愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

DNAでルーツがわかる!23andmeで遺伝子検査を受けてみた

自分の生活や個人的な問題や心配はいまのところ大して無いのに、大統領選挙の結果にこんなにネガティブインパクトを受けるとは・・とへこみがちなこの頃ですが、ちょっと楽しいことも。

今更ですが、23andmeで遺伝子テストを受けてみました。

唾液を郵送すると、自分の祖先や健康についてDNA鑑定してくれるというサービスです。随分前から興味はあったのだけど、どうせ日本人だから、ルーツの解析なんてやっても98%ジャパニーズ、とかで終わるんだろうしな・・と思って放置していました。

でもある日Facebookのフィードにあがってきたこのビデオを見ていたら、なぜか急にやっぱりやってみたくなったのでした。


「DNAの旅」 日本語字幕版

(日本語字幕版が出てたので差し替えました、感動するからぜひ見てみて!)

格安チケット検索サイトが主催した、いろんな人のDNAを解析して「自分自身への旅」をするという企画。応募してきた人たちの中からいろんなバックグラウンドの人を選んでDNA鑑定をするんですが、自分の思わぬルーツが見えてきて、見ているとなんだか妙〜〜に感動的。

まあ、自分の場合は、「あなたにはアラブ人の血が流れているのよ!」なんてことはなさそうだし、驚きは少なそうですが、もうこれは思い立ったが吉日かなと思い、やってみることにしました。

この企画ではAncestoryDNAというサービスを使って解析をしていましたが、ここのサービスはアジア人のDNA内訳が「東アジア」「東南アジア」・・・とかなりざっくりしたことしかわからない、という情報もオンラインで見たので、無難にシリコンバレーの有名どころ23andmeを使ってみることにしました。

23andme.com

以前サービスを使ったことがあるお友達経由だとちょっとだけ安くなるというのでお願いして、唾液採取キットを送ってもらいました。

唾液採取前しばらくは飲食や歯磨きは控える必要あり、また結構な量の唾液をチューブに入れる必要があります。唾液を出すために本当に梅干しの画像を検索したけどあまり効果なし。休み休み3回ぐらい、口にたまった唾液をだれ〜〜〜っと入れました。

これを送られてきた箱に入れて、送り返して後は結果を待つだけ。送り先が、良く医者に言われて血液検査しに行く全国チェーンのラボだったのでへ〜と思いました。結局結果が出るまでに2週間ぐらいかかったかな?

DNA分析でわかること〜健康面

結果が出るとメールで知らせてくれるので、ウェブサイトにログインしてオンラインでレポートを見ます。まず「健康面」でわかることはこんなことでした。

  • 乳糖不耐症かどうか(牛乳飲むとお腹がごろごろするやつ)
  • 飽和脂肪酸への反応(食べても体重に影響ある人、ない人いるらしい)
  • お酒を飲むと顔が赤くなるかどうか
  • 眠りが深いか(へー!こんなのも遺伝子と関係あるんだ)
  • カフェインの摂取量(多いか少ないか・・ということだったんだけど、これって遺伝子と関係あるんだ?!)
  • 筋肉のタイプ(スプリンターとか何とか)
  • 寝相(寝てる間にどれだけ動くか・・これも遺伝子が関係してるんだって!アフリカ系のほうがヨーロッパ系より動かない、とかあるらしい)

・・・ただ、お酒を飲むと赤くなるかならないかなど、まあどれも自分で知っていることだし、結果は見ても「あっそう」って感じではありました。

 

DNA分析でわかること〜特定の病気に関する遺伝子のキャリアかどうか

自分がその病気を発症していなくても、自分の子供などがその病気を発症するリスクがあるかどうかも、遺伝子からわかります。脊髄小脳変性症とか、ブルーム症候群とか、聞いたことのないようないろんな名前の病気41種類についての結果が出ました。結果は全部シロだったから良かったけど・・・。

