愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

しょぼしょぼと泣きたい時に

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もういい年になってくると、ワーワーと声をあげて泣くようなことはそう滅多にはなくなる。でも何の拍子かで悔し涙を流したり、犬も食わない夫婦喧嘩をして涙が出てくることがないわけでもない。

泣いてデトックス、とか泣いてスッキリ、とも言うけれど、不思議とこういうネガティブな涙のあとは、頭がガンガンに痛くなり、身体中になんだか悪い化学物質が循環しているようなすごく重くて嫌な気持ちになって、全然スッキリしない。

でも感動の涙とか嬉し涙ではそうはならない不思議。スッキリするかはよくわからないが、感動でしょぼしょぼと泣くのは、なんとなく気持ちが良い。

それでイギリスのテレビ番組「Long Lost Family」という肉親探しの番組を夜な夜な見ては、1人でさめざめと泣くという生活を最近している。

内容は表題の通りで、何かしらの理由で生き別れになった肉親を、番組を通じて探してもらうというもの。イギリスの番組らしく作りが非常に淡々としていて、さあ泣け!ここで泣け!というわざとらしい盛り上げがないところが良い。

養子に出された子供、子供を養子に出した親、養子に出されたきょうだいを探しているきょうだい、離婚で音信不通になった親やこども。

依頼者の肉親を調査して探し、最後に涙のご対面、というありがちな番組だけれど、わずかな情報だけで、色々な記録をたどって肉親を見つけていくプロセスが、ミステリー番組を見ているようで興味深い。

番組のプレゼンター2人が、非常に淡々としているところも良い。依頼者の家に行って静かに話を聞き、見つかった肉親にもまずはプレゼンターが会いに行き話をし、会いたいかを確認する。そして依頼者に淡々と調査の結果を伝える。肉親と対面する時は、その場所まで付き添って行く。とにかくあまりに感情を表に出さないので、最初はなんだか冷たい感じもしたが、あくまで依頼者にスポットライトを当てるため、自分がヘロヘロ泣かないようにしているらしい。

プレゼンター自身も、養子に出されて自分で生みの親を探した経験があったり、母親がいなくなったり、という経験があるそうで、依頼者の気持ちに寄り添える人が選ばれているらしい。探している肉親がすでに亡くなっている場合もあるが、その場合はカメラがないところでそれを依頼者に伝えている。そういう配慮もよろしい(そして探していた肉親の代わりに、存在を知らなかったきょうだいと再会したりする)。

もちろん感動の再会シーンも泣けるのだが、プレゼンターが家を訪ねてきて、肉親が見つかったということを伝える場面が一番泣ける。長年重荷となっていたものが全て解き放たれ、わっと感情が溢れ出す。その素直な感情のあらわれが、感動のBGMも何もなくても、見ていて目からサラサラと涙が落ちてくる。

喜びと安堵と今までの辛かった思いからの解放と、良いニュースでの喜びの涙を見て、一緒に涙を流すのは、ある意味一番罪悪感のない、感動ポルノなのかもしれない。

家族が生き別れになった事情は様々だけれど、昔のイギリスはずいぶんと未婚の母に厳しかったのだなあ、父親に勘当されて行き場を失い貧困スレスレになったティーンエイジャー妊婦とか、昔は未婚の母が出産して子供を養子に出すまで、世間の目から隠れて過ごす施設があったりと、意外と恥の文化でものごとが回っていたみたいだ。

探していた肉親がオーストラリアやニュージーランド(時々カナダ)に移民していた、というケースも多いのが意外だった。

生き別れた兄弟を探していたら、他にも養子に出されていた兄弟が芋づる式にどんどん出てきたり、弟を探していたらオネエになった弟が出てきたりとドラマは色々。

アイルランド紛争で離れ離れになった恋人同士、いつか迎えに行くからと子供の父親は何度も手紙を書いていたのに、実はそれが本人に届く前に家族の手で握りつぶされていたことが50年も経ってからわかった、というのが一番泣けた。わかった時にはもうお互いに別に家族がいるわけで。

