愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

処方薬の宅配サービスNimble Rxを(無理やり)試してみた

暑かったり寒かったり雨が降ったり降らなかったりと変なお天気のベイエリア。子供が咳をし始めたと思ったら、私も夜に喘息のような咳が出始めたりして軽く不調に。

とにかく咳が止まらないので、お医者に駆け込み、結果、抗生物質と咳止めを処方されました。普段なら先生が最寄りの薬局に処方箋を送り、私が向かう頃には準備されていることが多かったのですが、先生今回は「処方箋用意するからちょっと待ってて」と診察室を出てからずいぶん待たされました。

待つこと10分・・ニヤニヤしながら「テキスト来た?」と言う先生。来てなかったんですけど、これで家に薬が宅配されるから、とドヤ顔。

受付の横に小さなタブレットのキオスクが置いてあり、ここでさらに住所の登録と、配達希望時間を指定。配達時間近くになったら、運転手◯◯が配達に伺います!とまたテキストが来て、家に薬を持ってきてくれました。

これ、Nimble Rxという会社のサービスを医者が使い始めたのでした。ここのウェブサイトにクレジットカードを登録する必要があり、薬代はそこから引かれます。配達は無料。何か質問があれば、専属の薬剤師にメールなり電話して質問できると。

私は大丈夫でしたが、今年はインフルエンザが猛威をふるい、お友達も何人か倒れてタミフル服用の憂き目にあっていましたが、これはもうフラフラで薬を取りに行く体力も余裕もない時なんかすごい便利かも!

調べてみたらこの会社、やはりメンロパークで2014年に始まったスタートアップだった。去年の10月に2万8000ドルSeriesBで調達だと。今のところサービスはベイエリアとサンディエゴで展開しているそうです。

マッキンゼーとかにいたコンサル系の人が始めた会社らしく、家族の処方せんをピックアップするのに薬局で待っている時にこのサービスを考えた、的なことが書かれていましたが、個人的には便利なようでまだちょっと微妙かなというサービスではありました。

後でサービスに関するアンケートも送られてきたので、会社にも直接フィードバックは送っておいたのですが、

すぐ配達されないのが意外に不便:配達時間を指定できるのはいいんですが、一番早いので当日の2−3時間後。ここら辺の薬局に処方せん持って行ってもだいたい30分以内で出してくれるので、逆に待つことになり、スケジュールが狂ったりちょっとイラッとしました。重病でフラフラで薬局に行けない時は便利ですけれどね。

在庫が充実していない:夜中の咳がひどくて、処方された咳止めをまず欲しかったのに、それは在庫がないから翌日の配達になりますとのこと。また時間指定して、家で待って、コノヤローゴホゴホゴホって感じでした。地元の薬局だったら絶対すぐあるやつだったのに・・。

最近のこういうサービスって、何かしらアプリをインストールさせられるのも嫌ですねぇ。何かスマホのアプリを開発してなんぼ的な感じになっていますが、やはりシングルタスクのためだけにいちいちアプリをインストールしないといけないのは、ユーザーとしては迷惑風。

アプリを入れると、常備薬が切れた時のリマインダーやリフィルのオーダーができたり、薬の写真を撮って、薬剤師に送って質問したり、とコミュニケーションが取りやすくなるらしい。何か持病があって、薬をずっと飲まないといけない人には便利かもしれない。多分医者にあんまりかからない私はターゲットユーザーではなかったかな・・。

アプリのレビューもかなり悪かったのは、医者とこの会社の間のコミュニケーションがうまく取れてないとか、配達がなかなか来ないとか、やはりアイデアはナイスでもオペレーションがまだまだなのかな、という感じではありました。

スタートアップが薬を全部ストックアップしたり(どこかと提携してるのかな?)、配達ネットワークを作ったりするのも大変だろうけど、どうやってるのかな?ここはSafewayとか、薬局が既にあり、食料品の配達サービスも既にやっているようなスーパーマーケット系とか大手に買われると一番いいんでしょうかねぇ。

あまり知らなかったのですが、最近はこういう薬局系のスタートアップ、薬の配達サービスをやってる似たようなところとか、配達だけじゃなくて、薬を種類別じゃなくてその日に飲む別ごとにパッケージしてくれるところとか、薬のボトルにセンサーがついていて、その日飲んだかトラッキングしたりリマインダーを飛ばしてくれたりするIoT的なものとか、色々あるらしい。

オペレーション側の色々をやっていた身としては、アプリはいいからその裏をしっかりしろ〜などと思ってしまいますが、薬のデリバリーも1日以内の配達、ではまだまだ感心できません。やはりここは流通配達に長けているアマゾンの保険事業に期待?!

とりあえず次回医者にかかった時は、近くの薬局に処方せん送ってもらうように頼む予定。でもベイエリアにいると、こういう新しいサービスを色々経験できるのは面白いです。