アーミッシュとか、一部のユダヤ人グループなど、少ない遺伝子プールの中で結婚を繰り返すために出る遺伝性の病気なども色々あるようです。

健康面に関する分析は、昔はもっと癌や糖尿病になりやすい遺伝子かどうかなども教えてくれていたらしいけど、FDAから何か言われたらしくて(これだけで医療診断できないから云々)そういう情報を出すことはやめたらしい。

本当はそういうほうが気になるけどな・・。日本ではそういうこともわかるサービスもあるみたいですね。

(追記:その後、アルツハイマーなどにかかる可能性についてなどもわかるようになりました。結果は怖いので見てませんw)

DNA分析でわかること〜身体的特徴

これもまあ、はーそうですか・・・っていった感じでしたが、肌の色、毛質、富士額かどうか、眉毛が繋がっているかどうか、人差し指と薬指どっちが長いか(これは結果と違ってた!)、耳垢のタイプ、日光を浴びた途端にクシャミがでるか(そんなことあるんだ!)、味覚の特徴(苦味を強く感じるか)などなど。特に新しい発見は無かったかな?他の東アジア人に比べると髪の毛の色が多少明るめっぽい。

 

DNA分析でわかること〜人種構成

やっぱりこれが一番ワクワクします!で、肝心の結果ですが・・・

 

100%東アジア人

 

・・・ってまあそりゃそうか!

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内訳ですが、多分平均的な日本人と同じじゃないでしょうか。9割日本、残りちょっと朝鮮半島、中国でした。

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私の場合は、内訳から見て5〜8代前の先祖に、100%中国系の人と、100%朝鮮半島系の人がそれぞれいたことになるそうです。1730年〜1820年頃に当たるらしい。ってことは、江戸時代の享保15年〜文政3年頃。

これ、そーんな昔じゃないじゃないですか!しかも鎖国の時代の日本で、どのようにしてそういう人達が家族の中に入ってきたのが、ものすごおおおおおく興味がある!商人とか、海賊とかだろうか。

なんだかんだ言って、日本人って言ったっていろんな人種が混じってるってことですよねぇ。このテストをやった日本人のお友達の中は、なぜか少しだけ中東系が入ってた人もいましたw

DNA分析でわかること〜先祖の起源がわかるハプログループ

人種構成のほかに、このテストでは自分の「ハプログループ」を知ることができます。これが一番テンションあがった!

自分の祖先を遺伝子で辿るといっても、父母、祖父母、曾祖父母・・とどんどんさかのぼると、自分に至るまでの祖先の数はものすごい数になるわけで、その数は1人の人間が持つ遺伝子の数をあっという間に凌駕してしまいます。

つまりは遺伝子を受け継がなかった祖先の数のほうが随分多いことになるらしい。

でもその中でも、ミトコンドリアDNA(なんか理科の授業でやったなあ)は母から子へ、そして男性の場合は、Y染色体のDNAは父から息子にずっと伝えられるものなんだそう。そしてこのDNAの特徴が「ハプログループ」という名前で分類されています。

各地に住む現代人と、遺跡から出てくる骨のDNA情報を比較することで、異なるハプログループの集団がどのように移動したか、また自分のルーツ(の一部)がどこから来たかわかるらしいです。ヒ〜〜〜!!!面白い!!

で、私のハプログループは何だったかというと、

 

A5c

 

「ハプログループAのサブグループで起源は5万年以上前。アメリカ大陸、シベリア、東アジアに分布」・・・とだけシレッとレポートには書いてありました。

実はこのハプログループの調査、日本人に関する調査が一番進んでいるらしいです。

ハプログループと日本人の起源については、この本を以前から読んでとても興味を持っていたのですが、ここに日本人が持つハプログループの内訳についてもっともっと詳しく記されているのでさっそく再度紐解いてみました。

日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造 (NHKブックス)

日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造 (NHKブックス)

 