一方で、娘が自分の父親を40年ぶりに探し出したのがきっかけで、父親と母親が再婚する話が持ち上がっているというケースもあったり。

そして生き別れた親きょうだい、血は水より濃いと言うか、再会してみるとまあ顔も体型も雰囲気も似ている人の多いこと。どんなに引き取られた先の家族に愛されて育っても、自分は何か違う、何か欠けているという感覚を覚える人も多いらしく、初めて自分にそっくりな血縁者を目の前にするという経験は、かなりシュールに感じるらしい。それが自分の生き別れた双子だったりするとなおさら。音楽家を目指していた高校生カップルの間に生まれた息子が、それを知らずに自分も音楽にのめり込んで育ち、再会した親の前で弾き語りをする、というのもあった。

この番組、アメリカ版、オーストラリア版もあって、アメリカ版は複雑な事情がさらにもっと生々しい。生みの親を探したら、実は自分はレイプで生まれた子供だったことがわかったり、肉親が死んだニュースもカメラの前でガンガンに知らされたり、オーストラリア版では、プレゼンターが一緒においおい泣くので、確かに実際見ていて気が散るなあ(笑)と思ったり。

あまりに短期間に集中して見すぎたため、もうだいぶお腹いっぱいになり、最近は早送りして肉親が見つかったと告げられるシーン、写真を見るシーン、再会シーンの3ポイントに絞り、勝手に目から水が流れるのに任せる、という、ある意味本当にポルノ的な鑑賞をしてしまっているが、やはり過ぎたるは及ばざるが何とかで、感動の涙も流しすぎると頭痛がすることも発見したので、泣くのはやはりほどほどにいたしましょう。

Long Lost Family: True stories of families reunited (English Edition)

Long Lost Family: True stories of families reunited (English Edition)

オフィシャルサイトはこちら
www.itv.com

2017子連れおギリシャ旅④ アクロポリス、その前に

ギリシャに来る観光客は、アテネにはせいぜい2日ほど滞在し、あとはさっさと島巡りに行ってしまうらしい。そんな観光客でも、ギリシャで必ず行くところといえば、アクロポリス。例のパルテノン神殿が乗っかっている丘だ。

アテネの守護神アテナを祀ったこの神殿。

しかしキリスト教徒がやってきて像をぶっ壊し、次にイスラム教徒が弾薬庫代わりに使ってまるで漫画のように間違えてどっかーんと爆破してしまい、さらにはイギリス人がやってきてレリーフを引っぺがし、大英博物館のお土産に。

そんな悲惨な末路を遂げたアクロポリスも、最近は世界遺産というものに指定され、世界中の観光客がやってきてセルフィーを撮りまくる、「インスタ映えする場所」と変貌を遂げた。

この丘、日を遮るものが全くないので、行くなら早朝か夕方に行くか、それこそ大型の日傘でも持っていくか、夏は特に日よけ対策を十分しないと熱中症になりかねない。

私たちが訪れた前日にはスタッフのストライキがあったらしい。その上でっかい地中海クルーズ船がアテネに到着、船から降りてきた観光客がストなど知らずに大挙してアクロポリスに押し寄せたため、中に入るのに猛暑の中何時間も並び続ける地獄絵図が繰り広げられたらしい。

そうでなくてもサンフランシスコ生まれで暑さに弱い6歳児を抱える我が家。昼間は丘のふもとにあるアクロポリス博物館に寄って暑いのをやり過ごすことにした。

エジプトでいえばピラミッド、アテネでいえばアクロポリス、昔の人が残してくれたものがものすごい財源になっているこの国であるが、思いの他博物館は高くない。中は冷房完備で、パルテノン神殿から引っ剥がしてきたレリーフや彫刻が展示されている。

奈良京都同様アテネでもどこか掘ると何か出てくる、それも紀元前ずいぶん前の下水道とか立派なもんが出てくる。地下鉄駅にもここを掘ったらこんなん出ました的な展示が結構あった。

