愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ロックダウン日記1

イギリスも絶賛、自宅隔離中です。この1ヶ月、あれよあれよという間に、それこそ1日単位で色々な状況が変わり、先週と今週では見える世界も随分変わりました。忘備録としてつらつら書き留めておきます。

1月
2020年は必ずしも良い意味ではなく、色々なことが変わる年になるんじゃないだろうか・・などと思っていたが、1月にイギリスはしれっとBrexitし、コービーブライアントが事故死し、オーストラリアは大火事に見舞われ、イランでごちゃごちゃあり・・・そして中国のコロナのニュースにうわっ、となる。でもイギリスからはまだまだ対岸の火事

武漢のロックダウンはこの頃だったか。上海にいる同僚は、上海郊外の実家に春節で帰ったまま上海に戻れず、ずっと実家待機で外に出られなくなっていた。

2月
香港を出発してあちこち寄港拒否され、最後にカンボジアで客を下したクルーズ船にアメリカ人の知り合いや、お友達の義両親など複数が乗っていた。心配したお友達のために連絡をとったりやりとりする。今香港にいまーす、というFBのポストを見てなぜこの時期に?と思ったらあれよあれよと船に乗りこんな状況に。日本やアメリカのニュースも見て、見えないウィルスへの恐怖や、ウィルスをきっかけに色々見えてくる人間の嫌な面に、どんどん気分が重くなる。

会社までは徒歩50分で行ける距離。運動がてら朝は徒歩通勤、帰りは電車かバス通勤、というパターンが定着している。ある日出社したら貧血を起こして気持ち悪くなってしまい、バスであわてて帰宅。ここでアジア人がしんどそうにしてたら、疑われる・・・!とドギマギした。でもまだその程度。

シンガポールで感染して、無症状のままフランスのスキーリゾートに滞在していた患者がブライトン在住、そこでも感染者が出たというニュース。ブライトンから週に1回通勤してくる同僚がいて、軽く身構える。この頃は確かロンドンではまだ感染者出てなかった。

もう面倒になったので、この時期からあまり出社せずほぼ在宅勤務。

日本では父が参加する予定の大規模イベントがキャンセルになる。今の日本のことを考えると、かなり早めの賢明な判断だったのではないか。母からはコロナにはお湯を飲めという例のチェーンメールが送られてきてガックリ来る。

アメリカでは今年インフルエンザの死者も多かったようだが、アメリカの友人達の間でもずいぶん流行っていた。熱がぶり返したり咳が長引くなど、症状がまぎらわしいが、テストしたらちゃんとインフル陽性になっていたので、インフルはインフルで別にちゃんと流行っていた様子。子供が通っていたアメリカの小学校のFBでも、子供発熱、のポスト多数。

そういえばイギリスではインフルが流行っている話はきかず、子供のクラスの出席率もほぼ100%。イギリスは学校でインフルの予防接種がある(アメリカではない)のが功を奏しているのだろうか。アメリカの友人達も、子供からインフルを移されたケースも良く聞いたので、私もあわてて今更ながら薬局で予防注射を打ってもらう。

ロンドンではちょっと雪が降った。

ミラノにいるイタリア人友人達、スーパーにものが無い、とFBでうったえはじめる。でもまだロックダウンにはなっていなかったので、そんな中で旅行に行ってきた~なんてポストがあったりして混乱する。

ロンドンでは2月も後半になると、マスクをする人が少しだけ出てきた。といっても見るのは1日に片手で数える程度。アジア人だけでなく、白人の人も時々いる。中にはガスマスクみたいなすごいのを付けている人も一度だけ見かけた。

イギリスは特に咳をするときに肘ではなく手で覆う人がまだ多く、電車の中ではそれこそこぶしを口の前に持って行くだけの者、指を大きく開いたパーでカバーするものも多い。そういう人達を見るたびにアジア人の私が彼らを凝視wというか、この時期公共機関で咳してるのイギリス人ばっかりだった。

この頃から、コロナに関するアジア人差別の話題も出始める。我が家は特に経験無し。一方、被害が広がり始めたイタリアからの観光客と鉢合わせたり、イタリア語が聴こえてくると軽く身構えてしまって、まあこういうことなんだよな・・とも思ってしまった。

そういえば2月は、フランスやイタリアにスキー旅行に行く人も結構いた。ちょうどベイエリアからタホにスキーに行く感覚。今イギリスで広がっているのは、中国からというより、ここらへんからの感染がばーっと広がったんだろうなと思う。

学校でイタリアにスキー旅行に行く所もあり、どこの学校がスキー旅行に行った云々という情報が保護者のWhatsappグループにも流れてきたが、それに対して他の親のうち1人は黙って保健省のサイトのリンクを貼り、1人は黙って手洗いや予防方法をわかりやすくイラストでまとめたページをシェア、以上。だった。さすがkeep calm and carry onだ。

まだ出歩いてお友達とご飯食べたりもしていたこの頃。遠い昔のようだ。

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3月

1-2週目
だんだんヨーロッパの状況がやばくなってきて、アメリカはイギリス以外のEUからの外国人を入国禁止に。翌日にはイギリスも禁止リストに入った。アメリカ人やGCホルダーはまだ大丈夫というけれど、ドギマギする。アメリカに行ったとしても2週間隔離だろう。アメリカからこちらに遊びに来ることになっていた友達一家も、最後までちょっと迷っていたようだけれど(!)、当然ロンドン行きはキャンセルに。