 この本は遺伝子学と人類学についてものすごおおおく分かりやすく丁寧に書いてあって、うわーーー科学の力でこんなことがわかるのか!!そして何より、日本人とひとくくりにいっても、実際はこんなに色々なところからやって来た人達の寄せ集めなんだ、ということがわかってものすごく感動します。

現在の研究の限界の部分についても正直に書かれているし、その研究手法やデータをどのように理解するかなど、初めての人にもわかるように書いてあって超オススメです。

で、肝心の私のハプログループA5cですが、この本によると、

  • 「ハプログループA」は日本人の7%
  • バイカル湖出身、いわゆるマンモスハンターとして氷河期の頃北方から移動してきた
  • ハプログループAの中にもサブグループが色々あり、例えば北米中米、東北シベリア地方の住民(ネイティブアメリカンとか原住民系)の約半分がハプログループA2に属している
  • サブグループA4は東アジア全域に見られるのに対し、A5は朝鮮半島、日本のみで見られる
  • A5が派生したのも7000年ほど前で比較的新しい
  • A5は日本には縄文と弥生時代の間ぐらいにやってきたらしいが、「渡来人」ともちと違うらしい

ということでした。へぇぇぇぇ〜!!!

これは私の母の母の母の母の母の・・と母系のほうから受け継いだミトコンドリアの情報です。父方について知りたければY染色体DNAを見る必要があるので、うちの父か弟が直接テストを受けないとわからないそう。

これは本当に自分に至るまでに100万人ぐらいの人達が関わった、長い長い家族の歴史の中のひとつの断片でしかないし、恐らく寒がりの私には寒さに強いマンモスハンターの遺伝子なぞ一個も残っていないとは思う(しかし寒がり以上に暑いのが苦手)。

でも自分の祖先がギャートルズみたいにマンモスを追いかけていたり、他の人たちがじわーっと東アジアに南下したりベーリング海峡を渡ってアメリカに行ったりしているのをよそ目に、迷うこと無く朝鮮半島にまっすぐ突っ込んでいった・・という状況を想像しようとすると、どういう決断が働いたんだろう?どんな風景や生活があったんだろう?とわかるはずもない果てしなく遠い昔の家族の事情(笑)が気になって、なんだか変な気分になってしまいました。

この本ではA5からさらに派生したグループのことには言及されていないので、さらにA5cというのがどういう人達なのかはちょいと気になります。

DNA分析でわかること〜会ったことの無い親戚

23andmeでは遺伝子の情報がどれだけマッチするかで、血縁の人を探すこともできます。特に養子に出されて自分の本当の親や家族がわからない、という人も結構こういうサービスを使っているので、大事かも。

アメリカのサービスだから、実際に日本からテストを受けている人はそんなに多くはないと思うし、あくまでこのサービスを使ってテストを受けた人の中からの情報ではありますが、私の場合は150人ぐらいヒットしました・・・(そして時間が経ちサービスを使った人が増えるに連れて、遠い親戚の数もどんどん増えています)

中には遠い親戚としてベトナムや中国、韓国やフィリピンの人の名前も出てきました。彼らの人種内訳を見ると日本人の要素は0%になっているので、私がちょびーっとだけ持っている韓国か中国の遺伝子のどっかで繋がっているということらしいです。ヒ〜!!!もうこうなると人類皆兄弟って本当ですな・・・。

一番近い親戚として出てきたのは、おそらく「みとこ」であるらしい、ハワイ出身の日系アメリカ人。しかも名字が沖縄の人でした。「みとこ」はひいひいひいおじいさんおばあさんが共通している親戚(つまりはまあ、ほとんど他人か・・)になるらしいですが、いったいどの時点で沖縄の人と繋がったのか不思議です。でも自分のひいひいひいじいさんばあさんも、8組はいるわけだし・・。

親戚としてマッチした人とは連絡取ることもできるけど、どうしようかな?

