愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。


みんなが好き勝手にごちゃごちゃやっているアメリカで、軍人が整然と隊列を組み、儀式的な動きをしているのを見るのは、まあその背景や軍というものの存在とかは別として、(特に普段規律正しくないアメリカ人だから余計に)きれいではある(これが北朝鮮みたいなマスゲームの域まで行ってしまうと怖いけど)。


アメリカにはROTCというプログラムがあります。これは、軍から奨学金をもらって大学に行く、というもので、学生は勉強しながら軍のトレーニングをやったり、卒業後には何年間かは軍に入らなければいけない、という約束があったりします。軍に入ってタイミングが悪ければ、戦場に送られてしまう可能性もあるわけだけれど、やはりこうでもしないと大学にいけない人は、とにかく教育を受けるためにROTCで学校に行く人もいるわけで、私のまわりにも家族はみんなROTCさ、と誇りを持ってる人もいたりしました。


私が行ってた大学にもROTCがあり、体育館でトレーニングをやったりしてるのをよく見かけました。授業を受けに来るときも軍服で来るのだけど、特に海軍の学生は、背の高いカッコイイ兄ちゃんばっかりで、真っ白のユニフォームに帽子を片手に持ち、そして勉強道具が入っているバックパックは絶対背中にはしょわず、左手で持つ・・・と毎日びしっとした格好で歩いていたのでした。


新学期が始まると、このプログラムで入ってきた学生が軍服を着てキャンパスを行進するのだけど(一見異様な光景ではある)、その行進とかは最初みてるとてんでばらばらで、ちょっと笑えました。二列縦隊から四列になって、右向け右、休め、とかキャンパスで練習してるのを見て、「こんなの日本だったら小学校のときに習ったから余裕でできるよなー」などと思っていたのでした。


そんな話をダンナとしていて、「日本ではねー、運動会のときとかに行進の練習とか何時間もやらされるし、ほら、回れ右なんかこうやるんだよ」と久しぶりにやってみたら、日本の学校で当たり前にやってたことだったはずなのに、「うむむ・・・まさしくこれは軍隊のルーティーンだ・・・・なんでこんなことを習ったんだろう・・・これってみんなが軍人になれるようにってことか??」と不思議な気持ちがしてきたのでした。それでもだんなに「気をつけ、休め」とか習ってたことを見せてあげたのですが、「気をつけ!右向け右!」なんて号令を英語に訳して言っていると、これはまさしく軍隊の号令・・・。ROTCの学生が最初てんでばらばらでこんな「簡単なこと」が出来なかったのは、彼らが生まれてから学校でも外でも、こんなことをやったことが無かったからだ・・・こんなこと軍隊に入らない限り、やる必要がない動きなわけだし・・・と今更ながらに気がついて、うむむ・・・あんなに時間をかけて炎天下の中やってたことはなんだったんだろう・・・と思ってしまいました。軍人じゃない限り、日常でやることは無いこんなこと、日本の学校では今でも教えてるのだろうか??


写真は硫黄島メモリアル。