失敗してしまった。片栗粉と小麦粉の混ぜ技が必要らしい。

他に頼んだ麺類は普通な感じであったが、やはり全体的な満足度はかなり高かったし、お値段もまあこれなら、と納得な感じでとても良かった!

鼎泰豊については、シンガポールビジネススクールの教授が1年以上鼎泰豊に張り付いて、鼎泰豊のオペレーションを分析したケーススタディがあり、決断科学(decision science)関連の賞をもらったらしい。面白そう、読みたいなと思っているものの9ドル払わないと読めないのでちょっと躊躇している。小籠包1オーダー分ぐらいの躊躇・・w

しかしやはり品質管理と社員教育にかなり力を入れているらしく、収益の半分は社員教育とベネフィットに回されているんだとか。

厨房、もちろん小籠包を包むにも技術がいるけれど、一番難しいのは「蒸し」らしい。点心を蒸すときは、蒸籠もいくつも重ねて蒸す。メニューには小籠包意外にもいろんな点心があるので、オーダーの順番やそれぞれの点心の調理時間に合わせて、蒸籠を積み上げて行く必要があるらしい。確かに蒸籠の上段と下段ではずいぶん火力も温度も違いそう。

やっぱり世界展開するとなると品質維持が一番難しいところだと思うが、今じゃ日本に鼎泰豊、17軒もあるのか〜!日本では高島屋の子会社(他にも東京工大の学食とか色々やってる)が経営しているらしい。どうなんだろう、フランチャイズみたいになっていると、教育や技術の伝達というのも伝言ゲームになってしまうところもあったりするんだろうか(勝手な憶測)。なぜか実家近くにも一軒あるらしいので今度里帰りの時にでも行ってみようかな。

アメリカの鼎泰豊は鼎泰豊USAという会社経営になってるみたい。ここら辺はチャイニーズ人口も高いし、厨房の教育もしやすかったりするのだろうか。これも全く勝手な憶測。ちゃんとこの教授のリサーチペーパー読めばいいか。それにしてもこの教授、きっと趣味と実益をかねてこのリサーチしたに違いないよ・・・。

しかし何より鼎泰豊最強!と思ったのは、あれだけ食べまくっても、その日も翌朝も、中華(特に飲茶)を食べた後によくあるお腹の重たさが全くなく、とても軽やかですっきりしていたこと。それだけでも、また行く価値があると思ったのでありました。