愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ロックダウン日記1週目

ロックダウン前の週末

ロックダウン前といっても、ほぼそんな感じで日々を過ごす。運動不足解消に、子供と一緒にアプリを使ってヨガ、ニンテンドースイッチJust Dance。リングフィットアドベンチャーが手に入らなかったのは痛恨の極みであった。

スーパーの他にまだ色々な店は開いていたので、本屋に急いで駆け込み、子供に「なるべく分厚い本を2冊」選ばせる。子供がチョイスしたのは、スティーブン・ホーキングの子供向けの宇宙物理学の本と、シャーロックホームズの本。本屋は閑散としていたが、イギリスの本屋チェーンWaterstonesのウェブサイトは、注文が殺到しているというニュースも。

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食べ物の他に、事前に手に入れておいて良かったのは、何よりもプリンター用紙。トナーは十分あったが、これから学校閉鎖で家で色々プリントアウトする必要も増え、絵を描いたりすることも増える。クラフト系の材料も色々あると良いかもしれない。プリンター用紙は近所の文房具屋で最後の1つを入手した。

あと意外と繁盛していたのが、ビタミン剤などを売っている健康食品店。特にビタミンCの棚はきれいさっぱりなくなっていた。皆免疫力をつけなければ!と思うらしい。我が家も子供用のビタミン剤を補充。大人はC、D、Bを随時とっている。あとマヌカハニーを買ってみた。私の前に並んでいたムスリムのおばちゃんもマヌカハニー(結構高い)を3瓶も買っていた。

地元の商店街、いつもほどの混雑はないが、まあまあ人はいる。食料は一通り買ってあるのでスーパーには寄らなかったが、普段行ったことのない、小さなイタリアンの食堂兼雑貨屋のようなところでは、スーパーでは品薄になっているパスタをキロ単位の袋で売っていたので少し買う。

また南アフリカ系の肉屋で、南アフリカのカレーの素などを旦那が購入。個人商店的なところのほうが品ぞろえもまだまだ良く、人もそれほど殺到しないので、これからはそういうところも活用しようと話す。地元経済を助けるという意味でも。

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日曜日はイギリスでは母の日。夫が早くに花屋に行って花束を買って来てくれる。アメリカでもイギリスでも、なぜか花束に白い菊などが入っていて、仏花っぽいのがあったりするのだが、今回はちゃんとしたのを選んできてくれたので合格。子供からはこんなカードをもらった。

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なぜ母の日おめでとうと共にウンコ???!「だってママは良くButt Jokeを言うから、好きなのかと思って」。口は慎もう・・・・。

ジムやパブ、そしてレストランの閉鎖がこの週末に発表された。レストランは、デリバリーやテイクアウェイのみOK。もともと客が入らず苦戦しているようなレストランも家の周りにはいくつかあったので、心配になる。ビジネスをサポートするためにも、週に1度はテイクアウェイをしよう、という話になる。デリバルーというオンラインでデリバリーを頼めるサービスもあるのだけれど、そこ経由だとレストランがコミッションを何割か払わないといけないらしいので、なるべく直接レストランにオーダーする形で。

週末は、近所のイタリアンをテイクアウェイした。夫が注文を受け取りに行ったときは、まだこの日の注文客は我が家だけだったみたい。辛い。ガンバレ・・。

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人気のない住宅街を散歩する。ロンドンでも桜が咲き始めたりしている。

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その他には、家族でゲームをしたり、6年ぐらい前に着手して放置していた刺繍をしたり。夜子供が寝てから、ロンドンの友人達と数人でお酒を飲みながらSkypeで3時間ほど喋り倒す。

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月曜日

ホームスクーリング開始。子供は学校から、勉強におススメの既存のウェブサイトやオンラインゲームなどのリストをもらって来てはいたが、先生がオンラインで授業をするまでには至っていない。ロンドンより1週間ほど早くに学校が閉鎖されたカリフォルニアでも、ほぼ自習のところ、素早く授業の一部をオンラインに切り替えたところと、対応はまちまちだった模様。

近所に住む公立中学校に通う子は、早速オンライン授業が始まったようで、始業時刻と共にログインしたか、課題を済ませたかどうか全部チェックされるので、さぼれないとぼやいていた。

子供の小学校は、先生がツイッターでおすすめアクティビティをつぶやいたり、学校閉鎖前にGoogle Classroomを使うためのログインを配って、授業中に使い方を練習したらしいが、今のところClassroomに参加している子供は約半数。時々先生が、課題とも言えないようなクイズをそこで出したりしているが、子供達の反応もあまり無し。むー。いずれはオンライン授業に移行するのかな。