・・・というわけで、健康面の情報はまあアレでしたが、自分のルーツを知るという意味では、あんまりドラマチックな結果を期待していなかった日本人の私でも、そこそこ好奇心を満たすことのできて面白かったです。次はチャイニーズだけど背が高くてたまになぜかハーフに間違えられる旦那にもやらせてみたいかも!!

追記:その後遠い親戚から連絡が来ました↓ 

marichan.hatenablog.com

 

 

一晩で違う世界になってしまったアメリカ

選挙から今日で一週間。Facebookにポストした文章(多少改訂)

選挙から1週間もたたないうちに、子供が通う小学校の建物に誰かが人種差別的落書きをする事件が起きました。選挙の後、各地でヘイトクライムが起きている状況を見て心を痛めつつも、ベイエリアにいる限りは安全だと勝手に思っていましたが、そんな幻想はあっという間に打ち砕かれました。

 

アメリカに住んで20年弱。頭のおかしい人に差別的なことを言われたことは一度あったけど、こういう経験をするのは初めてです。ただラッキーだったのかもしれないし、バブルの中にいたかもしれない。でもまさかこんな目の前で、子供が通う学校という子供・家族にとってコミュニティの中でも一番大事な場所でこういうことが起きたことは衝撃でした。

 

見た目からはっきりマイノリティである我が子(ベイエリアでアジア人はマジョリティなんだけど)、いろんな肌の色や見た目の人がいることは知っていても、その裏に何か意味があるということはまだ知らない娘に、差別について、自衛について、どこまで話すべきなのかも悩みました。なにより政治が理由で子供の日常に支障や不安が出る・・という状況は日本で暢気に育った身には経験したことがなかったのでとても戸惑い悲しくも思いました。

 

幸いコミュニティがあっという間に立ち上がり、今朝は学校の周りに保護者やコミュニティの人たちが「みんなここでは仲間、誰もが歓迎される場所」というメッセージを持って子供達を迎え入れてくれました。

 

実は差別的な言葉の中には日本人に対するものもありました。恐らく本気で日本人を攻撃したいというより、ありとあらゆる差別的用語を使ってみたかったような印象ですが、誰が書いたかは知らんが、こういう行為を許す余地はゼロ。そして次期大統領に決まったオレンジハゲ隠し野郎が人種差別を解禁したと思った輩の仕業であると思ったら、悲しいとか怖いとかの感情を通り越して怒りで頭から水蒸気がシューシューでている状態です。

 

これから子供達が住む世界が一体どうなっていくのか、手をこまねいて見ているだけではいけなくなってきました。メラメラ・・燃えてきたぞ。

今まで黒人やヒスパニック、ムスリムの人たちへのヘイトクライムを見てきて、酷いとは思いながらもやはりどこか他人事だった。また自分達に影響があるとしても、それはカリフォルニアでも田舎のほうか、州の外に出た時だと思っていた。しかし選挙があけた瞬間、まさかここ、ベイエリアで、自分のコミュニティで、しかも自分も対象になるような攻撃を受けることになった。

子供の学校の壁に日本人差別の言葉が書かれていたことへの衝撃。ヒラリーが必ず勝つとは思っていなかったので、選挙後の世界は今までのものとは違うものになるかもしれない、とは思っていたけれど、まさかこういう形であっという間に起きることは予想していなかった。

今回の件ではPTAや教育委員会もすぐ動き、学区の全ての家庭に、学校として人種差別やヘイトクライムは断じて許さないという内容のロボコール(音声を既に録音してある)がかかってきた。またコミュニティの人たちが学校に集まって、静かに見守るイベントも行われた。

誰がやったかは知らないが、その前の週にはトランプ支持の言葉の落書きもされていたらしい。新しく国の長になるあのおっさんの言動にインスパイアされた輩による人種差別が多発して、それを地元のオフィシャルが必死に止めようとしていることからして異常すぎる。

