愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

オークランド中華街でくいだおれ

先月の話になりますが、Savor Oakland Food Tourというツアー会社が主催するオークランド・チャイナタウンツアーに行ってきました。ツアー会社といっても、食べ物好きの地元出身の若者が少人数でやっている会社で、この他にジャック・ロンドンスクエアの食べ物ツアーなんかも主催しているようです。実はこの会社がインスタグラムでやってたクイズに見事正解し、無料チケット2名分を頂いたのでした。子連れでもOKというので、家族3人で参加。午前10時頃に、チャイナタウンの公園に集合しました。

 
この公園にはジャンク船を模した遊具があり、ここらへんに行くと子供が必ず寄りたがります。地元のチャイニーズの子どもたちがどわーっと遊んでいて、見た目は似てるけど時に英語が通じない子どもたちと遊ぶのはなんだか子供にとっても面白い体験のようです。
 
ツアーの参加者は15人ぐらい。地元出身の人から、UCバークレーに通う大学生グループ、旅行でこのエリアに遊びに来ている人などバックグラウンドは様々。自己紹介に、最後の晩餐に何が食べたいか、というのをあげて回りました。ピザにハンバーガー、お母さんの韓国料理、サラダに寿司・・私はなんとなくその日の気分で「たこやき」でした。地元オークランド出身のツアーガイドの兄ちゃんは、「ラーメン」だそうです。最近なんかアメリカで流行ってるんですよね、ラーメン・・・。
 
ツアーはここでオークランドのチャイナタウンの歴史の説明から始まりました。やはり広東系が多いチャイナタウンですが、実はベトナムカンボジアなど意外とバラエティが豊かなんだそうです。今回のツアーは、特にこのチャイナタウンにおける多様性、というのがテーマだったかも。
 
まずは公園の前の横断歩道をわたってすぐ目の前にある、Classic Guilin Rice Noodlesというお店へ。比較的最近できたお店なので、内装もちょっとモダンでキレイな感じです。陳家もここには足を運んだことがありますが、桂林米粉という、中国は広西省桂林の名物の麺類を出す店です。
 


といわれてもピンとこないかもですが、桂林は中国の墨絵に出てきそうな、びよーんと上に伸びた山々が川沿いに広がる、景色がそれはそれは美しい観光名所。米を材料にした、丸くて太めの麺に色々なトッピングを載せて食べる麺です。ここでは牛肉の薄切りとピーナッツ、お漬物の刻んだのみたいなのが入ったのを頂きました。汁もあっさり味で食べやすい。広東の麺というとどうしても雲呑麺みたいなのとか、焼きそばみたいなのだったりするけれど、桂林米粉はあんまり見かけない、珍しい。中国でも地方によっていろんなものがあるんだよ!というのがポイント。



チャイナタウンの通りには、歴史的な建物がちらほらあったりもします。こちらは、1920年代に建てられたゴシック調のビルで、暗号機(!)を作る工場として建てられたんだそう。戦争中はパラシュート工場になり、その後は倉庫となり、現在はAsian Resource Centerという非営利団体やアートギャラリーが入る建物となっているそうです。


 

サンフランシスコのチャイナタウンと違ってオークランドのチャイナタウンは起伏のないまっ平らなところにあるので、ちょっと歩けばすぐいろんなお店に行き着きます。
 
こちらはフォーチュンクッキーを作っている工場。フォーチュンクッキーって、実は日本が発祥だったって知ってました?神社などで売っていたおみくじせんべいみたいなのがもともとだそうです。そしてゴールデン・ゲート・パークに日本庭園ができた時、そこで出すお茶うけに最初は作られたらしいです。初期にそんなフォーチュンクッキーの生産を請け負っていたお店のひとつ、「Benkyodo」だと調べたら出てきたんですが、これってサンフランシスコの日本町にまだある和菓子屋勉強堂でしょうか?!
 