博物館の入り口付近も、発掘した上にガラスをかぶせて上を歩けるようになっている。下で働いている人からは上が見えないようになっているかは不明。

博物館の中はというと、アクロポリスからはがしたり取り出したり持って降りてきたりした石の彫刻だらけである。これはもしかしてずいぶんつまらないのでは・・と危惧したが、ギリシャ神話マニアとなった6歳の娘が予想以上に大フィーバーした。

子連れでここに行く人がいたら、特にお勧めしたいのが、受付で「ファミリーバックパック」というのを借りること。

http://www.theacropolismuseum.gr/en/content/family-programs

IDと引き換えに貸してくれるのだが、中には子供向けのちょっとしたゲームやアクティビティキットが入っている。私たちが借りたのは「アテナちゃんを探せ」的なセット。中に地図とステッカー、カード、アテナの着せ替え的なものが入っている。カードに書いてあるアテナ像を博物館の中で見つけたら、地図にそのステッカーを貼っていくのだけれど、まあ面白いほど色々なサイズ、デザインのアテナがいるもので、子供は嬉々としてアテナ像を探し回り、思ったよりもずいぶん楽しかった。

というか、以降もヘルメットの形だ何だで、小さいさんはどこへ行ってもアテナを目ざとく見つける子供になった。ここまでハマるとは・・

修復の様子なども映像展示されている。しかしビデオは裏に繋げられたWindows XPのラップトップから再生されているものだった。そろそろアップグレードしませう(苦笑)

博物館の中はとてもモダンですっきりしていて気持ちいい。写真撮影は一応禁止らしいが、博物館の内観を撮影して注意される人はいても、なぜか展示物を撮影するのは怒られない。時々手持ち無沙汰な学芸員の人がウロウロ歩いていると思うと近づいてきて「何か質問は」と聞いてくる。聞くと聞いた以上の雄大な情報を教えてくれるが雄大すぎて忘れてしまった。

この他にもレゴで再現したアクロポリスの展示もある。色々な時代の人達がアクロポリスに登ったり、ふもとの劇場ではエルトン・ジョンがコンサートをしていたりとなかなか楽しい。これは今年いっぱいの展示のようです。

とても普通の観光案内日記になってしまった。

Crazy Rich Asians、金持ちすぎるアジア人が映画化で嬉しい。FOBの話も。

もう2年ぐらい前に読んで面白すぎた小説、Crazy Rich Asians。

Crazy Rich Asians

Crazy Rich Asians


自分の彼氏がシンガポールの御曹司だということを知らずに付き合っちゃった台湾系アメリカ人女子。そして彼の家族のハチャメチャな金持ちぶりを知らずに実家に遊びに行っちゃったもんだから、てんやわんやの大騒ぎ・・・!

だいぶはしょりましたが、詳しくはこちら↓

marichan.hatenablog.com

一応華僑の世界wに片足を突っ込んでいる身としては(金は無いが・・)、階層は違えども、出て来る出て来るチャイニーズ・スピリッツがイヤというほど身にしみてわかりすぎ、爆笑の連続でありました。

この小説、絶対映画にしてほしい、そして主役のレイチェルは絶対コンスタンス・ウーで!と思っていたら、実際思った通りの配役で現在撮影が進行中、だそうです!うわーやったー!!

コンスタンス・ウー、テレビドラマ「Fresh off the boat」にお母さん役で出演している女優さん。

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このドラマ、日本では「フアン家のアメリカ開拓記」なんてわけわからんタイトルになっているんですって?!

Fresh off the boat、略してFOB、は「ボートから降り立て」、来たばかりの移民、みたいな意味。あとは全然アメリカナイズされておらず、アメリカに来ても母国のファッションやら言葉やら友達とつるんだりしてる子達もFOBとかフォバビーとか呼ばれたりしてました、ちょっと前のスラングな気もするが。

で、このシットコム(コメディードラマ)の素晴らしいところは、主人公が中国(台湾)からの移民一家だっていうところ!!

舞台はフロリダなんですが、この一家、周囲にアジア人は皆無な街で、レストランを経営している!そして子供は3人!

