愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

Baudolino by Umberto Eco

Baudolino (English Edition)

Baudolino (English Edition)

バウドリーノ(上) (岩波文庫)

バウドリーノ(上) (岩波文庫)

バウドリーノ(下) (岩波文庫)

バウドリーノ(下) (岩波文庫)



時代は12世紀の中世ヨーロッパ、ホラを吹かせれば世界一、ついでに語学の天才でもあるバウデリーノというイタリア農民が、口先八丁でドイツ皇帝フレデリックバルバロッサの養子になり、プレスタージョンというおっちゃんと彼が作った伝説のキリスト教国を探しに行くぜ!とヨーロッパから魔物が住む未開の地を大冒険。その時の話を、戦火でてんやわんやのイスタンブールで一緒になったニキータスというお金持ちのおっちゃんに語る・・・というもの。歴史はよかれ悪かれ色々な人の誇張と妄想で語られる・・・それを信じるも信じないもあなた次第よ、というテーマがだらだらだらりんと続くのであった。


ウンベルト・エーコといえばショーン・コネリー主演で映画化された「薔薇の名前」が有名だけれど、これは数年の沈黙?を破って出された最新作。ダンナの同僚のイタリア系アメリカ人が、ウンベルトエーコは良い、読め読めというのでダンナが図書館で借りてきたものの、5分の1ぐらい読んでギブアップしていたものを私が拾って読んでいたもの。「出されたものは残さず食べなさい」の精神で頑張って読んだのに、500ページも話をひっぱっといて最後はこれかい!!!!!!という結末。中世キリスト教文化とかにあまりなじみが無いから読みづらいというのもあったのかもしれない。これが戦国時代に弁が立つ農民の八兵衛が口八丁で信長に見出され、極楽浄土を探して旅にでるという話だったらよっぽど読みやすかったのかも。


イタリアの新聞記事は、だらだら書いてあって、最初から最後まで読んでも何を言いたかったのかよく解らないんですよ、という話を聞いたことがある。今まで一緒に働いたイタリア人の人達も、弁は立つが書くのは全然ダメという人が多かった。大学の教育システム自体が、ディスカッションばかりを重視するようになっているんで、モノを書くという機会はあまりないのだそうだ(というのが彼らの弁)。読み終わってぐったりしているとダンナに「それもともとイタリア語でかかれたもんだからしょうがないよ」・・・って先に言って、それ。