愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

なんでやねん


細雪 (中公文庫)

細雪 (中公文庫)


アメリカでは「Makioka Sisters」と訳されていたりする。1,000ページもある話なので一度読んでもしばらく置くとすっかり話を忘れていた。我が家は出身はみんな大阪なので、夏休みになるとそろって里帰りしたものだけど、私は育ちはずっと関東。でもやっぱりなんとなく関東が地元という気がずっとせず、そこで生活したことが無い割りに、年寄りに囲まれて過ごす大阪の夏に、自分の深いルーツがあるような気がしたりもする。同年代の大阪の友達と遊ぶなんていうことはなく、大阪に行けば年寄りじみた行事ばかりに参加していたから、余計そう思うのかもしれないし、私が聞き覚えた大阪弁もそんなわけだからえらい古っぽいんだろうなぁと思う。


話を読んでいて、時代も背景も違うけれども我が家の女性陣(祖母、母、私)には何だかんだいって大阪の奥さん的性質がかなり根底に残っているのかもしれないなあと思った。物事を決めるのに悠長なところがあったり、色々思うことがあっても「ふん、ふん」と無関心を装っていたと思ったら後でひっくり返したり、細かいところに気を使うと思ったら大事なところで抜けていたり。我が家は阪急沿線で、芦屋とはちょっと違うけど、箕面というちょっとおっとりした山のほうにあって、お出かけはいつも梅田とか宝塚とかで、歌劇だどこの老舗のお使いものだ、という話は良くあったから、なんだか読んでいて、遠い昔の話なのに、妙に懐かしい感じがした。でもアメリカに来て、逆にそういう性格は損だなぁと思うこともあったりしてちょとへこむ。