選挙が終わってからは連日オークランドでもプロテストが起こっている。ここのところ社会的政治的問題が起こると略奪焼き討ちはよくあること(!)になっていたが、家にいてもヘリやサイレンの音が毎晩聞こえてくるような状況だった。ここ数日は平和裏な集まりも増えていて、地元の高校生が授業をボイコットしたり、地元の市役所にろうそくをもって集まったり、オークランドにある湖を人の輪で囲む、などという活動も起きている。

あのおっさんが当選した後はとにかく怖いという感情、これからどうなるかという不安にさいなまれたが、この事件が起きてからはそれがものすごい怒りに変わっている。また同時に、このコミュニティの中にもある色々な違いや格差についても異様に敏感になってしまっている。

子供の学校はこのエリアでも白人がかなり多いので、私も親として、必ずしも完全に馴染んでいるとも言い難い。そんなところで起きたこの事件。他の親たちは、こんな事件が起こったことをもちろん懸念はするし、落書きを消したり、皆で集まったりしても、結局は攻撃対象ではないのでやはり衝撃度や引きずり度が違うんではないか?という自分の中での変な疑念まで持ってしまっている。なんだか誰もが敵になる可能性があるような、トゲトゲした感情が芽生えている。イベントも終わったら皆あっという間に帰ってしまい、誰とも話すことはなかったので、なんともスッキリしない気持ちで帰宅した。

後で数少ない日系人のクラスメートの親にばったり会えたので、2人で涙目になりながら抱擁して、ようやく色々な話をすることができた。

選挙直後は恐ろしいと思いながらも、これからの動きに目をそらさないよう、しっかり見ていこうと、選挙結果に衝撃を受けすぎて全てをシャットダウンしてしまっている旦那を尻目に一生懸命ニュースを読んだりしている。そこにきて今回のこの事件が起きて、少しというかだいぶ参っている。頭がシューシューしている。これからどうなるかわからない大統領府というものとはまた別の恐ろしいものが開いてしまったことを身をもって感じてしまった。

人種差別や女性差別の件は、トランプのレトリックだ、これから色々手腕を発揮してくれるかもしれない、と希望的観測を述べる日米のメディアや有名ブロガーやコラミストの文章や発言にあたってもしたり顔で何を言う、と怒りばかりがこみ上げてくる。少しでも自分の子供の安全や人権を踏みにじるような状況を作り出して生み出すグレートなアメリカって何なんだ。そんなものはくそくらえ。

なんだか歴史的悲劇映画の冒頭部分にでもいるような気分である。

この1週間こんな感じで先週とは世界が全く違うように見えるようになった。まだ感情的に収まっていない部分が多いというか、まったく収まっていない怒り心頭中であるので、まずは落ち着く必要がある。また自分の中で色々処理して、家族とも話し合い、これからどうしていくのか定めていくことになるだろう。とりあえずは、今の状況はこんな感じということで。

ロンドン2016 ⑭ オトレンギリベンジ

子供達が弁当持参で人形作りに勤しんでいる間、私とSちゃんママはのんびりランチと決め込んだ。行った先は、イズリントンからさらに北上したエンジェルという場所にある、オトレンギさん。

エルサレム出身のユダヤ人オトレンギさんと、同じくエルサレム出身のパレスチナ人サミ・タミーミさん。この2人がロンドンで出会って始めたお店「オトレンギ」はかなり有名。

地中海料理やアジア料理などを融合させた、結構お野菜たっぷりのお惣菜風のお料理が食べられるカフェ風のお店。

数年前に彼らが出版した「エルサレム」という料理本に出会ってえらくハマり、この料理本のレシピを全部制覇する!と息巻いて料理していた時期もあったなあ。結局まだ制覇できてないけど・・。

Jerusalem: A Cookbook

Jerusalem: A Cookbook

 

