愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

 旧正月、ボルシェビキがやってきた!


旧正月は先週でしたが、春節のお祝いは一週間たってもまだまだ続きます。この日は兄弟親戚が両親の家に15人ぐらいどかっと集まり、本格的なディナーでお祝いをしました。いとこによっては、小さいとき旧正月なんてやらなかったぁーなんていうところもあるので、我が家は結構伝統を守ってちゃんとやっているようです。パパママいわく、「だってやっぱりおいしいもんが食べられる口実だからね〜」だって。笑。確かに。


毎年ディナーのメニューは決まっていて、必ず中国式牡蠣フライ(テンプラっぽく衣がついているの)や、クワイとか色々野菜と五花肉(ベーコン肉)の煮込みのようなもの、舌、海老、チャーシュー、中国式ローストチキン、でっかいしいたけみたいなマッシュルームを煮たもの、きくらげなどたっぷりのスープ、きのこ・海草・豚足の煮込みなどなど、大ごちそうが並びます。ほとんどを元シェフのパパが作ります。デザートには、米粉で作った餅ケーキ、そして最近エンジニアの仕事の合間に製菓学校に通っているいとこが作った、規格外ではねられたウェディングケーキ(超美味!)もいただきました。いとこの中には、カカオ豆をひくところから始めてチョコレートを手作りしている人もいるし、やっぱり陳家は食いしん坊ぞろいです。カメラを持ち合わせて無かったので、携帯のカメラでぱちり。3世代が集まってのディナー、小さい子供たちには赤い袋に入ったお年玉も配ります(北京語では紅包<ほんばお>といいますが、広東語では利是包<台山訛りではれいしっぽー>という)。


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今年のハイライト?は何といっても、去年バツイチになった兄ちゃんが早速新しいガールフレンドをつれてきたこと!長年アメリカに住む、同級生のロシア出身の女の子、なんだそうで。お兄ちゃんの幸せを願う両親は、先週はじめてお兄ちゃんにガールフレンドがいるということを知って嬉しそうでしたが、ロシア、ときいてそのときママが一言


「ということは、共産主義の世界で育ったということなのね・・・」


さらに二言


自由を知らずに育ったのね・・・」


・ ・・ってオイオイ!ソ連が崩壊したのはいつですかっ!別にボルシェビキが家にやってくるわけじゃないんだから!笑


お会いして見ると、以前兄貴の学校のイベントでお会いしたことのある、もの静かそうなおねえちゃんでした。あー、そうだったのね。


でもやはりボーイフレンドの家庭に乗り込んでくる、しかも文化がぜんぜん違う家庭にやってくるというのは緊張するんでしょうな〜。さらに愉快的陳家は、一度家族の仲間になってしまえば、余計な礼儀など必要ない、表裏のない本当に自然体の一家。何かほしけりゃ遠慮なくいい、いらないものはいらないといっても無問題、最初はちょっとそっけない?とびっくりするけれど、その裏には素朴な愛情がこもってたりするの。作り笑いも余計な気遣いも必要なく、わーわーがやがや安心してご飯を食べられるところが魅力なのだけれど、初参加の彼女は、ガールフレンドだからといってかしこまった挨拶も何もなく、よく来たね〜!さあお食べ!といった感じで食べなれない食べ物を目の前にどーん!と出され、かなり瞳孔が開いていた模様・・。


食事中も私たちと同じ年代のいとこたちは完全にアメリカ人だから、みんなで英語でわーわー色々なことをしゃべっているのだけれど、両親やシンガポール出身のいとこのお嫁さんはたまに広東語でその上からわーわーとしゃべり、両親と私たちもいきなり広東語にスイッチしたりもするし・・・。ヨーロッパ出身の人には、かなり強烈な経験だったのではないでしょうか(笑)でもこれに慣れないと、陳家の嫁は務まりません。がんばれロシア姉ちゃん!!


でも陳家の集いに「新規加入者(ただのガールフレンドだけど)」が来たことで、うっ、私も陳家の嫁になって3年たつが、自分がそんな陳家カルチャーに完全に馴染んでいるということもわかり、愕然とするやら、可笑しいやら・・。慣れとは恐ろしいものです(笑)


でも大人数で祝う旧正月はやっぱりいいな。両親の家もぱーっと明るくなった感じで、いとこたちとも色々な話ができたし、楽しく過ごせた週末でした。