愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ロンドン2016 ㉟ 素人がミシュランスターレストランの厨房に立ってみた、その3

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メインの料理もだいぶ落ち着いてきて、厨房がだいぶ落ち着いてきた矢先、ペイストリーセクションに呼び戻されたわたくし。

メインの厨房と別になっているペイストリーセクションは、流れる時間もメインのところとは少し違っていた。

デザートは最後の最後なので、みんなが落ち着く時間になると急に忙しくなる!

デザート担当は、名前を忘れてしまったパンも担当しているにいちゃんと、紅一点のお姉ちゃんのふたり。

火を使って暑い暑いメインの厨房に比べて、冷たいデザートも扱うこの厨房は涼しめで、流れる空気ものんびりしている。

私が盛り付け方を教えてもらったのは、私も前回お客として訪れた時にいただいた、こちらの「パフェ」など。

ご覧の通り、色々なアイテムが乗っているこのパフェ。

この写真では見えないけれど、まずパレットナイフでキャラメルソースをお皿に塗りつけて広げ、その上にクッキーみたいなのの粉になったのを散らす。

丸いのが「パフェ」で、生クリームなどを冷やし固めたものだけれど、アイスクリームというわけでもない不思議なもの。これをポン、と置き、チェリーのシャーベットはスプーン2本を使って形を整えながらスクープして置く。

チェリーソースをポン、ポン、と水玉状において、2種類のクッキーの砕いたものも並べ、私が一生懸命種を取ったチェリーも置く。

最後に、チョコレートのクラッカーを適当な形に割って、パフェにブスブス刺して安定させて出来上がり。

実に一皿に9アイテムが載っている!!

冷たいデザートだし、注文がきてからこの材料をいちいち出したりしまったりして盛り付けないといけない。

こういうキッチンのオーガナイズの方法は、そのシェフの個性が出るみたいなのだけれど、このキッチンも盛り付けに必要なアイテムがあちこちにとっ散らかって置いてあって難儀した。

散らかっている訳ではないんだけれど、お皿に載せるクラム、クラッカー、クッキーの割ったやつ、全部置いてある場所が別々、それもキッチンの右側と左側に置いてあったりして意味不明。

それで結構おしゃべりしながらのんびり盛り付けるので、時間がかかる。そういえば先週デザートでてくるまで結構待ったのを思い出した。

頼んだデザートが出てくる前に、デザートの前菜みたいなのも出てくるのでそれで時間に余裕がある、というのもあるとは思うけど・・。

という訳で、デザート盛り付け、全て終わったのは夕方4時。ハァ〜さすがに疲れました。

実はこの後、ディナーシフトもやっていく?と聞かれて、やる気満々だったのだけれど、終わって腰を下ろしたらもうぐったり。

この後さらに夜9時ぐらいまで働いて、そこからタクシーのって電車乗ってロンドン戻るのか・・と思ったらもう無理です〜、ということになってお仕事はこれでおしまい。

レストランはディナーが終わってもディープクリーニングもあるから、夜中の2時まで何かしらあるそう。翌日のパンの仕込みは夜10時からだって。

メインの厨房も、ランチが終わったら休憩という訳でもなく、チキンストックを作ったりといろいろ仕込み中。

ペイストリーの方ではお姉ちゃんがパンの兄ちゃんに「夜も長いし今のうちに外の空気を吸っておいで」と気遣ってたのが印象的。

この後、そういえば仕事中存在をすっかり忘れていたヘッドシェフ(そういえばいたっけ・・?!w)と、スーシェフと色々おしゃべりして、タクシー呼んでもらって帰路についたのでありました。

すごく疲れて、翌日は午後まで起き上がれなかったけれど、めちゃくちゃ楽しい経験だった。まさか自分が入れると思っていなかった、ハイエンドなレストランの厨房。シェフたちも、レストランのスタッフの皆さんもみんな優しくしてくれて、このまま翌日も戻って働きたい・・と思ったほどw いや、実際に働くとなると現実はそんなに甘くないのはわかっているけれど。

でも美味しいものを作る、という一つの目標に向かって、限られた時間の中でみんなが一丸となって働くことへの充実感というのがすごかった。仕事中に出たアドレナリンを鎮めるのがすごく大変だったのでした。

加工したら変なことになった、なんだこのセルフィーww

次回はレストランネタ最終回。実際に厨房に入ってみて気づいたこと面白かったことなどを。

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