ロンドン旅日記もあと数回を残すところなのに、終了を待たずに今年の旅が始まってしまった!
夏への日本帰国は毎回暑くて動きが取りづらい。フライトの値段を見ていると気分も萎えてくる。毎年夏に日本に行かなくてもいいんじゃね?ということになり、今年の夏は別の土地に行ってみよう!ということに。
そしてなぜか選んだ先は、日本並みかそれ以上に暑い国ギリシャ。
パパがギリシャ経験者で、ぜひ私達にもギリシャを見せてあげたい!という希望もあり、陳家はいざKLMに乗り、アムステルダム経由でアテネへと向かったのでした。
英語圏じゃない外国に行くのは実に何年ぶり。しかも文字が・・あの文字がよくわからん!ちょっとドキドキ。
アムステルダム・スキポル空港までは11時間ほど。私達のフライトも、その乗客のほとんどがオランダが最終目的地ではなく、ムンバイやらウィーンやら、ここ経由で色々なところに散らばっていくようだった。
トランジット以外でアムステルダムに滞在したのはもう20年前…自分の中では最大のメシマズ国のイメージしかないが、どの鉄道の駅に行っても日本語含め全ての言語の新聞が揃っていたのが印象的だった。
そんなヨーロッパのハブ地点オランダは、どこに行ってもだいたい英語が通じる、しれっととてもインターナショナル(食べ物はそうでもなかったけど!)。空港でも聞こえてくるのは英語ばかりだったかも。
乗り換え案内の電光掲示板が無く、自分のチケットを機械にかざして確認しないといけなく、そこに長蛇の列が出来るのは毎回イケてない。スタバも高くてびっくり(買わないけど)。でもイミグレは接続時間が短い人を優先してくれたりして素敵。
乳糖不耐症になっちゃったので、食べられなくなってしまったチーズを横目で見ながら、乗り換えゲートへ。
アテネに向かう乗客はかなりの数が、ギリシャ系のアメリカ人らしく、そこかしこから聞こえてくるのはほとんどが英語。
「うわあ、こんなところで会えるなんて光栄だ、元気ですか」「うむ、私はあなたが思っている人とは違うと思いますよ」(どうやら誰かギリシャの有名人と人違いをしたらしい。爆)
My Big Fat Greek Weddingという映画があったけれど、アメリカにいるギリシャ移民の多くはだいたい今2−3世ぐらい。ある意味中華移民と似て、自分たちの文化を守り、本国との繋がりもまだまだあり、毎年里帰りする人、ギリシャとアメリカを行き来して生活している人も多い。
私達の後ろに座っていた男性2人も、それぞれソルトレイクシティとフィラデルフィアから来たギリシャ系アメリカ人だったらしい。フィラデルフィアやシカゴに大きなギリシャコミュニティがあるのは何となく聞いていたが、ユタ州にも、もともと炭鉱などの仕事に従事するために移民してきたギリシャコミュニティがあるらしい。お互いどの島の出身か、どの村の出身か、もしかしてこの苗字の家族を知らないか云々、フライト中ずーっと盛り上がっていた。
荷物をピックアップしている間にも、実はベイエリア出身だというギリシャ系の家族にも会った(オークランドの丘の上に、超巨大なギリシャ正教会がある)。だいたいアメリカに移民していったギリシャ人は、アテネではなく色んな島の出身が多いらしく、みんなそれぞれここからまた飛行機に乗ったりフェリーに乗ったりして、それぞれの島に行くらしい。
空港からアテネの中心部までは、タクシーで30分ほど。私達が到着する数日前にものすごい熱波が来た上、ごみ収集業者がストライキを起こして大変だったらしいが、そんな騒ぎも既に収まり、外はベイエリアの空気を暖かくしたような穏やかな空気だった。
空港からのハイウェイは、オリンピックの時にでも整備したんだろうか、とてもキレイで広くてスムーズなのにあまり車が走っていない。車窓を流れる風景も、乾燥した山々がなんとなくベイエリアを思い出させる。
宿泊先がホテルではなくAirbnbで取ったアパートだったので、タクシーのおっちゃんに携帯で地図を見せながら行くことになったが、このおっちゃんが携帯をじーっと見ながらハイウェイに乗るのがちょっと怖かった。しかしここはギリシャ。周囲を見ても、運転しながら携帯は使い放題、ハイウェイだろうがノーヘルのスクーターが普通に走っている。
ヒルトンホテルの裏にある古いアパートの最上階、3LDKバルコニーとサンルーム付きの部屋が、陳家のアテネでの宿。
アテネのアパートはどこもだいたいバルコニーと大きな日除けがついていて、そこに植木をだーっと並べてある。夕方涼しくなってくると、ここのテーブルに座って涼んだり読書したり、朝食もバルコニーで摂ったりできるのがとても良い。アテネで民泊を取る時は、絶対バルコニー付きを借りるの、オススメ。
車窓からみた街の風景、そしてバルコニーからの景色は、それぞれちょっとずつ違うけれど、今までに行った地中海の街に共通するところが多く、文字が違う以外は、あまりはじめてという感じもしない。私は何となくテルアビブを、パパは何となく台湾を(笑)思い出したり、ちょっと古いアパートのロビーの匂いは、昔カイロで泊まったアパートの上階にあったホテルと全く同じ匂いがした。
アテネはどこにいってもアパートが密集していて、人が折り重なって生活しているような感じだったので、ヒルトンやら色んな大きな建物が近くにあるようなこの場所でも、バルコニーに座っていれば子供が泣く声犬が吠える声、よそから聞こえる音楽や人の声、色んな生活音が聞こえてくるのが、なんだか逆に安心感があって心地よい。さて、こんな感じで暫く陳家のギリシャ日記が始まります。