子供が作った、普段の時間割に合わせて、なんとなくワークシートをやったりするが、カリキュラムがはっきりしないので、少し困る(分数を重点的にやってください、位の連絡があったのみ)。ワークシートの答え合わせをし、色々説明するのに1時間ほどかけてぐったりする。

体育は、全英の体操のお兄さん風になりつつある、フィットネス系ユーチューバーのビデオを見ながら。毎朝9時に、子供向けのエクササイズビデオをアップロードしてくれている。

www.youtube.com

その間に会社のミーティングにオンラインで参加(これは以前からのこと)したりするが、なんだか家族全員が在宅初日だからか、頭がフワフワした。

マスクを手作りしてみる。家庭科が大の苦手だった私、家にミシンも無いし、20分でできる!というのを3回ぐらい作り方を間違え、一つ出来上がるのに2時間以上かかってしまった。こういうので根を詰めすぎると逆に病気になりそう。

子供が参加している演劇のクラスも、オンラインで続行。YouTubeにビデオをアップロードしてくれていて、それに合わせて演技ごっこをしてみたり、自分でシナリオを書いてみたり。書いたシナリオは写真を撮って送った。みんな色々工夫している。

スーパーに行った夫曰く、パニック買いはもう落ち着いているようで、お酒以外は大体あったとのこと。

この日の夜に、ロックダウン発令。逆にこれでむやみやたらに外に出なくて済むので、少しホッとすると同時に、重い気持ちにもなる。子供の同級生の一人は発熱。

火曜日

ロックダウン発令のテキストが携帯に来ていた。医者やスーパーの従業員など、エッセンシャルな仕事をしている人以外は公共交通機関を使わない、3人以上で集まらない(家族は別)、一緒に住んでいない友達や家族と会わない、可能な限り在宅仕事に切り替える。買い物、運動などで1日1回ずつ外に出るのは良い。買い物はなるべく一人で。買い物や運動、散歩などをするときはソーシャルディスタンス(2メートル)を守る。

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今まで寒かったロンドン、今週になって急に暖かくなり、それこそ花見日和の天気だった。週末それで公園に人が大挙してやってきたことも、ロックダウンにつながったようで。

子供とスクーターで近所を散策。あまり人気のない住宅街を歩くが、向こうから人が来ても、お互いに道路の反対側に渡るなどして、2メートルの距離を保とうという努力がされている。

仕事をしながら子供の勉強のチェックやアクティビティのセットアップ、ランチの準備に散歩・・と色々するのはなかなか大変。我が家は9歳児一人なのでなんとかなっているが、小さい子が2人かそれ以上の家庭は大変そう。上司も午前中3時間は子供の勉強を見ているので、連絡が取れない(笑)

2人の子持ちの同僚も、この状況でフルで働くのは無理だと、時短で働くことにすると言っていた。クライアントも状況は似た感じのようで、プロジェクトの締切りを伸ばしてもらうなどの交渉も。私も生産性はそれでも普段の7割といったところだった。なにしろ仕事がとぎれとぎれになる。

そういえば会社のミーティング中、これからみんな在宅になるので、色々できる時間ができると思うけど・・と発言したイギリス人上司(50代男)がいたけど、みんなから速攻でツッコミを受けていたwとりあえず仕事は在宅で可能なのはとても助かる。

日本では欧州からの帰国者の陽性反応のニュースが増える。まあ、帰国者はテストしてモニターされるから余計見つかりやすいのでは?とも思ったが、日本での感染の波が海外からの帰国者のせい風になりそうな所が怖いなと思った。

なるべく運動不足にならないように気を付けないといけない。運動不足だとあまり食べる気もしないし、多分ストレスやら色々でちょっと胃酸が逆流したりもしたので、食べすぎはしてないけれど、寝付けないこともある。30日プランクチャレンジのアプリをダウンロードする。

水曜日

同級生の近所の人がコロナに罹患した、今思えば先月ひいた風邪、あれコロナだったのかも・・・などという話もちらほら聞こえてくる。確実に近い。怖。

なるべく買い物に行く回数も減らしたいので、野菜や果物の宅配を注文する。普段はレストランに卸している複数の業者が、一般家庭への宅配を始めてくれている。レストランも閉まっている所も多いし、これはWin-win

既往症もなく「健康」だった若者が亡くなる、というニュースもこのあたりからちらほら報道されはじめる。巨大なコンベンションセンターを、医療施設に変える動きも。中国でも突貫工事で病院作っていたけど、ロンドンでも。それだけ患者が増えることを見越しているんだな。端から端まで1キロはある巨大フロアに並ぶベッドはまるで野戦病院。戦慄。

