愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。


ダウンタウンにできたアート系映画館Eストリートシネマでとうとう「少林サッカー」公開。「少林功夫好」の歌を愛唱歌とする我が家ではDVDもあるのになぜか劇場にも足を運んでしまった・・・しかし、アメリカ向けに編集しすぎ!看板や名刺も全部CGで英語に変わってるだけでなく、音楽まで変えちゃってて、がっかり。これから見るアメリカ人には是非DVDをオススメ。


ダウンタウンは予告通りプロチョイスのデモの人達でいっぱいだった。というか、実はついでに一緒にマーチングしてきたのでした。やっぱり女性にとっては大事なIssueだしね。IMFや世銀のデモ以上に今までに無いくらい物凄い規模になってた。議会前まで歩いていって、そこでオルブライト元国務長官とかアシュリー・ジュッドとか、女性権運動の人達の演説とかを聴いたりしました。プロチョイス=反ブッシュという構図ですな。ついでに反イラク戦争とか、ケリーを支持するプラカードなんかも出ていた。


参加者は大学生や高校生(女の子に限らず、男の子も)も多かったけど、おばちゃんや家族連れなども沢山いて、年代を問わず全ての人達が集まったという感じでした。メトロの中でも、地元の高校生とその両親とか、乳母車を押したお父さんとお母さんが家族ぐるみでデモにでかける・・という光景が結構あったりして。世銀やIMFのデモは、「グローバライゼーション」という、なんとなくぼんやりしたものに反対するもので、結構大学生がお祭り感覚で集まってくるのだけど、プロチョイスかプロライフかという話は、よりパーソナルに影響してくるイシューなので、今までにない規模のデモになったのではないかと思いました。


Riot Policeとかもでてて物々しい?感じではあったし、マーチングの脇では、プロライフの人達が「中絶は殺人」「女性に必要なのは愛」とかいう看板を出してたり、黒尽くめのカトリックの坊さんが集団で祈ってたりしてちょっと恐かったりもした。別にプロライフであることはかまわないけど、それを法律で他人にも強制することはどうかなと思う。これは中絶云々の話だけでなく、バースコントロールやそれが保険でカバーされるのか、という話にもなってくるし。日本ではここまで大きなトピックにならない話だとは思うけど、こっちは宗教や色々なことと関わってくるから根が深い。中絶を手助けしていた産婦人科医がプロライフの人に殺されたりもしてる。もちろんむやみやたらな中絶が良いといっているわけではないけど、中絶に至るには色々な背景があるわけなのだから、その扉を全て閉ざすのはよくないと思う。


結婚して家庭を持っている人達にとっても、自分達の人生のどのタイミングでコドモをもてるのかを自分達で決めるために、ピルやコンドームなどを使ってバースコントロールがきちんとできる環境や制度があるかどうかは、とっても重要なこと。私達夫婦だって、今すぐ子供ができたら、はっきりいって出産費用もすぐには出ないし(アメリカは保険がきいても100万円単位)困る。将来のコドモの学費とかもある程度用意したいし、やっておきたいこともある。じゃあコドモが出来たら中絶するかというと、個人的にはそれは無いとは思うけど、そうなる可能性を最初から作らないためにも、バースコントロールは必要。


ダンナとも話してたのだけど、結構プロチョイスやプロライフの議論は、オールオアナッシングになりがちなので、結構疲れるものもある・・・書くと長いので今日はここらへんで。でも、今日の経験で、学生時代にアパートをシェアしていたばりばりプロチョイスの元ヒッピーのおばちゃんを思い出したりしました。どちらにしろ、これから大統領選挙までの6ヶ月間は、ワシントンDCは色々なことが起こりそう。うーん、デジカメを持ち歩いたほうが良いかしら。


行進の後はペンタゴンシティでお買い物・・・。ボート用のグッズを少々と、マルタ行きに備えて夏服などを。バナナリパブリックでかわいいスカートをゲット(写真)。「デモの帰りにお買い物」してる人達もちらほら。晩御飯、作るのを断念して美味しいラビオリをいただいて帰ってきました。では、また明日から現実にもどってがんばろう。