なんと、設定が陳家とほぼ同じ・・・・・・!!wwww



実は私、陳家に嫁入りするにあたり、家族の色んなハチャメチャぶりに、これは全部ネタ帳に書いて、いつか映画の脚本にでもしてやる、と思っていたのです。

が、まあそういうのはすでにエイミー・タンもやっていた。そして2015年から放送されているこのシットコムを見て、ああもう私の使命は終わったな(って何も書いちゃいないんですが)と思ったのでした。

小ネタは沢山あってもそれをどうつなげて1つの話にするか思いつかず、結局私の頭の中で完成していたのは、オープンロールの映像のみw

ハエがニュージャージーの郊外の住宅地をブンブン飛び、カメラはハエ目線。

そのハエが陳家の家の中に入り込み、外はアメリカの家なのに、中は中国風の家具の内装の家の中、そこで子供達がわーきゃーいっているところ、犬がわんわん言っているところなどが映し出され、最後にランニング一枚でキッチンで炒め物をしているお父さんに見つかって、ハエたたきで叩かれて暗転・・・ww

BGMも決まっていて、David Byrneの「Like Humans Do」でしたwww ってこれそういえばWindows XPにプリインストールされてた音楽ファイルなんですよねww

結局夫の家族をネタにしようなんて言う算段はうまくいかず。

実際にそういう中で育ったチャイニーズ・アメリカンのシェフ、エディー・フアンの回想記が、このシットコムの元になっているのですが、そっちのほうがもう断然面白いのでありました・・ww

Fresh Off the Boat: Season 1 [DVD] [Import]

Fresh Off the Boat: Season 1 [DVD] [Import]

Fresh Off the Boat (TV Tie-in Edition): A Memoir

Fresh Off the Boat (TV Tie-in Edition): A Memoir

と話はずいぶん飛んでしまいましたが、このテレビドラマにしろ、Crazy Rich Asiansの映画化にしろ、アメリカでアジア人がメインのドラマや映画が世の中に出るようになったのは非常に喜ばしいです。

いや、ラスト・サムライとか、メモワール・オブ・ゲイシャとかもありましたけれど、あれはどちらかというと西洋人のファンタジー世界としての東洋ですしね・・・。

なんというか、現代のアジア移民の姿だったり、スーパーリッチでもタクシー代はケチったりするような、ある意味我が家の両親にもつながるようなチャイニーズ的な部分を笑い飛ばしたりできる、アジア系アメリカ人のためのエンターテイメント、とでもいいましょうか。

Crazy Rich Asiansは、まあオートクチュールのドレスやら、植民地時代からあるような東南アジアのお屋敷やら、とにかくこれでもかとゴージャスな映像も期待できるところも滅茶苦茶楽しみです。

その他のキャストとしては、彼氏のお母さん役がミシェル・ヨーだとか(笑)、彼であるニック役はヘンリー・ゴールディングという、シンガポールとイギリスのハーフの人だとか。残りのキャストの名前を見てもあんまり知らない人ばっかりでしたが、とにかくオールアジア人キャスト(ハーフの人達が結構キャスティングされているのを問題視する声もあったらしいけど)。

興行的にどうなるかはわかりませんが、配給会社の決定を巡っては結構白熱した争奪戦があったらしい。

東南アジアや中華系世界ででも流行るといいけど、「中華系アメリカ人」目線での笑い話も多いから、普通の中国人にはどこまで響くかな?

ちなみにこの話に出てくるスーパーリッチ中国人は、シンガポールとかマレーシアとかインドネシアとか、植民地だったところで財をなしてる「華僑」の皆さんなので、日本で爆買いをしている大陸の皆さんとはまたちょっと違うオールド・マネー。

さらに上海などでえげつなくやってる新興スーパーリッチな人達の話は、この小説の第二作目、China Rich Girlfriendをどうぞ。

China Rich Girlfriend

China Rich Girlfriend

「China Rich」っていう形容詞のごとく、ブティックを貸し切って、「これ」と指差した商品以外全部お買上げとか、車のままエレベーターで高層マンション最上階へとか、ほぼこち亀のスーパー金持ちキャラクター満載です。