ヨーロッパの各国の状況が酷くなってきているので、春休みの旅行のチケット、日本里帰りのチケットをどうするかで周囲が阿鼻叫喚な状況になったのもこの頃。フライトはどんどんキャンセルされていき、スペイン各地行きの飛行機数機が、飛行途中でUターンしてロンドンに戻ってきた、などというニュースも。我が家は特に予定を立てていなかったので助かった。

スペインやポルトガルもロックダウン、各国の同僚達が自宅勤務。自分のアパートのバルコニーから、階下にあるスーパーに入るのに間隔あけて並ぶ人達の様子がシェアされてきた。

色んな形で各国の状況を追っていたせいか、夫との間で外出に関する意識の差が出てきたのにもストレスがたまる。3月初頭はまだトイレットペーパーもハンドサニタイザーも、店頭に普通に並んでいたし、イギリスでの危機感はまだまだだった。

3週目
意識的に買い物を多めにし始める。スーパーでもパスタやトイレットペーパーが品薄になり始め、そこだけ棚がすっからかんになっていて変な笑いが起きる。「買う前によく考えて」のサインがそんな棚には貼ってあるが、それを見て何が特に品薄か気づいてしまう罠。

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そのうちどんどん他の棚も空になりはじめたが、写真撮るのはやめた。ここらへんは日本でも必要以上に報道されていた気がする。ほぼ何も残っていないスーパーで、買えるものを買っていた感じ。それでも野菜コーナーではマッシュルームは売れ残っていたり、パスタコーナーではラザニア用のシートは売れ残っていたりと、売れてないものが逆に気になったw

スーパーの品薄問題は、絶対的に品物が足りないというよりは、皆が店に殺到して爆買い→流通は普段以上に頑張っておりしょっちゅう配送トラックも来ていた→従業員も忙しすぎて、それを棚に並べるのが追い付ていない、という状況もあり、店に行く時間によっては結構揃っていることもあった。私の周囲のイギリス人は、とにかく買いだめをする人達に対して憤慨する声のほうが多かった。

同僚がコロナ風の症状を発症。私はずっと在宅だったので、1ヶ月ぐらい会っていなかったのだけど、普段は机並べて座っていて、小さな子供からもらってきた風邪をうつされたこともあったので、在宅にしておいて良かった・・・。普段から、結構子連れで人混みの中に出かけてる様子がインスタに出ていたので、うーん大丈夫なのかな?とちょっと思っていたのだった。

サンフランシスコでもロックダウン、学校も休校。こっちもそうなるかな、と思ったら最初は「集団免疫云々」の方針を打ち立て、成り行きに任せる風なスタンスだったイギリス政府。

買いだめ(というと語弊があるが・・)なんてしなくてもいい!と言っていた夫であったが、スーパーのオンラインデリバリーの配達予約も向こう3週間いっぱいでできない、という状況に気が付き焦ったようで、とりあえず米と、数ロールしか家に残っていなかったトイレットペーパーはアマゾンで確保した。

そうこうしているうちに、夫の会社も在宅勤務になる。最初はチームを2つにわけ、交代制で出社とか言っていたがあっという間に全員在宅になった。私と旦那、それぞれリビングとベッドルームで仕事。

子供の学校はまだあったが、アフタースクールには行かず早めにピックアップ。

アメリカでも、大人は用心して早くから自宅隔離してたけれど、子供が(コロナじゃない)別の酷い風邪もらってきて一家ダウン、なんて友人もいたし、子供が媒介になり家庭に入ってくる病気は多い。コロナは子供の症状は軽いというけれど、子供経由で入ってくることも多そう。早く学校も閉まらないかな、と思い始める。火曜日に今週いっぱいで学校閉鎖の噂が流れ、水曜日には、金曜日で学校閉めます、との発表があった。

学校閉鎖は、まず午前中にウェールズスコットランドでの閉鎖が発表され、その日のうちにイングランドも追従する形で発表された。予防対策という意味の他に、教職員でも病欠者が増え、学校維持が大変になってきたという理由もあったらしい。子供のクラスの友達でも、お年寄りと同居していたりする家庭など、すでに学校を休み早めに自主隔離しているところもあった。

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同僚達から送られてきた学校閉鎖ニュースへの反応w

ピアノのレッスンは早速Skypeに切り替え。ジムなども閉まり始める(夫が行き続けていたのでほっとする)。地下鉄も駅が一部閉まり、間引き運転が始まる。これも学校と同じで、スタッフの病欠が増え人手不足という理由もあるらしい。戦慄。

そんな中でも世の中では、スプリングブレークだとバカ騒ぎしているフロリダの若者とかいて、隔世の感。

ロックダウンの発表はなかったが、ロックダウンの前提での生活を始める。料理はある材料を最低限の量作って食べる。子供は学校で勧められたオンラインラーニングゲームを早速始める。夜はロンドンの友人達と、Skypeを使ってバーチャル飲み会。真夜中まで喋り倒して、スッキリした。

こうやって見ると、3月の3週目(3月16日以降)からうわーーーっと物事が変わっていった感じがする。これ、まだ先週の話なんだよな。もうずっと前のような気がする。他にも色々あったと思うけど、思い出したらまた書きます。