愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

バレンタイン拷問


日本ではなぜかチョコの日ですが、こちらに来てからはチョコのことなど考えることもなく、いい思いをさせて頂いています。会社では、男の子のグループがリボンのついた白いバラの花をたくさん配ってくれて、私も頂きました。義理バラ?オフィスに旦那さんからの花のデリバリーが届いている同僚も。


私はまだ食中毒からリカバリーせず、固形物が食べられない状態だったので、旦那が予約してくれたフレンチレストランの予約を泣く泣くキャンセル。でも代わりに旦那はスパの予約を入れてくれました。まーロマンチックな!とそれだけ聞けば思うでしょうが・・・、オンラインで見つけたという、サンフランシスコにあるその店。レストランにはさまれた、細い階段を上って二階に上がると・・・・


��( ̄□ ̄;)!! あっ怪しい!


クリスマスツリーのライトやモールなどで作られた手作りの装飾が薄汚い壁に貼り付けられ、受付にいるのはどっかの外国訛りのおばちゃん。ロビーというにはあまりに狭いスペースには、家庭用冷蔵庫が置いてあったり、場末の香りがたっぷり。ついでになぜかスイミングプールのシャワー室にいるような、塩素と湿気のにおいもたっぷり・・・。それでもゲイやストレートの若いカップルが並んでいて、その手の場所ではない模様(笑)


ジャグジーはほとんどプールにある温水風呂コーナーみたいな感じでしたが、アメリカで肩までゆっくりお湯に漬かれる機会はなかなか無いので、1時間ほど出たり入ったりして堪能しました。そのあと、ディープティッシューマッサージというのを30分間。しかしクロゼットほどしかない「マッサージルーム」に恐る恐る入ると、そこにはぼーんやりと小さなランプがひとつ、そしてマッサージオイルのにおいがむぉぉ・・・そしてぬぼ〜〜っと出てきたのは、��( ̄□ ̄;)!! 幽霊のような、魔女のような、掘り出されたミイラのような、50代後半のひょろひょろのおばちゃん。か細い声で自己紹介をし、今日はどこか痛いところはないかと岸田今日子のような幽霊ボイスで聞くので、食中毒のことを話したら、


まあそれはそれは・・・・誰かがあなたに毒を盛ったのではなければいいわね・・・・

って盛るかそんなん!!

しかしか細いこのおばちゃん、「では始めます・・」とマッサージを始めたはいいものの、ホラー映画同様、死人のようでいてものすっごい力!ハープとシンセサイザーの怪しいニューエージ音楽と共にマッサージをするのだけど、おばちゃんの爪(切ってないのか?!)がかるーく背中に食い込む・・・。そして私の背中の肉をむぎぅむぎぅをものすごい力で押し始めるのには参りました。時々軟骨か何かがぱきっ!ぱきっ!と音をたててスナップするものの、なーんも気持ちよくない!


さらに馬乗りになってきて、ものすごい力でぐいぐい押してくるのは、ほとんど拷問に近く、おばちゃんに何をされるかわからない恐怖で体は硬直し、本気でひぃぃぃぃ怖いぃぃぃと小声で言ってしまう。とにかく握力がすごいので、首なんか絞められた暁には一環の終わりだったでしょう。しかもマッサージをしながら「ふんむ!ふんむ!」とものすごい鼻息というか荒い息づかいが聞こえてくるのも、恐怖をさらにそそる。


そして私の肩の凝りを(というか肩こりは経験したこと無いのに)親の敵のようにものすごい勢いで攻めだして、何かぷちっ、めりっ、と壊れる音が・・・。足裏のマッサージもしてくれたけど、つぼ全部はずしてるって感じで何も気持ちよくなーい。拷問台での30分は1時間ほどにも感じられ、最後に「さあこれでリラックスしたわね・・・」などと言われたがおばちゃんのマッサージが終わったという開放感でようやくリラックスできるわ・・・って感じでした。


肩が張ってるからしょっちゅう通えとか言われて名刺までくれたのだけれど・・・マッサージ終わったら逆に肩がばんばんに張って痛くて、2日間温シップをする羽目に。なんだかずっと、あのおばちゃんの両手が私の肩にぐいっ!と乗せられているような不気味な感覚が取れずに恐ろしかったです。せっかく旦那が探してくれた「スパ」だけど・・・・このおばちゃんにもまれている間、「こ、これは話のネタになる・・・」と思ってしまったのもどうかとは思いますが、食中毒で疲労している上にさらに体がばきばきになってちょっとへこんだバレンタインでした。もう体を張ってネタを作るのはやめたいです・・・。