三作目はまだ読んでないので、読んだらまた書きます。

Rich People Problems

Rich People Problems

FOBについて、9年前の思い出話、こちらもおまけにどうぞ。

marichan.hatenablog.com



新学期・日食

新学期当日はアメリカで何年ぶりかの日食の日でした。

確か前回は子供が生まれた頃だったな〜、窓からの光で家に三日月の影ができたのを覚えている。

Google Photoありがとう。自分のアルバム検索したら出てきたw

周囲ではオレゴンに日食を見に行くという人も結構いて、それなりに盛り上がっておりましたが、残念ながら我が家は学校1日目(実際は学校休んで行ってる子もちらほらいた)。

でも学校でちゃんと日食用のメガネを用意してくれていて、特別授業もやってくれました!

これ、どちらかというと学校側が用意したというよりは、PTAが提案して学校とコラボした形。アメリカの学校、PTAがかなり色々イニシアチブを取っているなぁと感じることが多いです。

周囲がすっかり盛り上がっている間に、日食用のメガネの用意など全く忘れていた私。

メガネ欲しさに小さいちゃんの新しいクラスで、日食授業のボランティアをしてきましたw


学校の授業はこんな感じ↓

  • 教室で日食の説明と、メガネの使い方のビデオ鑑賞。


  • 子供達校庭へ。そこで先生が3人、太陽、月、地球の格好をしてぐるぐる回りながら、日食がどうやって起きるかのプレゼンテーション。



  • 早速空を見上げると・・


      曇り。何も見えん!!


  • 教室へ戻る orz



  • 観察したことを絵と文章にする。ここで子供達を見回ると、個性的な絵を描く子、隣同士で似たような絵を描いているグループ、何も見えてないのに見えたような絵を描く子、全く我関せず消しゴムに鉛筆を刺すことに集中している子、本当に様々w



  • 観察記録を発表。前に出て、プロジェクターに絵を写す。ちなみに今年の担任の先生は、声を張り上げるタイプではなく、すごくソフトに話す先生。そしていつも小さいマイクを装着していて、マイクとスピーカーを使って話します。子供がどんなにうるさくてもこれなら平気w



  • もう一度外へ。雲が切れてきて、そこから太陽が覗いてきた。おお!

https://www.instagram.com/p/BYETp7ZlCZt/



  • 雲がいい感じにうっすらかかっているので、本当はいけないんだけど、つい肉眼で見たくなる感じ。実際日食メガネをかけると真っ暗で何も見えずw携帯カメラを通じて見るのがちょうど良いくらい。



  • 教室で観察記録、さらに太陽、月、地球の形に紙を切り色を塗り、それを紙と割ピンで止めて日食の時の惑星の並びを再現できるクラフト作成。親がピンを止めたりするのを手伝う。



  • 最後にもう一度外へ。ほぼ日食が終わりに近づいたタイミングでようやく晴れ。クッキーをかじったぐらいな感じの日食が、ようやくメガネを通じて見えた。子供たち大フィーバー。

日食の授業だけで午前中全部使いました。

そうこうしている間にも、教室には親がフラッと顔を出して写真だけ撮りに来たり、校庭で日食一緒に見に来たり・・と色んな親が出たり入ったり。

去年は、子供たちに本を読ませてディスカッションさせたりと、リーディングの手伝いをぼちぼちやったけれど、ボランティアをやりながらいつも驚くのは、学校と親の近さ。PTAやボランティアなどを通じて、親もかなり運営や日々のことに関わっている感じです。

でもこの近さがありがたくもあり。特に教室にヘルプとして入ると、授業の様子や子供の様子がよくわかるし(そういえばこちらは参観日は無い。いつでも来ていいから)、それぞれの子供の個性も面白いほど違うのがわかるのはなかなか興味深いです。

完璧主義でなかなか作業が終わらない子、日食メガネが顔から落ちたら目が潰れるんじゃ無いかと心配して日食見ない、とシクシク泣く子、配られたメガネをすぐなくす子、まあ色んなことをよく知っていてペラペラ発表する子、全く作業をしないで全然違うことに集中している子・・。

