愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

広場のあかり


元ミュージカル女優の友人Lちゃんの同級生が出演するブロードウェイミュージカル「Light in the Piazza」がサンフランシスコにやってきた。この日は初日前のプレビュー公演だったのだが役者の友達(の友達)ということでタダ券を頂きみんなで劇場へ足を運んだ。聞いたことも無い話だったけれど、トニー賞を受賞したミュージカルだそう。


舞台はイタリア、アメリカから旅行に来た母娘と、その娘に一目ぼれしてしまったイタリア人青年、そしてその家族のお話。アメリカの映画やミュージカルでは、舞台が外国だろうが何だろうがみんな英語で話したり歌ったりするのがお決まりなのだが、このミュージカルではイタリア人役の人は全員イタリア語で話し、イタリア語で歌を歌うという徹底ぶり!でも一応、アメリカ人が知っていそうな単語や、基本的なラテン語を知っていたら何となく推測ができそうな言葉をなるべく使っていたり、途中で青年のお母さんがいきなり英語で「私はイタリア語しか話せない設定だけど、ここは英語で解説しましょう!」と言って英語で歌いだしたりするという気配りがあって、見ていてもそれほど苦痛ではなかった。


話的には、カタコトの英語しか話さないイタリア人青年とアメリカ娘がなんとかして結ばれようとする・・・というありがちな話。でも実はこの娘はある秘密を持っている。そして新婚旅行でイタリアに来たことがあるという母親は、アメリカに残って仕事に精をしている父親とうまくいっていない・・・とちょっとした背景があったりもする。ただその秘密をめぐって大どんでん返しがあるわけでもなく、なんと言うか見ていて、作者が言いたいことがあまりにも普通に素直に出すぎていて終わり方も教科書的。私的には、もう少しひねろうよ!という感じの話ではあった。


でも舞台装置と衣装がものすごく綺麗で素敵だった!舞台となっている時代は多分1950年代とかだと思うのだけれど、小さな舞台に最小限の装置を使っているのに、枯葉が風に吹かれて道でクルクル回っていたりして、ここは秋のイタリアの街並みですね!という感じがものすごく出ているの。そして衣装は素敵なAラインのワンピースが沢山。そして役者泣かせのピンヒールがすごく素敵と思ったら、みんなマノロの靴らしい!うわーいいな!


お芝居が終わってステージのドアからお友達が出てくるのを待ったのだけれど、役者さんたち、楽屋でお疲れさま〜、とかいってもっとうだうだしているのだと思ったら、みんな芝居が終わると思いのほかさっさと外に出てくるのが意外だった。外には役者さんをホテルまで運ぶ観光バスがしっかり待機していたし。みんなですこしおしゃべり。これから全米ツアーをやるらしくて大変そう。サンフランシスコの公演をやっている劇場は、中の装飾もとても綺麗で、それを楽しむという点でも、話の筋はともかく(笑)、目に美しいミュージカルだった。


そういえばお芝居が始まった直後に地震があってびっくり!久しぶりに床がわっさわっさ揺れる感覚を味わった。お客さんは軽くざわざわ、地震初体験という友達もいて喜んでいた(笑)。


ミュージカルは今月27日までだそうです(Link)。