そんな中、日本では友達や、友達の両親が旅行に行ったり飲み会をしたり、色々している様子が色々伝わってきて、これまた隔世の感あり。あれ、日本ではもう収束したの?大丈夫か心配になる。

そういえばこの数日外がとても静か。我が家は、ロンドンにいくつかある空港の着陸ルート上にあるので、普段は数分おきに頭上に飛行機が飛び、結構騒音があるのだが、ここのところ全く飛行機を見なくなった。フライトレーダーで確認すると、飛行機はすべてロンドン中心地を避け、ロンドン郊外、ウィンザー側から空港にアプローチするルートに変わっている。これ、普段はお天気の悪い時の着陸ルート。フライトの本数自体も随分減っている。しかしこの静寂は、ロックダウンしているんだな・・という心理的効果も感じる。

木曜日

早速注文した野菜や果物が届く。1箱約2000円で、フルーツなどは50ピースも入っている。卵は30個。卵はスーパーでも品薄になっていたので、とても助かる。意外と日持ちもするし。これからはご近所さんと共同注文もできそう。イギリスのスーパーは、プラスチックの過剰包装が気になることも多かったのだが、久しぶりにこういう形で沢山の野菜果物を手に入れられて、少しカリフォルニアを思い出すとともに、沢山の新鮮な野菜を目の前にしたら、少し心に余裕ができた。キュウリやナスなど、痛みやすいものから先に料理していく。

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今日は旦那が子供の勉強を見てくれているが、それでも仕事の効率は、なんとなく・・・微妙。今この状況で誰も100%のアウトプットを期待していないのが救いっちゃ救い。

この状況の中、色々なメディアが色々なコンテンツを無料開放してくれているが、日本語の勉強と称して、子供とプリキュアの映画をYouTubeで見る。日本語教室にも通っていないので、読み書き話すは9歳児にしては心もとないが、意外と聞き取り理解はしているのがわかり驚く。

この日は夜8時にバルコニーや外に出て、医療関係者に感謝する拍手をしましょう、という呼びかけがあった。スペインなどでもやっていたやつ。我が家もバルコニーに出て拍手。フラットの他のバルコニーはここからはよく見えない作りになっているし、お向かいのフラットのバルコニーも見えにくく、ご近所さん達の姿はあまり見えなかったのだけれど、皆が大きな拍手をする音が鳴り響いた。そこへ、緊急出動していない救急車が通りがかり、ブッブーと挨拶してくれた。

お友達の中にも医療関係者がいるが、私達がぬくぬく家の中で自主隔離している間も、絶望的な状況が迫る中、危険と向き合って働いてくれているのを考えると、拍手なんかで足りるわけがないだろうと思うのだが・・こういうことしかできないのが歯がゆい。でも私達が今できることは本当に家から出ないことなんだよな。

テレビのクイズ番組でも、ソーシャルディスタンス遵守。不自然に離れている(笑)参加者も自宅からビデオチャットで参加していた。

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そしてFacebookプラハから中継されている美しいバイオリンコンサートをストリーミングで聴く。マルティヌーのバイオリンソナタ、マスク付き。音楽関係者もコンサートは開けないし、すごく辛い時期。

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金曜日

首相も陽性。保健相も陽性。そういえば皇太子も陽性。あーあ。

子供、特定の友達とは私の携帯で毎日チャットしたりしているが、普段学校に行かないと顔を合わせることもないクラスメートもいるので、Zoomでクラス全体のチャットタイムをホストしてみた。

20人位が参加、子供達が一度にわーわー言うのでかなりカオスではあったが、みんな顔を見られて嬉しそうだしやって良かった。大体の話題は、「そのカッコいい背景どうやって設定したの?!」だったけれども(笑)

私達の子供の頃と比べて、アメリカでもイギリスでも、子供の活動に親が関与しないといけないことが多い。プレイデートのアレンジも親同士で連絡しないといけないし、ランドセルをホッポリ出して適当に公園に行ったり、気が向いたら友達の家のドアを叩いていたのとは、わけが違う。電話も、昔は名簿を見ておうちに勝手に電話をかけて友達と話したりしていたものだけれど・・。

それに加えてこの隔離。今は色々なコミュニケーションツールはあるけれど、この時代の子供は、何も考えず流れに任せて自分たちの好きなように、好きなだけ遊ぶ、ということができないのは、気の毒に思う。それに親も色々面倒くさいw

私自身はもうスーパーには1週間以上行っていないが、一度に入る人数制限あり、フロアには2メートル離れるように、目印のテープが貼ってある。買い物に行った夫曰く、レジの人の前にも、プラスチックのシールドがあったそうだ。行かないで済むならそれでもあんまり行きたくないんだが。