愉快的陳家@倫敦

ちょっと雑だが愉快な暮らし。サンフランシスコ・ベイエリア日記。

モスクワバレエのくるみ割り人形

クリスマスといえばくるみ割り人形

バレエ音楽を演奏することはあってもバレエそのものはあまり馴染みがなかったが、やはり娘が生まれ、バレエ教室に通うようになってからは見る機会が増えた。とはいってもだいたい冬にくるみ割り人形、なんですが。

アメリカでクリスマスにくるみ割り人形を初演したのは実は地元、サンフランシスコ・バレエなんだそう。一度見に行ったが、やはりこの時期ぐん!とチケットがお高くなるので、子供とはもっぱら地元のバレエ団やら子供のバレエ教室のくるみ割り人形を見るに止まっている(本人は踊るのは好きでも舞台に上がるのは嫌なんだそうで、出演経験はナシ)。

地元の踊りを見るのも良いけれど、今年は「モスクワ・バレエ」の公演もあるというので、友人Tと私、子供と女子3人で、見に行った。小さいさん、初のプロバレエ団鑑賞はまさかのロシヤ!

Palace of Fine Arts内の劇場は小さめで、かなり後ろの席だったがそれでも22列目ぐらい。天井桟敷のような席から豆粒のようなダンサーをようやく見ていたサンフランシスコ・バレエと比べるともう至近距離もいいところ。踊っているダンサーの足音もちょっと聞こえるくらいだった。

オーケストラはさすがに入らず録音だったが、普段見慣れている演出とはやはり色々違うのが面白い。登場人物の名前がクララではなくてマーシャだったり、くるみ割り人形を持ってくるドロッセルマイヤーおじさんが結構本気で踊ったり。

シュガープラムフェアリーの踊りなども、フェアリーでは無く、クララ(じゃなくてマーシャ)と王子が、色々な踊りを見せてもらったお礼に自分達も踊っちゃう、という設定になっていたり、他の登場人物が踊っている間、椅子にじーっと座って一緒に鑑賞する、という演出もなかった。

くるみ割り人形で個人的に一番楽しみにしているロシアの踊りは、さすがにロシアのバレエ団なのでちゃんとコサック風なアレンジになっていて良かったが、それよりアラブの踊りがほぼ雑技団のようなものすごい曲芸で、一番拍手を集めていた。

それにしても特に男性ダンサー、あんなに跳躍しながら回転できたら気持ちいいだろうな〜。そしてあんな振り付けを全部覚えられるのがすごい。群舞なんて1人間違えれば台無しだと思うとそれだけで滑ってコケてしまいそうだ。アメリカ中ツアーをして、冬場の体調管理もしてコンディションを整えて・・バレエの世界はストイックなアスリートの世界だな。なぜかそんなことばかり考えながら観てしまった。

子供は平日の夜だったので最後少しぐったりしていたが、ちょっと長かった、と言いつつ面白かった模様。バレエも「やりたい」と1年ほど言い続けたのでレッスンを始めてもう3年ほどになるが、練習のルーティーンがこういう表現につながる、というところまではまだピンときてないと思う。自由に踊らせると習ったことを取り入れてそれなりの動きをするのに、練習中や教えられた振り付けになると途端に体操みたいになる小さいさん。あとどれくらい続くかな・・・。

さてこのバレエ団、モスクワ・バレエという伝統のバレエ団があるのかと思ったら、北米を中心にツアーを専門にやっているところらしい。もともとは、1980年代、ゴルビーペレストロイカの時代に「グラスノスチ・フェスティバル」という、いわばソ連の文化紹介イベントみたいなものをきっかけに作られたようで、ボリショイだマリンスキーだ、他のソビエトブロックのバレエ団に所属していた人達の選抜チームみたいな形でアメリカを回ったのが始まりのよう。

今の時期などは同じ日に違う都市で2公演ずつやったりしていて、いくつかチームがあるみたい。よく見るとウェブサイトもナットクラッカー・ドットコムだったり、地元の子供がオーディションを受けて地元開催の舞台に一緒に立てるワークショップもやっていたりと、なかなか商魂たくましい!

モスクワに行っても観られない、モスクワ・バレエというわけだったのでした。



ちなみにサンフランシスコ・バレエのくるみ割り人形で一番好きなのは「中国の踊り」。モスクワ・バレエも含め、他のバレエ団がかなり偏見に満ちた「中国人」の描写をするのに対し、ドラゴンが出てきたりしてさすがサンフランシスコという感じでとても良い。

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私が見に行った時には山本帆介さんという日本人のソリストが踊っていてそれもとても良かった。