愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

最近はまっているもの。それは異種格闘技。


まさかこんなものに自分がはまると思っていなかったのだけれど、最近毎週のように異種格闘技の試合を見ています。UFCの試合はケーブルでペイパービュー(その番組を見るのにお金を払う)なので、友達と集まって小銭を出し合い、みんなで見ることがしばしば。見ている先からついつい熱くなり、色々なことを口走ってしまう。


昔日本で電流有刺鉄線デスマッチみたいな流血試合を見て、マア、格闘技ってなんて野蛮なんでしょう!などとドン引きしてしまったのですが、以前にも書きましたが「A Fighter's Heart」という本を読んでから、格闘技に対する先入観というか、変な思い込みが抜け、目から鱗がぽろぽろ落ちました。(流血デスマッチと、異種格闘技を一緒にしちゃいけないんだけど)。


A Fighter's Heart: One Man's Journey Through the World of Fighting

A Fighter's Heart: One Man's Journey Through the World of Fighting


シナリオやキャラクター設定が多少でもあるプロレスは、ドラマ性やサーカス性があってそれもまた面白いですが、異種格闘技はさらにもっと奥が深い。ガチンコ試合ならではの張り詰めた感じ。そして、試合に向けてコンディションの全てをピークに持っていくため、こつこつとトレーニングに励む選手たち。負ければ本当にボコボコになるわけで、ある意味命をかけて戦っているからこその、真摯さがあるように思われる。ラウンドがボクシングほど長くないので、決着が早くつくのも良い。危険になるとレフェリーがすぐ止めるし安心。ムエタイ柔術、空手、ボクシングなど、色々なバックグラウンドを持つ選手の得意技や強みもそれぞれ違い、それを見るのも面白い。


日本は、格闘技選手がプロとして尊敬される、数少ない市場ということで、格闘技の素晴しさを語れる人は多くいると思いますが、とにかくすごい。こんな面白いものを、長年見逃していたのかと思うとちょっと悔やまれるくらいです。


そんな異種格闘技熱がにわかに高じて、とうとうサンノゼを拠点にする異種格闘技リーグStrikeforceの試合を見に行きました。場所はサンノゼ、HPパビリオン。Strikeforceといえば、最近フョードルを獲得したので、彼の試合を生で見れる日も近いはず・・。UFCオクタゴン八角形)のケージですが、Strikeforceはヘキサゴン!


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相撲の土俵同様、実際みると狭そう!


コンサートや、スポーツの試合を見に行くと、そこにあつまる観客の特徴がものすごく違うのを見るのも面白いです。今回はというと・・・道端でばったり出会いたくない感じの人たちばかり。腕が私の太ももぐらいあるよ・・・。なんとなく全体的に、いかつく、分厚く、タトゥーだらけ、そして黒地のヘビメタ風Tシャツで埋め尽くされた会場。そこに胸にシリコンたっぷり、間違えて幼稚園児向けのスカートはいてません?風お姉さん達もついてきます。なにしろ野郎だらけなので、試合の間に行くトイレ、女子トイレでこんなに並ばずにすんだ会場は、今回が初めてかも!私たち夫婦、そして友人カップルの4人は、あまりに普通で逆に浮いてました。


今回のカードでは、日本の石田光洋が、地元サンフランシスコのメレンデスと対戦。メレンデスは以前石田に負けたそうで、今回リベンジ戦。なにしろ地元だというので、応援がものすごく、わたくしの石田コールは虚しく会場に響く。特に後ろに座っていた兄ちゃんの石田に対するやじがあんまりひどいので、試合の途中でだんだん頭に血がのぼり、本気で殴りかかりたい衝動に・・・。それに気づいた友人J君(テコンドー黒帯)、やじのひどい兄ちゃんにフレンドリーに話しかけ、仲良くなっちゃう戦術に。あっという間に、お兄ちゃんを落ち着かせてしまいました。これぞまさしく、柔よく剛を制す?これはすごい・・・・。肝心の石田は、日の丸に体をつつみ、なんとなく日本のヘイタイさんのような雰囲気。アウェイの試合だし、考えて過ぎていたのかなぁ・・・全然前に踏み込めず、タックルも位置が低すぎて、3ラウンドまで持ったものの、流血。結局ボコボコにされてしまいました。


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イシダー!(イチロー!と叫んでる人も・・・ちがうよ)


みんなぼこぼこにされても、試合が終わるとけろっと普通に立ち上がり、じゃあまたネ、といった感じで、対戦相手に対しても結構カジュアルな感じで挨拶して終わる試合の多いなか、石田さんしばらく起き上がれず、ちょっと心配になりました。もっと応援すればよかった。


今回あっけない試合が多かったですが、その中でもすごかったのが、ゲガール・ムサシ。若くて可愛らしい!ボクシングの天才らしい。実際素晴らしい打撃で、王者ババルをものの1分ジャストでのしてしまいました。シビレル!


そして今回のメインの試合は、女子の王者決定戦。アメリカのジーナ・カラノと、ブラジルのクリス・サイボーグの試合。カラノは可愛くてカッコよくて、映画にも出ていたり、アメリカン・グラディエーターというテレビ番組(たけし城東京フレンドパークと筋肉番付を混ぜたような番組。彼女はいわばストロング金剛とかの役)に出ていたりもしていて、ものすごい人気。彼女に対する歓声は、会場がごぉーっと揺れる位でした。対するサイボーグさん(名前からして怖い)は見た目もまじ怖い。そしてまじ強い。そんな彼女の名前が出るだけで会場大ブーイング。でも試合の結果は日の目を見るより明らかで、サイボーグが完全勝利。かなり注目を浴びていた試合だったので、彼女もあまりあっという間に試合を終わらせると申し訳ないと思って、少し手加減してあげてるんじゃないかな、と思わせる部分があった位。あまりに実力に差がありすぎました。


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ムサシも格好良かったけれど、なにより今一番好きなのはGSP!彼の試合を見に行けるまでは、しばらく格闘技熱は続きそう。陳家日記、しばしば格闘技ネタも出てくるかと思いますが、どうか暖かく見守ってください。


gsp
GSP!キャー