愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ロックダウン日記3週目

小さな助け合い

フラットのロビーに、住人の誰かが「週末の気分をあげるためにも、ご自由にどうぞ」の張り紙と共に沢山のチューリップを置いてくれていた。

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うちのフラットは20世帯ぐらいあり、知らないご近所さんのほうが多いし、すれ違っても挨拶もしない人もいる。でもロックダウンになって、何かあったら電話してねと連絡先を貼りだしてくれた人がいたり、ちょっとした助け合い精神が生まれている。悪くない。

我が家も、ご近所さんに卵や野菜をどこで手に入れているのか聞かれたので、ロビーに情報を貼っておいた。

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チューリップってすぐにしなーっと下がっちゃうんだけど・・・

茎を短く切ったら、ピン!と戻ってくれた。お花は好きだけど活けるの得意じゃないし、最後に枯れるのが嫌でなかなか買わないのだけれど、長い間家にいるようになって、やっぱり家にこういうものがあるといいなーと思ったり。

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外に出ない分、家の中での小確幸

女王様スピーチ

日曜日の夜には、女王様の緊急スピーチがあった。緊急スピーチをするのは、長い在位中でも数えるほどなんだそう。

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NHSやエッセンシャルワーカーへの感謝と激励、家にいましょう、みんなで力を合わせて乗り越えましょう的なメッセージだったけれど、印象的だったのは、自分が王族として初めて国民向けのスピーチをしたのが第二次大戦中の1940年、子供達に向けたメッセージだった、という話をしたこと。

イギリスも空襲を避けるために親元から離れて疎開する子供達が多く、家族や友人と離れ離れになっていたのが、今の状況と重なる。そして今もまた、自主隔離で皆自由に会えない状況だけれど、「We'll meet again」と、これまた戦争中に流行した歌のタイトルを引用したところが、なんとも言えなかった。今もまた、違う形での戦時中。まさか女王も93歳にもなって、こんな話をまたすることになるとは、夢にも思わなかっただろうな。

ロイヤルファミリーの存在については、現代にそぐわない部分もあるよな~とちょびっと思わなくない時もあるが、こういう緊急時の女王様登場は、さすがというか玉音放送的というか。政治家が話すよりなにかグッと来たのでありました。

春休み

今週から2週間、イースターのお休み。一応春休みの課題リストは来たけれど、強制ではないので、子供の自主学習もちょっとお休み。春休みとはいえ、私も夫も仕事はあるので、大人がPCをにらんでいる間、子供を寝たいだけ寝かせてしまったり、ほぼ放置状態であまり色々できず・・。ああ、生活習慣が・・・。

オンライン授業の目途がまだついていない子供の学校だけれど、各家庭でのインターネット接続状況と、子供が使える電子機器についてのアンケートが送られてきた。やはり公立の学校なので、家庭によっては親の携帯ぐらいしかない家、プリンターもあったりなかったり、状況はさまざまの模様。

地元の議員が、モバイルデータしかない家庭向けにデータ容量を増量できないかなど、内閣府アクセシビリティについて交渉しに行きました、とのこと。って遅くないかーい。

今週も子供のクラスのZoomチャット開催。毎回大騒ぎでチャットしている子供達だが、今回は担任の先生が登場。そのとたん、みんなしーーーーーんと黙ってしまった(笑)転校した友達にも参加してもらい、先生が退出してからは大盛り上がりだった(笑)

NHSありがとう

コロナとは全然関係ないところでちょっと体調不良あり、でもこんな時期にGP(医者)に連絡して大丈夫かな・・と思ったのだけれど、オフィスに電話をしたら、数時間後には折り返し連絡をくれて、電話とビデオチャットでコンサルテーションしてくれた。

テキストでリンクを送ってくれるので、それをクリックするとアプリをダウンロードすることなく、ビデオチャットができる。accuRxというところのソリューション。SMS一斉送信とかコミュニケーション管理とか色々できるらしい。NHSの電子化、遠隔医療、それなりに進んでいる。なんて便利~

話したのはナースプラクティショナーの人だったけれど、親身に話を聞いてくれて、ビデオチャットも、あらーうまくつながらないわねーウフフキャッキャ、みたいな感じで終始お母さんか頼れる友達と話している気分。電話を切った後で、ああ電話してよかった・・とホッとすると同時になんだかすごく癒された。処方箋もすぐに出してくれて、近所の薬局で30分後にピックアップできた。

