愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

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どこかで良い評判を目にしたので飛行機の中で3エピソード見た。ジャーナリスト+司会者のリサ・リンがアメリカ各地のアジア系コミュニティの食文化を探訪する番組。といってもチャイナタウンとかベタなところには行かず、アメリカが独立する前からあるルイジアナ州のフィリピンコミュニティとか、サクラメントで4世代続く中華系農家とか、大陸からやって来て高学歴だけど中国人ってことで職を得れず中華料理屋を始めた自分の祖父母の話とか。この数年、アジア人というとインドなどの南アジア系を指すロンドンに来て、自分が「マジョリティ」で無くなってしまったショックとはいわないが軽いインパクトを経験した後での里帰りにこれを見たので、なんとなくアメリカのホーム感をじわっと感じる結果となった。

とうとう見た。これも飛行機で。この映画に出てくる金持の家の構造は、時々私が夢の中で見る変な間取りの家に似ている。自分の家なのに、他人の居住スペースと繋がっているというか、アクセスされやすい作りになっていていつもどこかが晒されている感じが。面白い(というと語弊があるが)話だったが、これは韓国の貧富の差を描きたかったんだろうか。なんかちょっと見終わって良く判らなくなった。ただ金持ちは純粋、というくだり、なんとなく自分の周りの成功している人、賢い人を見ていると、何かひねたところのない、面白いほど淡々とピュアな部分があるのは本当だなあとは思った(というとこれまた語弊があるが)。

1960年代の北アイルランドの家族の話。ケネス・ブラナーの自伝的作品とのことだがそんな遠い昔でもない時代にプロテスタントカトリックが宗派の違いでドンパチやってたりイギリスでもテロを起こしていたのは、今の世界を考えるとなんだかハァァと思ってしまう。そんな中で生活する家族の物語は、思ったよりも普通でそこに描かれる色々も葛藤もすごく普通といえば普通だった。ロンドンに行ったら誰も自分達の言葉を解ってくれない、異質扱いされる、との恐れ、イギリスに来るまでアイリッシュスコティッシュもイングリッシュもそんなに大きな違いを認識していなかったけれど、来てみて分かった心情の色々も思う。そして昔から移民として出て行くこと、そしてそれを見送ることに慣れているアイルランド人。アメリカで培ったコミュニティを置いてまた他国に出た自分の今の状況で観たので、普通だけれどグッとくる話ではあった。これもアメリカに行く飛行機で見たので余計。

村上春樹のエッセイは好きなのに、小説は読むたびになぜか腹が立つ。無口で淡々としている主人公、消えたりどこかに行ってしまった相手のこと淡々と考え続けたり、真実を知ったりする。その過程で現れる、口数少ない主人公の心情を、テレパシーのごとく理解したり寄り添ってくれたりする人物の登場、などなんとなくパターンはある気がする。そして毎回、主人公が何も言わなくても、コミュニケーションをとるための色々な努力をしなくても、全てを理解してくれる相手が出てくるのが都合がよすぎると腹が立つ。そういう世界観の話なのに現実的に見て腹を立てるらしい。今回もまあそんな感じだった気がするが、帰りの飛行機で観ながら途中で寝てしまった。セリフがあまりに平坦なのがいい感じに睡眠を誘ったらしい。しかしインフライトエンターテイメントなのにベッドシーンもばっちり見せているのが心配になった。それなのになぜかこの映画13歳以上向けと書いてあった気がする。周囲に子供が座ってなくて良かった。

子供がNetflixで好んで見ているアメリカのシットコム、の最後のシーズンのエピソードをいくつかこれまた飛行機で。去年放送が終わったとのことで、ちょうどコロナだ、警察不信やBLMなど、おバカなシットコムでもアドレスしないといけない問題が色々出てきていて、ううむなるほど・・・と思ってしまった。

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映画館で観た。なんと原作は日本の小説なのね。登場人物もぜんぶもともと日本人らしいけれど、全部変えてある。舞台も東北新幹線から架空の東京→京都行きの新幹線的なものに変えてあり、セットもまあ色々現実と外国が思うフィクションな日本の混ぜ合わせ。エキストラの人や日本人の役の人がどう見ても日本人じゃないのもお約束。それがCultural appropriationかどうかはもう置いておいて、豪華なドタバタB級映画として楽しめた。ブラッドピットの軽さが良い。真田広之はハリウッドスターとして確立感、でもこれもタイプキャストでちょっとこういう役で観るのも飽きてきたかも。それにしても笑う部分が沢山ある映画なのに、イギリス人はこういう映画でも映画館では静寂を保つ。ウルフの最後のシーンなどは私だけぎゃははと笑う声を響かせてしまった。