愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

最近みた映画

Like Water for Chocolate [VHS] [Import]

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赤い薔薇ソースの伝説【字幕版】 [VHS]

赤い薔薇ソースの伝説【字幕版】 [VHS]


1992年公開のメキシコ映画。日本語版のタイトルは「赤い薔薇ソースの伝説」。食べ物がたくさん出てくる映画ということでずっと見るリストに入っていたものをとうとう見た。時はメキシコ革命時代、農場の末娘である主人公、末っ子は結婚せずに母親の面倒を見なければいけないというおうちの決まりのために恋人と結婚することかなわず、恋人は彼女の近くにいるために彼女の姉と結婚してしまう。それでてんやわんやの大騒ぎが色々ある映画なのですが(かなり大雑把な説明)この主人公は自分が作る料理を通じて、食べる相手に自分の気持ちや感覚を伝える能力があるという設定なので、料理のシーンが山ほど出てきます。旦那曰く、この映画が公開された当時、映画を見たあとでメキシコ料理屋に走る人が急増したとかしなかったとか。しかし、恋人からもらった薔薇の花束の花びらを潰して作る、うずらの薔薇ソース添えとか、結婚式のシーンに出てくる大きなペッパーの詰め物料理ざくろ添えとか、これはアメリカの普通のメキシコ料理屋さんに行ったところで食べられないだろうなぁ・・・。と思ったら、この原作本には章ごとにレシピも載っているらしい。読まねば!


Like Water for Chocolate: A Novel in Monthly Installments with Recipes, Romances, and Home Remedies

Like Water for Chocolate: A Novel in Monthly Installments with Recipes, Romances, and Home Remedies


この主人公がもつ不思議な能力や、映画の端々に出てくる幽霊や、マッチを食べると体の中の情熱に火がついて本当に燃えちゃうとか、どうもラテンアメリカ系の小説って、ガブリエル・ガルシア・マルケスしかり、不思議現象が当たり前の現実として捉えられている感じがします。それがまた白昼夢のような世界観があってなかなか良くもあるんだけれど。そういえば昔読んだタイを舞台にした小説もそんな雰囲気がありました。スピリチュアル系?


迷子の警察音楽隊 [DVD]

迷子の警察音楽隊 [DVD]


英語のタイトルはシンプルにThe Band's Visit。イスラエルの映画。イスラエルのある町のイスラム文化センターみたいなところのオープニングセレモニーに招待されたエジプトはアレクサンドリア警察音楽隊。でもヘブライ語の微妙な発音の違いから、間違って砂漠の真ん中のなんもない別の町についてしまう。コメディ映画に分類されていたので、よっぽど珍道中があっててんやわんやの大騒ぎでどっかんどっかん笑いがある映画なのかと思ったけれど、その町に住む人達との静かな交流のお話でした。でもくすっと笑う部分は沢山。迷子になった音楽隊以上に、砂漠の真ん中の町に住む人達の心模様もかなり迷子な様子。そんな迷子な人達同士が、多少戸惑いぎくしゃくしながらも、言葉は少ないのになんだか深い、でも不器用すぎてなんとなく歯がゆい、問わず語りのような感じのコミュニケーションを繰り広げていきます。イスラエルにはちょいと前に遊びにいったことがありますが、あの砂漠、そしてそのなかにぽつんと建つ町の風景は、例えばアメリカのなんもない場所と比べても、ここで迷ったら絶望的と思わせる何かがあったなあと思い出しました。こんな環境だったら確かに一神教を信じたくもなるわなーと思ったり。イスラムVSユダヤという構図で見がちな中東ですが、この映画では宗教的な話は全く出てきません。逆に女とデートしたことのない地元の青年がエジプト人のプレイボーイ風音楽隊員に色々手ほどきを受けるシーンがあったりとか。でもエジプトの警察音楽隊の人達、エジプト人の役者さんがやっているのかと思ったら、イスラエルのアラブ系ユダヤ人な人達がご出演なんだそーで。