愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

 ママ帰国・営業スマイル


【小さいさん9週目】


3週間滞在した母がとうとう帰国。空港から我が家に到着したとたん、そのままトイレの掃除をやりはじめるなど、大掃除をしてくださり、妊娠してから引っ越したため(言い訳?)、あまり手入れのされていなかったこのアパートが、史上初めてピカピカになったのであった。小さいのベビーシッターをしてくれたおかげでたまに外に出ることもできたし、家事全般をやってくれたので大変スポイルされてしまい、今になって時差ぼけならぬ母ボケ(?)から回復するのに大変である。実際母が帰ってから1日しかたってないのに、なんとなくすでにアパートがこちゃこちゃし始めた気がする。


普通は生まれた時に来てもらうんだろうけれど、なんとなく、出産で痛いだ何だとギャーギャー騒いでいるのを見られたくなかったのと、育児について色々言われると、喧嘩しちゃうかなー(ホルモンのこともあるし)と思って1ヶ月後に来てもらったのだけれど、私にとってはそれで良かったと思う。なんだかんだいって親元を離れて10何年たっているので、生活のリズムやタイミングが昔以上に合わなくなっているし(ぼけーっとのんびりしている私に対して、母は結構ちゃっちゃとやるほうなのだ。私は誰に似たのだ)。小さいも、この時期ぐわーっと成長してきて、ただ寝るだけでなく多少一緒に遊んだり、こちらの動向に反応してくれるようになったので、母も楽しかったみたい。最後のほうはひとりで買い物に出たり、私の友達にも沢山あってもらったり、地元の人達と言葉をかわしたりして、母もちっさな冒険を色々したようだ。次は小さいをつれて日本に行けるかな。これもまた冒険。


たまに意見の相違があったのが、小さいに何を着せるか。天気の変わりやすいサンフランシスコ、真夏日があったと思えばコートを羽織りたくなるような寒い日もあり、何を着せていいのかは結構迷う。特に手と足が冷たいと、うちの母だけでなく陳家の両親にもえらく心配されて困った。一応、大人の来ている枚数プラス1が目安。そしてお風呂上りなどに「湯冷まし」を飲ませるかどうか。母乳でいいのでは、と思うのだけれど・・・。実際こちらでは母乳だけにしておけ、と言われた。そういえば日本のネット情報では「お茶を飲ませる」というのもあったなあ。そしてたまーに粉ミルクをあげていたのだが、作るときに水道水を使うか湯冷ましを使うかでもめた。日本では湯冷まし!というらしいけれど、お医者さんいわくサンフランシスコの水はキレイなので、そのまま直接水道水を温めて使わなくてもOKとのこと(住んでいるアパートが古くてパイプも古いとなると話は別だけれど)。人肌に温めるかどうかも、赤ちゃんの好みなのでオプショナル。なんかこう書くとアメリカの子育ては大雑把な気がするなあ。


小さいは最近、急に色々なものに興味を示し始め、より人間としてなにかを認識し始めたような気配。絵本を見せると口をパカーっと開けて興味深く見ているし、人の顔を見るとニカーッと笑うようになった。うちの子は天才な上に、世界一可愛い。かーわいいねーと言ってほっぺをナデナデされると、パカーと口をあいてニカーっと笑うのが最近の小さいさんの得意技である。今はどうかはわからないが、特に新生児のほほえみは神経の反射だかによるもので特に意味はない、とは分かっていても、周囲の大人は張り切って、普段よりも4オクターブぐらい高い声で小さいさんの気をひこうと涙ぐましい努力をする。営業用の微笑だけで、オムツだおっぱいだと大人を顎さえ使わずに使ってしまう赤ん坊のサバイバルスキル、恐るべし、である。


人の顔を見て笑うようになったのは最近だが、生まれた直後から寝入りばなになるとひとりで笑っていた。例えオーディエンスがいなくとも、暗闇に向かってにっこり微笑んでいることも。そんなことをするのは赤ん坊の他には、消灯時間の後に回ってくるANAのスチュワーデスぐらいしか知らない。おっぱいを腹いっぱい飲んで、眠くなってぐでーっとなっている姿はまるで酔っ払いのサラリーマンのようであるが、さらに眠りに入る直前には薄目がちょっぴり開いて、白目をむく。そして白目をむいたまま、大口を開けてにこーっと笑うのである。ホラー映画に出てくるとりつかれた赤ちゃんみたいな感じでちょっと怖面白い。