エルサレム料理本の他にも、オトレンギで出している料理を紹介したレシピ本「Plenty」はアメリカでも人気で、料理好きの人の家に行くとかなり高い確率で本棚に入っている。

Plenty

Plenty

 

実は去年もオトレンギさんの店に行ったのだが、足を運んだノッティングヒル店はサービスがダメダメであまり良い思いをせず、さらにオトレンギさんが展開している高級版レストランNOPIにも期待を膨らませていったところ、そこで食べた何かにあたってひっくり返るという悲劇に見舞われたのであった・・オトレンギさん、好きなのに・・・(涙)

 

marichan.hatenablog.com

 
というわけで、今回はオトレンギの別店舗にリベンジ突撃! このお店の素敵なところは、こうやってお惣菜が山盛りどわーっと並べ られているところ。ここから欲しいものを言って持ち帰ることもできるし、テーブルでオーダーも可。

甘いものそれほど得意ではないけれど、こうやってケーキが並べられているのには滅茶苦茶弱い。キレイで可愛い。全部味見したくなる!!でも高い!!

お客さんは大抵迷いに迷い、ついでに携帯で写真も取るので、いつもレジには列が出来ているw

今回はゆっくり座って食べようとテーブル席に案内してもらい、パン(オリーブオイルがうまい)と、大皿に載っていたサラダのうち3種類を選んで持ってきてもらうセットにしてみた。

手前のはムジャダラっぽいもの。エルサレム料理本で見てから家でも時々作る米料理。あとはカリフラワーのローストしたものなど。

特に凝った作りをしているわけではないが、スパイスやハーブでの味付けがナイス。多分日本では一般的な味ではないかもしれない。

我が家でもオトレンギさんの料理本を通じて、デーツシロップやザクロのモラセスなども台所の調味料棚に並ぶようになった。

ちょっと気になったのは、やっぱりオペレーションの部分。

良く見てなかったけど、ディスプレイを兼ねて既に大皿に盛ってあるサラダを、ウェイターの人がトングでもってお皿によそったりして盛って来てくれるのだが、それに15分とか20分とかものすごーーーーーく時間がかかる。

動きを全部見てなかったからよくわからないが、中で色々無駄な動きがあるような感じがする。

既に出来合いのものを出すわけだから、実は秒速でお出しすることもできるのかもしれないが、それだと逆に回転が良すぎて色々間に合わないからわざと遅くしてるんじゃ?という気にもなってしまった。

ランチ、入り口に長蛇の列が出来ていたが、ほぼサービスが遅くてボトルネックができてるなという感じだった。

なんだこの感想はw憧れてただけに毎回残念なところが目についてガッカリなのだろうか。

それでも食べられて満足。帰りにデザートも買って帰ったよ。

ロンドン2016 ⑬ イズリントンでパペット作り

大統領選挙の結果が出ましたが、あまりの衝撃にまだ言葉が出ないため、通常通り夏休みロンドン日記をとりあえずアップします。

リトル・エンジェル・シアターのワークショップ

ロンドン滞在2週目。1週目から早速サマーキャンプにぶち込まれていた小さいさんであるが、2週目は母娘で楽しくやろうぜ!と色々予定を入れてみた。といいつつ、2週目初日からまた、子供だけのサマーワークショップにねじ込まれてしまった小さいさん。

でも今回はお友達のSちゃんが一緒。以前Sちゃんがパペットシアターのパフォーマンスを見ていたく感激し、そのシアターの人達が子供向けにパペットを作るワークショップを開くというので、一緒に参加できるよう申し込みをしておいてくれたのだった。

主催しているのは、Little Angel Theatreという、イズリントンに専門の劇場も持っているグループ。

littleangeltheatre.com

実際のショーは私達は見る機会が無かったけれど、操り人形などかなり本格的みたい。もう30年も続いているグループなんだそう。

土曜日や放課後、そして夏休みなどの間に子供達が自分の人形を作って人形劇をやるワークショップがあり、今回は「Fairies and Sprites」というテーマで妖精の人形を作りましょう♥というのに参加してみることに。

