閉館1時間半ほど前に、美術史美術館に駆け込んだ。
1891年、ハプスブルグ家所有の美術品保管と一般への展示のために開かれた美術館。単なる美術館でなく、「美術史」美術館というからには、ここにある展示物で世界の美術史が語れてしまうということか。
しかし展示もさることながら、この美術館はその建物自体が美しい。
そしてインスタ映え映えもいいところの、世界一美しいともいわれるカフェもある。
本当ならば、あわただしく展示物を見るよりも、こういう雰囲気にゆっくり浸りたいものであるが、そこはもう、ワチャワチャした夫と8歳児(当時)連れの旅となるとなかなかそうもいかない。
カフェもちらっと見ただけで、「ハプスブルグ家の黄金キラキラコレクション見に行こうぜ!」とキラキラというよりギラギラな皿や容器を見るのに随分時間を取られてしまった。
・・・やっぱり次回、ウィーンはひとりか女子旅でまた来たいところだ。
やはり気になるハプスブルグ家の顎問題。
近親婚の結果でこうなったという説と、ちょっと実はそれだけじゃないという説と、色々あるようです
短い時間の間にやはり見ておきたかったのはブリューゲル。
有名なバベルの塔もだけれど・・
貴族の肖像画や宗教画より、当時の庶民の暮らしや感情が見て取れる絵は楽しくてずっと見ていたくなる。
そしてよく見ると・・下のほうに、木の棒でう〇こをツンツンしている子供・・?
Wikipediaにはちゃんとそれぞれの子供の遊び方解説図(この表の27番)まであり、それによると、やはりドクタースランプ的な遊びだったよう。まさか鳥山明はブリューゲルにヒントを得て・・?(違)
テーブルに置かれたパン、天板に並べて焼いて膨らんで、パン同士がくっついてこうなるのは昔も一緒、などと本当にどうでも良いところばかりをずっと楽しく見ていた。そして確かに当時はフォークはなく、ナイフだけで肉を食べていたのも良くわかる。
エジプト文化も大好きな娘、ミイラが怖い夫、娘のリクエストで頑張ってエジプトコーナーにも足を踏み入れて終了。閉館前なのでどんどん人がいなくなり、閑散とした中余計怖かったらしい。
私は本来の展示よりも、こういうものばかり見つけては喜んでいた。昔の人、展示物べたべた触りすぎ。
この他にもこの美術館にはフェルメールなど、世界でも有数のコレクションがたくさんある。随分駆け足だったのでだいぶ見逃してしまったし、見るのに夢中で写真を撮らないことも多かったが、ヨーロッパに住むようになってから、ぱっと簡単に本物のアートを見ることができる環境になり、逆に本物疲れ(?!)した中で妙に印象に残ったのが、半地下にあるトイレ近くに展示してあった、子供が美術ワークショップで描いたらしいこんな作品
これが
こうなる!
壁からも剥がれかけているような絵だったが、このデフォルメ感の妙。踏んづけられている人もだし、踏んづけている天使もオリジナルとはだいぶ違うがなんだかすごくいい。一瞬、これ大人がふざけてヘタウマ的に描いたのか?と思う位だが、なぜかぎゅっとつかまれてしまった。子供ってすごいなw
閉館した後は、何かイベントがあるらしく、フォーマルドレスを着た人たちがぞろぞろと入ってきた。着物の日本人もちらと見かけた。