愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ニース旅⑥クロワッサン

料理を作る過程が複雑であればあるほど、その国の文化の度合いが高い・・・のかはわからないけれど、少なくとも時間をかけた料理をするには、色々余裕は必要。

通っていたキリスト教系の高校で読まされた聖書の中に「種なしのパン」が出てきたのをふと思い出す。イーストを入れず、粉と水だけで作る平たいパン。奴隷から解放されたユダヤ人が、エジプトを脱出する時に、イーストを入れてのんびり生地を醗酵させる余裕など無いので、とにかく大急ぎで作った、というのが妙に印象に残っている。

家でもイーストを入れたり入れなかったりして色々なパンを焼くことがあるけれど、クロワッサンだけはどうしても手間がかかりすぎて敷居が高い。とても自分ではできそうになかったので、フランスにいる間に、フランス人に教えを乞うことにした。

クロワッサンは、醗酵した生地にバターを折り込み、何層にも折りたたむ。作り方はパイ生地と似ているけれど、バターを織り込む生地にイーストが入る。

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どーんと用意された業務用バター。

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これを適量とり、薄く伸ばしてシート状にする。冷蔵庫に入れ、少し固めてから、伸ばしたパン生地の上におき、封筒のように生地で包み込む。

バターが包まれた生地は少し伸ばし、向きを変えて折りたたみ、冷蔵庫で少し休ませてまた折りたたみ、を繰り返して層を作る。

あとは長方形や三角形に生地を切って成形し、ちょっと醗酵させてからオーブンへ。

こう書くとずいぶん簡単に感じるな、あとは慣れの問題なのかもしれない。レシピによっては生地を寝かせたり冷やしたりで2−3日はかかるものもある。このクロワッサンも、最初の生地は先生が前日に用意してくれていた。

家でもその後二度作ってみたが、一度目は家にあったイーストが死んでいて膨らまず、硬いパリパリのものができてしまった。二度目は家にあった強力粉と新しく買ったイーストを使ってみたら、必要以上に生地が膨らんでしまい、外はパリッと美味しいのだが、中は層にはなっているけれどふわっとした、クロワッサンとはなんとなく別モノの、不思議なパンができてしまった。

三度目の正直はあるかもしれないが、やはり色々余裕がないとなかなかそんな手間もかけられない。ちょっと近所のベーカリーに行って200円も出せばちゃんとプロが作った美味しいクロワッサンが手に入ると思うと、なかなかまた手が出ない。聖書の中のユダヤの民のごとく、仕事から帰って慌てて粉と水をガーッと混ぜて、フラットブレッド様のものや、春巻きの皮様のものを作るのが精一杯、毎日がエクソダスである。

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さてこのパン教室は、フランス人のお宅にお邪魔して教えてもらった。ワシントンから来たという別家族も参加して、先生の大学生の息子もアシスタントに入りワイワイとおしゃべりをするのもなかなか楽しかった。

息子さんはフランスの大学1年生なのだが、流暢な英語でフランスの教育制度から税制度、政党政治、ニースの歴史や文化のことまで、なんでも聞くと打てば響くように、本当によどみなく色々と答えてくれたのにもいたく感銘を受けた。

なんでも法律を勉強しているそうだが、フランスでは医学生と法学生は国立大学に行くので、学費がほぼ無料らしい。しかし勉強は厳しく、競争も激しく、どんどん脱落していくんだそうだ。そのしっかりした話し方からして、彼もずいぶん優秀そう。ついでにクロワッサンの作り方も知ってるわけか、すごいな。

教室では1人9個分のクロワッサンが焼けたが、家族3人で参加したのでものすごい数できてしまった。紙袋に入れて持ち帰ったが、全部食べきれるわけもなく、バターが滲み出て袋はものすごいことになった。

自作してバターの量が半端ないことも良くわかり、あまりしょっちゅう食べるべきものではないことも良くわかった。家で作るとやはりある程度の量ができてしまうので、やはりしばらくは店に行って買い求めた方が色々良さげではある。

そういえば前回パリを訪れた時は、巨大マカロンを作ってみた。その様子は料理ブログのほうに

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