Islington Museumという、地元の図書館の地下にちょこっとある小さな郷土史博物館的な場所のミーティングルームに集合。カリフォルニア的感覚でちょっと遅れていったらすでにワークショップが始まっていたけれど、小さいさんは特に臆することもなくすたすた中に入っていった・・・。

お弁当持参で1日がかりのワークショップだったため、私とSちゃんママはその間優雅にランチ。子供達はその間、作りたい妖精をデザインし、紙コップやら毛糸やらを使って人形を作成、最後に親たちの前でその人形を使ったパフォーマンスも披露してくれた。

妖精がダンスパーティーをしていると、意地悪な妖精がやって来て邪魔をするけど最後はみんななかよくなりました、ってなハートウォーミングな話ですw

小さいさんが作成した人形は「ルル」という名前で、世界中に水を撒き散らす妖怪・・じゃなくて妖精だそう。

 
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 人形を作ったはいいが、ハッ!これ、アメリカに盛って帰らんとあかんのか!!!

・・・帰国時には子供のバックパックになんとか詰め込んで、ルルさんも無事に帰国、今も子供部屋の本棚に鎮座しています。

イズリントン散策

ワークショップが開かれていたイズリントン・ミュージアム、とても小さなところだけれど、地元の歴史についての興味深い展示がいくつかあった。

イズリントン、19世紀には貧困層がだーっと流入してきた場所だったそうで、特に当時の人々の困窮した生活の様子の紹介が非常に印象的だった。父親が仕事が無くなったと泣きながら帰ってきたとか、一部屋にぎゅうぎゅうになりながら家族が生活する様子など。

またこのエリアはレーニンが住んでいたことがあったとかで、彼の胸像も展示されている。彼が住んでいたアパートも近くにあり、マルクス記念図書館になっているらしい。貧困層労働者階級が多かったこのエリア、社会主義運動があっても驚かないし、マルクスエンゲルスもロンドンの住人だった(マルクスのお墓もロンドンにある)。

朝子供をドロップして、渋滞にはまってさらに遅れていたSちゃん達を待っている間、周囲をウロウロしてみたけれど、ミュージアム近くにはシティ大学ロンドンの校舎など学校関係のビルもちらほら。あとは小さなお店や住宅が並んでいた。

小さな公園多し、住宅はこちゃっとした感じのもの多し。途中、建物の中から音楽と怒号が聞こえてきたのでふと見ると、かなり本気のバレエスタジオがあり、つい小窓から覗いてしまった。

歩き疲れたので、Exomouth Marketという、良さげなお店が並ぶ小さな小路に入ってすぐにあったカフェで休憩。

お店はココ

sweetdesserts.co.uk

フラットホワイトと朝からエクレアをいただいた。

そこらへんに転がっていた新聞を読んで時間を潰す。

また後で書こうかと思うけれどイギリスの新聞はどこか内容が牧歌的で、時々どこかの村の新聞を読んでいるようで微笑ましい。

ネルソン提督の愛人だったエマ・ハミルトンについての記事の下には、どっかの子爵夫人の領地で羊を襲うアナグマが現れて困っているらしい話(貴族・アナグマと交戦中)、イギリスのフィッシュアンドチップス屋で出されるお酢の多くがお酢のカテゴリーに入れることができない「偽酢」であることが判明した・・という話題が。

もう少しこの小路も探索して見たかったが時間切れ。ちょっと小雨も降ってきてひよった。

ロンドン2016 ⑫ PutneyでBBQ

(注:今年夏のロンドンの記録を今だにひきずって書いています)

