愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

きもちの良い幕引き


DCで最後の演奏の機会はプーランクのフルートソナタでしめました。とーっても気持ちよかった!!急遽ピアニストを変えたので、本番前に二人でちょこちょこリハーサル。しかも彼女が持っていた伴奏譜が途中で切れていたので、急遽私が持ってきた楽譜に替えたりして、ほとんど初見という感じでしたが、さすがプロ・・(そりゃそうだ、うちの学校のディレクターのひとりだし・・・)1、2回調整しただけであっという間に完成。魔法みたいでした。言葉でいちいち説明しなくても、気持ちがぴったりあう感じ。彼女のおかげで本当にフルートやってて良かった!と思える瞬間を味わえました。とってもシアワセでした。


それで気がついたのだけれど、ピアノのおっちゃんは、演奏する前から数字を沢山引き合いに出して、とにかく理詰めで調整するタイプ。でも前日書いたとおりで、私は長年フルートをやっているくせに、いまだに理論が全然わかってないので、おっちゃんの言ってることがかなり「?!?!」だったのです・・・これってプロの音楽家になろうとしたらかなり失格です。実は楽譜もあまり見て無くて、フルートとピアノの音が全部頭の中に印刷されていて、それを脳から呼び出している、という感覚。なので、頭の中に印刷されている感覚を思い出して、ピアノが聞こえてきたら勘で全部あわせてしまう。だからどの小節からいきなりピアノを弾かれても、反射的な対応は可能だし、一度楽譜を覚えたら忘れないのだけれど(逆に覚えてない楽譜はちゃんとふけない)、それが逆に楽譜を見てフルートは何小節お休みで・・・と数えようとするとダメになってしまう。音の名前をABCで言うのもいまだにすぐには出来なくて、私の脳の機能は著しく何か欠けてるんじゃないかとたまにすごく自信がなくなってしまうのだけれど、ピアニストと二人でこんなに二人の勘を重ね合わせることができる、という経験は初めてだったので、何かとてもスピリチュアルな経験をしたような気分で嬉しかったです。すごく豪快で楽しい人で、あー、私もこんな人になりたい!という人でもありました。と思ったらやっぱり彼女もニュージャージー出身!ふふふ。「ハイウェイを運転していて、どんどん回りの運転が荒くなって、Yo!ふぁっきゅー!とか聴こえてくると、あぁ、ふるさとに帰ってきたわ!って感じでうれしくなっちゃうのよネ」だって。


急遽コンビを解消した(?)ピアノのおっちゃんも来たけど、ちゃんとオトナの振る舞いをしてくれて、最後はみんなで楽しくお話して、すごくあったかい集まりでした。あー、しやわせ。