我が子はといえば、クラスでいちばん年下の勢いなのに、背がいちばん高くて落ち着いて見えるせいか、しょっちゅう落ち着きの無い子の隣に座らされています。そして今年も、また・・(苦笑)。

新しいクラスでは、仲良しとはことごとく離れ離れになってしまった小さいさんですが、新2年生、一体どんな冒険が待っているでしょう。

夏が終わる

夏休みももう終わり、月曜から学校が始まる。

まだ8月なのに!という気もするが今年は6月の1週目から夏休みが始まったので、やっぱり長かった。ようで短かった。ようでやっぱり長かった。

今年の夏はおギリシャに行ってみた他にも、初めて子供を地元のサマーキャンプにいくつか入れてみたら、それが意外と親も楽しかった。

サイエンスキャンプでは、海面のゴミを吸い取る掃除機を発明。自分のアイデアをもとにそのプロトタイプを作るというので感心&感動していたら、途中で気が変わったらしく、最終日に持ち帰ってきたのが「ネズミの家」という謎の筒状のものだった(自然愛護、動物を大事にしたいそうで・・でもできればネズミは罠を頼む)。

ミュージカルキャンプに入れてみたら、練習では威勢良くやっていたのに、本番では緊張のあまり顔も姿勢もゴリラみたいになっていた。

他にもキャンプリーダーのお兄さんの顔にパイを投げたりもしたそうだ。

やってることがアメリカの夏っぽいな!スタンドバイミー的だな(少し違う)!私もそんな夏を過ごしてみたかったよ!

そして今年の夏は里帰りをしなかったので、そのぶんみっちり日本語キャンプにも行っていただいたが、これが想像以上に楽しかったらしい。

親もそんな様子を見ていて楽しかったし、最後の発表は感動した。まさか子供がAKBやモー娘。の歌を歌えるようになる日が来るなんて思わなかったし、子供達のよさこいソーランはすごく格好良かった。子供はずっと「ドッコイショー、ドッコイショー、相談相談」と歌ってはいたが。

やはり夏に日本に行ってジジババに引き回されるよりも、それがアメリカであっても、子供達と日本語でワーワー言いながらいろんなことをして遊ぶほうが、日本語環境としては効果的に決まっているよなあ。

ひらがなカタカナ漢字のお勉強、ではなくて、とにかくひたすら日本語だけで遊んだり料理したりゲームしたり歌ったり踊ったり走り回ったりしていたので、驚くほど日本語がペラペラになったらしい。

らしい、というのは、他のお母さん達から聞いた話で、私に対しては私が日本語で話しかけても英語で返してくることの方が多いので、なかなかそれを確認する術がないためである。

やればできるのに、話す相手や気分によって日本語を使ったり使わなかったりなのである。って、フランス人の英語かっ!・・・・と言いたくなるが、今朝、水筒を手に「これの開け方、知らへんねん」と微妙なイントネーションの関西弁が子供の口から出てきたのを聞いて、おおお・・・ナンテコッタパンナコッタ・・・と驚いたり嬉しかったり困惑したりした。

あとは夏にインプットされた様々な日本語を、次に日本語の濃厚なシャワーを浴びる時まで、どれだけうまくリテインできるかが勝負である。

とりあえず子供の日本語学習については、「私がおばあちゃんになったら英語を忘れる予定なのでよろしく」という前提でやっていただいているため、別に学校のお勉強が日本語で出来たり、バイリンガルグローバル人材になることは取り立て要求しないが、少なくても私と日本語で同じ笑いのツボを持ってコミュニケーションできるくらいにはなって欲しい、と思っている。今のところは。

そして日本語ネイティブのお友達に囲まれて夏のひとときを過ごした娘は、しっかり「カンチョー」という言葉と概念も身につけてきたのであった・・orz

こうして8月半ば、暖房をつけるほど寒い日もあるカリフォルニアの夏休みは終わっていく。