愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

恐るべしこんまりの威力

新年にNetflixがこんまりのお片づけ番組の配信を開始、世界中でかなり話題になっている。私も新年早々、つい見てしまった。

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こんまり方式のお片づけについては、アメリカでは随分前から知られていて、本屋でもこんまり本が山積みで売っていたし、私が知ったきっかけも、アメリカ人のお母さん達経由だった。

アメリカの家はとにかく広いし収納場所もそれなりにあるので、ついものを溜め込んでしまう人も少なくない。 とにかくこれをどうにかしたいというもやもやした気持ちはやはり世界共通なのね。

一方イギリスはイギリスで、ロンドンでの部屋探しの時思ったのは、収納が少ない!ということ。古いところだと余計。まだ人が住んでいる部屋の内覧もあったけれど、ゴチャッとモノが置いてある家庭も多かったので、整理整頓の悩みは尽きなそう。

我が家は引っ越しをする時にずいぶんいろんなものを処理してはきたのだが、それでもまだ何かすっきりしない。特に子供部屋。ガラクタのようなおもちゃの山、少なくしてきたとはいえ、イギリスのサイズ感とは合わない量の服やチマチマした色んなもの。

そしてこの子供部屋の住人は魔の8歳児。片付けが全くできないわけではないし、自分の部屋の維持管理に全責任を持ち始めないといけない年頃ではあるが、気がつくと床に色んな物が散乱している。靴下やらががなぜか本棚の隙間に入っていたり、服は引き出しの中に丸めて入っていたり・・・そのたびに1万回ぐらい口うるさく言ってきたのに改善は見られず。


・・・それが奥さん・・・!!!!こんまりのエピソードを一つ見せただけで、子供が豹変しましたよ・・・!!


洗濯のたたみ方は、前からそうとは知らずにこんまり風のたたみ方で、縦収納する、というのは前からやっていた。でも子供にどれだけ教えても、そうやって整えてもグッチャグチャになっていたのに・・

・・・マヂですか!!!嬉しいけど複雑、だけど嬉しいよ・・・

部屋のガラクタも少しづつだけれど、いるものといらない物に分類して、すっきりしはじめた。

夜寝る時間をすぎても部屋でゴソゴソしているので、ゴラァ!寝ろぉ!と怒鳴り込もうとドアを開けると、そこには床に正座して丁寧に服をたたむ姿があってガクッとなったり、朝学校に行く前も、コラァ!遅刻するぅ!何やってんのぉ〜!と部屋を見るとこれまた丁寧にベッドメーキングをしていて「あ・・」と何も言えなくなったり(笑)

何ですか、陳マリよりこんマリですか。親の言うことより他人の言うことは聞くんですねぇ・・。

いつまで続くかなと見守っているけれど、とりあえずこの1ヶ月子供の部屋が劇綺麗な状態は維持されている。床に何も落ちていないしベッドもビシッとしている。さらに寝る前に次の日着ていく服をきちんと用意し、それを並べて寝るようにまでなった。もうこんまり様様である。

やはり物がありすぎて、それぞれのものの定位置がなかったり、はっきりしなかったり、というのが今まで良くなかった。服も綺麗にたたんで収納するようになったので、自分で把握しやすくなり、朝の準備もするようになったみたい。

私がアメリカで大学の寮で暮らしていた時は、本当に整理整頓ができなくて、散らかった洗濯物の上に寝ているような女の子もいた。私もたいしてきっちりした性格ではなく、部屋がごちゃっとすると気にはなるけれどうまく整理整頓ができない、それでイライラする、というジレンマがあるので、子供のうちに少しでもノウハウを仕込むことができて、良かった・・。

今のところ子供が見たのは、1番最初のエピソード。これは、洗濯物のたたみ方の説明があって、それを見てハッとなったらしい。それから3番目の、うちの子ぐらいの子供がいる家族のエピソード。お母さんが全部片付けをするのではなく、家族全員が責任を持つ、という部分がポイントだった。ちょうどこの番組を見た時期も良かったんだろうか。何かが頭の中でカチッとはまったようだった。

それにしても、この番組の威力は本当にすごいらしくて、寄付された不用品を売るチャリティーショップなどは、不用品を持ってくる人が増えすぎて、寄付を断っている状態だとか。実際に持って行って断られた、という友人が周囲にも数名いるので、これはマジもんでしょう。

「ときめく」かどうかで、自分の持ち物をまずは選り分けるという方法には賛否両論あるみたいだけれど、モノが多すぎて本当にどうしたらいいかわからない!という人には、何でもいいから判断基準が欲しいだろうし、これはこれでその選択肢としてありかなと思う。

ときめく、というのを「spark joy」と訳したのもうまいなぁ。番組では、通訳をやっているもう1人の「まりえさん」の通訳ぶりもすごく上手で感心して見ている。彼女へのインタビュー記事もあった。

qz.com

このインタビューの質問を読んでへーと思ったのが、こんまりさんの発言が、どうやら時々snarkyだと捉えられてるらしいところ。多分どっちかというとそんなに良くない外観のアメリカのアパートを見て、可愛いとか素敵みたいなことを言ったりするからかなあ。こんまりさんアメリカに住んでいるとはいえ(ベイエリアにお住まいなんだとか!)、日本人感覚でアメリカのものを見たり(言うたらトレジョの買い物バッグが可愛い素敵的な)、あとはちょっと天然というか素直な感じの人なのかな、と私は見ていて思ったのだけれど。

ネット上では本をこの方法で片付けるのに反感を持つ本好きの人達があれやこれや言ったり、その断捨離方法について色々誇大解釈されて炎上している部分もあるみたいだけど、まあそれだけ注目されてるってことなんでしょうねー。

我が家の片付け断捨離エピソードはこちらもどうぞ