コロナで医療崩壊=他の病気の診療もできなくなること、というのをどこかで見たが、今のところ地元のGPでは咳や熱などコロナっぽい症状がある人は自主隔離して、医療相談ホットラインに電話をするように、というアドバイスで、コロナ診療はしていない模様。コロナのテストも当院ではしません、とのこと。

その他の患者はまずは電話とビデオで診断、どうしても対面での診断が必要な時だけ、アポを取るという形になっているみたい。でもある意味、待ち時間も無いし、いつもよりすぐに診てもらえた位で、普段より断然効率的だったかもしれない。

それにしても、本当にイギリスに来てからNHSには感謝しかない。

毎週木曜日の夜8時、恒例になったNHSに感謝する拍手も、今週はそろそろだれるかな、と思ったけれど、花火を打ち上げる人までいて盛り上がった。我が家も太鼓を引っ張りだして参加。前を通ったトラックと車が、みんなの拍手にあわせて、ぶっぶぶー、ぷーぷーと、クラクションでお互い合いの手を何度もいれながら走っていった。

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コロナ対応のため、コンベンションセンターを急遽病院に仕立てた「ナイチンゲール病院」。イギリス政府のSNS対応はずいぶんしっかりしていて、この病院インスタのアカウントもしっかりある。そして、人員募集の広告がインスタストーリーにあがってくる。

ボリス・政府からのメッセージ

陽性になり自主隔離していた首相、ICUに入ったというニュースは、ボリスを毛嫌いする人達の間にも結構ショックをもたらし、ボリス嫌いだけど死んではほしくない、がんばれ・・・という感じになった。病院のお世話になると実際わかるのだが結構医療関係者には移民の人が多い。そんなNHSをBrexitの移民政策でダメダメにしちゃった張本人が、コロナにかかってNHSのお世話になっているわけで、なんとも複雑・・。元気に「心を入れ替えて」戻ってきてくれるといいんですけどね。

Twitterでは火曜日の夜8時にボリスがんばれの拍手をしよう、という情報が流れていて、実際保守党の議員が拍手している動画なども上がっていたのだが、もちろん近所は火曜日の夜8時になってもしーーーーーん、と静まり返っていたww

そんなボリスから、各家庭に送られているお手紙。我が家にもようやく届いた。ダウニング街10番地のレターヘッド付き。

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手紙の内容は、とにかく家にいろ、NHSあを守ろう、という従来のメッセージ。手の洗い方、隔離のガイドラインなどのパンフレットも同封されていた。

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家にいましょう、という政府の広報は、ツイッターなどのSNSにもあがってくる。

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「あなたが出かけると、感染を広げるかもしれません。人が死にます。家にいましょう。NHSを、人命を守りましょう」人が死にます、とかなりダイレクトなメッセージ。

週末になると天気がいい

天気がいいのは喜ばしいのだが(やはり窓を開け放って温かい太陽の光が入ってくると、気分はいい)、週末になると天気がよくなるので、外に人が沢山でるのが嫌。イースターの金曜日も素晴らしいお天気。近くの緑地まで歩いたが、緑地自体は数えるほどしか人はいないものの、周辺の道路はしょっちゅうだれかとすれ違わないといけない位人がいて、どぎまぎした。

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歩いている人のマスク率は2割程度。さすがに買い物にはマスクをしている人が多いけれど、散歩の時は結構みなさん普通に歩いているし、すれ違う時にも距離を開けなかったり、唾飛ばして喋ってる人もいるのでとにかく逃げまくる。

自転車やジョギングの人はその限りにあらず。散歩もストレスがちょっとたまる・・・。

そうこうしているうちに、イギリスでも一日の死者900人越え。あまり外に出ていないので実感はない。しかし、家族なのか友達なのか、わいわいと楽しそうに外を歩いている人達を見ると、人間って天気と共に、こんなにすぐ気が緩むものか・・とも思ったり。いまだにマスクとかソーシャルディスタンスに関する意識も、あるんだか無いんだかよくわからない時がある。

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イースターの連休の週末のはじまり。教会には、パームサンデーに使う十字架が置いてあった。