昔は日本人が中華料理的なお店をやっていたりもしていたようで、そういったレストランで出すようになったのが広がり、戦争で日本人が収容所に送られた間に、チャイニーズの皆さんがこれを受け継ぎ、中華料理屋のデザートとして出すようになったとか。
 
 
この工場の前もたまに通るんですが、クッキーの焼けるいい匂いがいつもしています。中の写真は撮らせてもらえませんでしたが、これまたアンティークなすごくいい感じの機械が、ガッシャンガッシャンと焼きたてのクッキーにおみくじを入れて折り曲げていました。
 
いざ試食。

 


工場でその場でも買えるみたいなんですが、こんなにもらっちゃったよ・・・いらないよ・・

 

続いてはベトナム料理屋さん。オークランドのチャイナタウン、実はベトナミーズも多いそうです。特に貴金属のお店をしているのはベトナム系が多いようです。銀行にお金を預けるよりも、貴金属として安全のために持っておく人が多いんだとか。
 
ここも行ったことのあるお店でした。
 
 
が、ここのお店の名物というのは食べたことがありませんでした。Banh Cuon Tay Hoという、お店の名前にもなっているこのお料理。Banh Cuonというのが、北ベトナムで食べられる米粉で作ったクレープのようなもの。生春巻きともちょっと違う、点心に出てくる腸粉みたいな、もっとぐにゅっとした感じの皮です。そこにすり身風のお肉や、さつまいものかき揚げのようなものなど色々ついてきます。いっつもフォーとか生春巻きばっかり食べちゃうんですがこれはヒット!

 

 

 
そしてこれ!名前が定かじゃないんですが、多分Banh Khot?これも米の粉を使ってるみたいですが、たこ焼きの鉄板みたいな感じので焼くそう。ココナッツみたいなのもかかってました。これはまいうー。ここのお店は、特に地元の食材を使うことを心がけているんだそうです。

 

 
 
中華街でよく見る風景。


 オークランドのトリビューンタワー。方向音痴の私はいつもこれを目印にしてます。。


お次はここ。素食、つまりはお肉を使わないベジタリアン料理。中華精進料理か。


ここは初めてだったのですが、なんでもご主人が大病をした後に、菜食主義大事!と目覚めて始めたお店なんだとか。


内装はこんな感じ。


中華精進料理、グルテンとかいろんな食材で作った「偽肉」が入ってるんですよね。これは「チャーシュー」が入ったチャーハン。


これはお豆腐とチンゲンサイ、マッシュルームなど。偽肉なし。


これ・・、偽チキン。食感も何もかもチキン。本当はチキン使ってるんじゃないの?


ここにも「豚肉の薄切り」が入ってます。


ここまで来ると、これだったら別に普通にお肉食べても一緒じゃないかなーと思ってしまうんですけど、どうなんでしょ。健康のためっていっても使う油の量とかは一緒そうだしねぇ。

通りがかった、いかにもクラシックな感じの中華料理屋の店先。

 
お次は点心。といっても座って食べる飲茶じゃなくて、テイクアウトのお店です。ここは旦那の御用達。オークランドのチャイナタウンで美味しい飲茶の店は?と聞かれるんですが、実はいいところがなーい。美味しいところ、実はアラメダにあります。でもテイクアウトだったらここです。すでに長蛇の列。

 


ガイドの兄ちゃんが先回りしてオーダーしておいてくれたので、それを道端で頂きます。焼いたバージョンの叉焼包。お肉が結構甘いので、白人大学生にはちょっと不評だった模様。そういえば、やっぱり世代なんでしょうかね〜、学生の子達は、みんなでテーブルを囲んでご飯食べている間もスマホいじってた。


そして近所の乾物屋さんも見学。独特の匂いが致します。この1パウンド100ドル以上するのは沙虫(イサゴムシ)というのを干したやつ。生きてるやつの写真をネットで調べてみたけどうげーー、でも美味しいらしい。

 

 
こんなところにマイケル・チャンウィスコンシン産の朝鮮人参の宣伝っぽい。

 

 

 
そして最後は、カンボジア料理屋Battambangへ。ポルポトによって知識層が大量虐殺されてしまったのはご存知の通りですが、それにあわせてカンボジア料理、というものの定義も変わってしまったのだとか。特にタイ国境に難民キャンプができた影響で、タイ料理の影響もずいぶん入ってしまったんだそうです。ここでは、そんななかでより本格的なカンボジア料理が食べられるとのことでした。といっても、出されたビーフサラダ、東南アジア風だなーぐらいな感想で、お!カンボジアっぽい!っていうのが何かはわからずじまいでした。デザートの揚げバナナもしかり〜。今度ちゃんとフルコースいってみたいです。

 

 

 
以上がツアーの概要でした。3時間半ぐらい、チャイナタウンを回ってちょっとずつ色々食べて、参加者ともおしゃべりして。子供も一緒でしたが、おとなしく一緒にお店を回って食べるのを楽しんでました。
 
大昔にはサンフランシスコはノースビーチのツアーにも行ったことがあるけど、自分の知っている街も、こういう形でまわると新しい発見もあったり、なかなか楽しいです。