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愉快的陳家@阿拉米達島

ちょっと雑だが愉快な暮らし。サンフランシスコ・ベイエリア日記

Crazy Rich Asians 金持ち過ぎるアジア人(華僑)の話

読書・書評

  

重たかったロシア文学の話の次は、軽めの小説を。これまた家に転がっていたもの

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Crazy Rich Asians

Crazy Rich Asians

 

 カリフォルニア育ちのチャイニーズ系女子が、シンガポール出身の彼の親友の結婚式に誘われて、彼の実家に行ってみたら・・・実は彼、シンガポールで一二を争う大金持ちのお坊ちゃんだった!実家はほぼお城、一着で家の頭金になりそうな値段の服を買いまくる親戚、ヘリコプターのチャーターは当たり前。大陸出身でシングルマザーに育てられた主人公は、金目当てで彼に近づいたと思われ彼のママや、彼の妻の座を狙っていた他の女子に睨まれイヂワルされて、てんやわんやの大騒ぎ!彼の人柄に惹かれただけなのに!どうなる、このカップル!

 
・・ってなんか少女漫画にでもありそうな感じの筋書きなんですが、「Dynasty (アメリカで80年代にやってた金持ち上流階級社会が舞台のソープオペラ) on streoid」と書評に紹介されていた、香港・シンガポールのスーパーリッチ華僑の世界をオモシロオカシク描いた小説。2013年に出て、知らなかったんですが結構ヒットしたらしい。
 
爆買いだ何だに象徴される、チャイナマネーはどちらかというと大陸の新勢力。東南アジアに目を向けて見ると、戦乱や貧困を逃れるためにもっともっと昔に外に出た華僑たちが、もう何代にも渡りその地で財を成してきたわけで、チャイナマネーの中でもかなりのオールドスクールな人達が、政界・財界を牛耳っているわけです。3代位前はみんなどこの馬の骨ともわからなかったかもしれないけど、オールドマネーなぶん変な上流意識があって、いってみたらタチ悪そう。
 
しかしその笑える位の金持ちっぷりが読んでいて楽しくて(シンガポールへは、もちろんシンガポール空港の、シートが個室ベッドになっちゃうファーストクラスで)、Sex and the Cityの登場人物の買い物っぷりなんてダイソーに行ってるぐらいにしか思えなくなる。ある意味、こち亀に登場するスーパー金持ちキャラっぽいハチャメチャぶりかも(知り合いは、有閑倶楽部と言っていた・・w)。ロシア文学の本は読み終わるのに随分時間がかかってしまったのに、この本は500ページぐらいあるのを2日間で読みきってしまった。
 
話の内容とか登場人物の設定自体は、どの民族でやってもできそう。インドの上流階級(ドバイとかロンドンとか行ったり来たりしてそうな)とか、アラブの石油王とか、ロシアのスーパー金持ち社会とか。
 
しかしそんなスーパー金持ちでも、タクシー代はケチって歩いたり、絶対ウェイターにチップは払わないとか、ある意味うちの実家にも通じるようなチャイニーズスピリットも健在なところが、さらに笑いを誘ったのでありました(ロンドンでタクシー代をけちり雨の中歩いてキッタナイ格好でロンドンの超高級ホテルのペントハウスにチェックインしようとしたら追い返されそうになり、その場でオーナーに電話して抗議すると思いきや・・そのホテルをその場で買収してフロント係をクビにしたりしているw)。
 
この本の著者も、実際にそういう社会出身の人らしく、実際の世界はこんなもんでは無くもっとすごい、んだとインタビューで言っていました。この本を読んだ彼の親戚のおばさんは、「(普通すぎて)この本のどこが面白いのかわからない」とのたまったそうな。この本も中華社会ではなく北米のオーディエンスに向けて書いたのだそうで、まあ層は違うけれど華僑社会に片足を突っ込んでいる身としては、なかなか読み応えのある楽しい小説でした(もともとは旦那が買って読んでいたのだが、旦那はヒヒヒと笑いながら読んでいたものの、なんとなく身につまされる部分があったらしくだんだんヒエ~!ボエ~!となったらしい)。
 
この小説、映画化も検討中だそう!パリ、香港、ロンドン、ニューヨーク、カリフォルニア、オーストラリア、シンガポールインドネシアと色んな場所が舞台になって、ブランドものキラキラのパーティーや豪邸や高級車・・どのブランドの新作を着るとか、どの宝石を買うとか、そういう物質的な部分に振り回されて生活するのは滑稽ではあるけれど、やっぱり見るものとしては目に楽しい。さらに、東南アジアの超お金持ち生活ですから、お抱えシェフが用意する色んな東南アジア料理の記述もなかなか魅力的でした。
 
そして既に小説は続編も出ています。続編は、舞台が大陸に移り、上海とかのスーパー金持ちが出てくるらしいよ!