去年の夏のロンドンで、子供を1週間ぶちこんだサマーキャンプ。そこでお友達になったSちゃんファミリーに週末BBQに招待してもらいました。

途中、Kensington High Streetに立ち寄り、ロンドンにもここ数年進出著しい、Whole Foods Market で偵察がてら買い物。オーガニックの素敵な食材を提供しているのは良いのだけれど、そのあまりの値段のつけように、Whole Paycheckと揶揄されておるアメリカのチェーンです。

うちも昔は良く行っていたけど、もっと地元で取れるオーガニック食材を安く提供しているローカルのお店を見つけてからは、とんと足を向けなくなりました(それでも乳製品とか、ここのブランドの箱モノは多少お安いのだが)。

ロンドンにも現在7店舗も展開しているらしい!なかなか高級エリアにあるこのお店も、売り場が2フロアもあった!スゲーなオイ!

ここの量り売りのスパイスコーナーは、ちょっとスパイスマーケット風にキレイに山盛りにしてあります。七味唐辛子がドーン!って売ってたよ!

健康食品も含め、世界の色々な食材を取り揃えている点、いろんな食材を知るきっかけになったという点では我が家の中では功績のあるこのお店。ロンドンでも頑張ってください。といいつつ、この高級エリアでこういうところで普段の食材をお買い物して生活している人っていったいどんな人なんでしょう。

食糧やビールを買い込んで再び電車に飛び乗り、陳家は一路Putneyへ。ロンドンの南西部、ウィンブルドンにも近い住宅街です。ここを「郊外」と呼んでいいのか良くわからないけど、ロンドン中心部からは電車で2−30分といったところ。

テムズ川を渡るPutney Bridge。ここらへんにはボートハウスもたくさんあり、ボート競技の開催地としても有名で、オックスフォード対ケンブリッジのボートレースもここがスタートポイントだそう。

うちの旦那もここらへんまで来て、仕事帰りにパドルボートをしたりしていました。気持ちの良い日だったので、一駅前で降りて、橋を渡りがてら、街を散策。どやどやごちゃごちゃしているロンドン中心部より、やはり空間が広くて気持ちいい。

この日は道路を封鎖して、チャリティの自転車100キロレースが開催されていました。昔はうちもこういうチャリティアスレチックイベントによく参加していたなあ(遠い目)。歩きながら沿道から出来る限り声援を送りました。

面白いことに、イギリス人応援が控えめ・・・wwあんまりヒューヒューキャーキャー言わない。

去年もお邪魔した勝手知ったるSちゃん家。タウンハウスにお住まいのSちゃん一家と、つい最近スペインから引っ越してきたというご近所さん一家も交えて、3家族でのBBQとあいなりました。

Sちゃん一家が住む場所は、いくつかタウンハウスが集まった集合住宅風のところなのだけれど、曰くご近所さんにイギリス人がほとんどいないのだそう。近所に住むのはスペイン人、インド人、イスラエル人などなど、仕事のために各国から集まってきた人達。

私達が滞在していたマリルボーンというエリアも、近くの公園に子供を連れて行くと聞こえてくるのはスペイン語、イタリア語、フランス語にロシア語、ヘブライ語アラビア語に時々日本語・・とほぼ英語以外の言葉ばっかりでした。

去年ロンドンでちょっと仕事した時も、やっぱりロンドン色々高いし、高い割に狭いし、ロンドンに仕事があっても、電車で1時間以上かけて通勤するのは結構普通だという話をイギリス人同僚から聞いてほへ~、と思ったものですが、思えば私も日本で普通に片道2時間通学とかしてたわ。

というわけで、今回の滞在でも、いわゆる「アングロサクソン系のイギリス人一家」と知り合いになる機会はついぞ訪れませんでした。

 ヨーロッパ人と話が合う旦那はまた酒を飲みながらサッカーやらなんやらの話をえんえんえんえんと続け、子供はSちゃん姉妹やスペイン3きょうだい達と楽しくワイワイ、最後には去年同様、アパートについているプールにも入れてもらってご満悦の週末でありました。Sちゃんママ、いつもありがとう!