愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

職場の変遷日記

今週から仕事復帰した、タイミングがよかったのだろう、6月にロンドンについてすぐにレジュメを送り始めて、7月にインタビューを2回ぐらいしてあっという間に決まってしまった。もう面倒だったのもあり最初にオファーをもらったところで決めて就職活動は打ち止めとした。でも引っ越し荷物も届いていない、子供は夏休み、学校も決まっていない、というか少しは遊びたい・・と思っていたら9月からでどうですかとあちらからオファーがあり、ありがたく夏の間は楽しませていただいた。就職進学が決まって始まるまでにまだ間があるという感覚は一番余裕があって良いものである、収入はないがまだ仕事のプレッシャーも何もない。良い夏休みであった。

新しい職場は小さいイギリスの会社で、小さいからかとても緩い。フルタイムじゃなくてもいいよというので出勤は週3日にしてもらった。しかも出勤日は毎週同じでなくても良いし在宅でも良いそうだ。そして何かよくわからないがみんなとても優しい。ギスギスしていない。初日私がコンピューターの画面からふと顔をあげるだけで横に座っている同僚が「大丈夫?」と何かわからないことがないか心配してくれる。お茶も入れてくれる。

ボス曰く「みんな時間中は一生懸命働くけれど、アメリカと違って一度コンピューターを閉じたら夜や週末までメールをチェックしたり返事をしないといけない文化じゃないから」とのことで、この会社の社風もあるのだろうがやるべきことをやったら後は自由な感じらしい。On your ownの部分もあるが基本聞けばみんな助けてくれるし、とても親切な環境、まだ本格的に仕事はしていないから実際の所はまだアレだけどそこは本当に良かった。昨日は出社日だったが、みんな出払っていてオフィスに誰もいないから家で仕事していいよ、と突然言われたりもした。

ロンドンに引っ越してからは車も無いし、どこにでも徒歩と電車バスで行く生活になり、毎日の平均歩数が1万5000歩とすごいことになっていたが、仕事を始めた途端にそれが3分の1になってしまった。子供のお迎えは私の役割なので、仕事中はとにかく時間に追われている感じがして、デスクの前でずーっと固まって座っている。4時になったらダッシュでバスに乗る。慣れたらもう少しどうにかしたいが、やはりオフィスワークは意識しないと不健康になる。家に帰ってご飯を作って子供に食べさせ、宿題させたりなんやかやしたらそのまま子供部屋の床で寝てしまった。このままでは運動不足なのに疲労してしまう。

新しい仕事が始まった途端にアメリカにいた時フリーランス的にやっていた某社の仕事の依頼まで来た、ここは腐れ縁の変な男のように忘れた頃に変なタイミングで連絡をしてくる。新しい職場もこの腐れ縁のことは承知で、別に関係を続けても良いとのことだったので対応する。

たまたま担当チームがロンドンにいるというので初めてロンドンオフィスに行ってみた、金融街のど真ん中である。シリコーンの谷の会社なので、狭いオフィスにボスが注文したペーパータオルの山が積み上がっている今の会社とは大違いである、広い、明るい、内装おしゃれ、食べ物が積み上がっている。そういえばカリフォルニアにいた頃はこれがデフォルトであった。ちょっと大変な案件で、PMはこれが日本だったら修羅場風な空気になりそうな状況でもクールを保っていたのには感心した。こういうオフィス環境で仕事をするとまさしくかっこよく仕事している感じがして多少の無茶振りもしょうむないことも我慢できるというもので、アメリカ時代は私もずいぶんそれで自己欺瞞に陥りながら長年仕事していた気がする。しかし11時になってもインボックスに入ってくるPMからのメールを見ていたら憐憫の情もふつふつと湧いてきた。この人はイギリスの人だが、アメリカの会社でアメリカ人の働き方をしているのであった。ああやっぱりもうオフィスが素敵だろうがこういう働き方はできないお年頃だ。

これからしばらくはイギリスでイギリス式の働き方というのをちょっと見て来る。本当にこの会社が緩いだけかもしれないが、夜中の11時にメールはこない代わりに、真昼間にボスが会議室で居眠りしている隠し撮りビデオが送られて来た。