愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

リベンジ2日目


2日目の朝。窓を開けると、山の空気はヒンヤリ。鳥の声や、何か動物がカサコソ動く音しか聞こえない静寂。旦那がジョギングに行っている間、私はそんな空気を楽しみながらのんびり読書。いやー、こんなの、本当に久しぶり。


窓の外を眺めていると、ワシだかタカだかが飛び回っていたり、そしてカリフォルニアに来てからよく目にするようになった「ハチドリ」が、ここではもうそれこそハチのようにぶんぶん飛び回っています。ハチドリって本当に小さくて、1秒にものすごい回数羽を回転させて空中静止しながら花の蜜を吸ったりするのですが、本を読んでいる私の目線のところに飛んできて、空中静止したまま私の顔をじっと見たりするんですよ。可愛い。可愛いけど、羽音が本当にブーンと虫っぽいので、一瞬反射的にシッシッ!とかやりそうになってしまいます。


しばらくすると、窓の下を黒猫がまるでライオンのようにのしのし登場。呼んでも完全に無視。それにしてもサンフランシスコのアパートの外から聞こえる音といえば救急車や消防車のけたたましいサイレン音やら酔っ払いの叫び声・・・それに比べるとなんて平和で静かなことか・・・。ちょっと都会の喧騒に疲れたら、たまにこういうところに、段ボール一杯の本だけ持ってこもるのもいいかもしれません。そんなに遠くもないし、何しろご飯も美味しいし!


旦那もジョギングから帰ってきて、朝ごはん。2部屋とも埋まっている時はバッフェスタイルらしいですが、この朝は私達だけだったので、前日に朝食アイテムから食べたいものをピックアップ。


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パンは毎朝Point Reyes Stationのベイカリーまで行って焼き立てを買いに行くのだそう。そしてチーズもバターも牛乳も、何もかもローカルなもの。いちごジャムさえ味が全然違った!胃酸逆流とか言ってたのに、これはやばいよ!


経営者夫妻の住居とB&Bは続きになっていて、引き戸で分かれているのみ。用事があったら引き戸をこんこんとノックしてください、とのこと。ご主人が出てきて、少しおしゃべり。欄干から何から全て和風なのは、前のオーナーの趣味なんだそう。前のオーナーはシリコンバレーで働いていて、奥さんがB&Bを経営していたんだとか。でもマレーシアに転勤になったのを機会にここを売却、そして今の夫妻が引き継いでいるとのこと。オーナー夫妻も内装など自分でいろいろ修繕したりしているそう。でも「ワビサビのスピリットを守るためにあんまり手を入れないところもあるけどね」だって。ははは。


朝ごはんで食べたチーズ美味しかった?地元のペタルーマで作っているチーズだからぜひお寄り、とチーズ屋さんのパンフレットもくれました。


チェックアウトした後もまだまだ時間があったので、周辺を運転散策。ちょっとビーチを覗いた後は、スクーナー湾というところにある、Drakes Bay Oyster Companyへ。本当になーんにもないところに、ぽつんとほったて小屋のようなものがあって、そこで牡蠣の養殖をしています。ちょっとしたピクニックテーブルもあるので、ここで牡蠣を買って食べることもできます。朝ごはんでお腹がパンパンだったのと、妊婦なので(以前生牡蠣にあたってひどい目にあったことがあるのでちょっと警戒している)、私はちょっとかじっただけだったけれど、ここの生牡蠣が・・・・激ウマ。海の香りがばーーーっと口の中に広がり、そして牡蠣の甘みが・・・こりゃたまらん。小さいが生まれたら、もう一度行ってシャンペンと生牡蠣を食べまくるぞ!


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ちょうどこの旅の間に読んでいたのが、こんな本だったので、生牡蠣食べたい病はさらにつのる・・・。テキサス出身のフードライターが、生牡蠣を食べに世界中をまわる話です。アメリカの牡蠣、実はルイジアナとかテキサスとか、南部での生産がとても多いというのは意外でした。でも食中毒とか水質汚染とかの、それこそ「風評被害」がある話(今となっては、油の流出で牡蠣の生産は致命的でしょう・・・涙)、ニューヨークやカリフォルニアの「牡蠣スノッブ」の話、ワインと一緒で、実は同じ種類の牡蠣だけど産地や名前でうまくブランディングして売っている話、そしてちょうどここらへんでの牡蠣の養殖の話などなど・・・。何かこれを読んでいると、養殖されたクマモトオイスターが一番美味しい!と言っているのがなよっちい気がしてこないでもないですが、カリフォルニアの牡蠣好きにもぜひ読んでほしい一冊。レシピもついてて楽しいです。


Sex, Death, & Oysters: A Half-Shell Lover's World Tour

Sex, Death, & Oysters: A Half-Shell Lover's World Tour


この本によると、おそらくこの網に入れて、海水に晒すのはおフランス方式の養殖方法ですな


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加曽利貝塚もびっくり。これ、ぜーんぶ牡蠣のカラです。上に草とか生えちゃってます。牡蠣のカラは一部洗って綺麗にして、次の牡蠣が育つためのベッドにしたりもします。


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ここの養殖場、そんなに大きくもないし、周りもなーんにもないのですが、環境保護庁だかどっかが、環境保護の一環だとかでこの養殖場を閉めさせようとしているらしいです。特にインベーシブな養殖のやり方をしているわけでもないし、こんな小規模なところを閉めたところで環境にインパクトがある感じでもないようなのですが、何か型通りのお役所仕事の犠牲になろうとしているらしい。それを阻止しようと、署名運動をやっていました。


さらに運転して、ポイントレイズの先っちょにある灯台へ。途中は本当になんにもないのですが、海を見渡せるなだらかな丘は牧場になっていて、牛が広大な土地にぽつぽつと、のんびりゆったり暮らしています。まさにフリーレンジという感じで、こりゃここでとれる牛乳もお肉も美味しいに決まってますね・・・。


灯台のある半島は、こんな景色。壮大すぎてカメラにおさまりません。風がものすごい。季節によっては鯨も見られるらしいです。


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車を止めて、灯台まで歩きます。


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おっとぉ、灯台まではすごい下りになってますよ。まあいいや、行ってしまえ。


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この灯台に到着するまでの道のりも、本当に何もなーいところを延々と運転したのですが、この灯台が最初に立てられた当時なんて、本当に灯台守の生活は大変だったろうなと想像します。特に霧が深いとき、嵐が来たときこそ灯を絶やしてはいけないわけで、もう何週間も荷物も手紙もとどかない・・・と当時の孤独を書いた文章なんかも陳列されていました。この日のようにかなり晴れた日でも、恐ろしいほど風は強いし、嵐の日なんて、どんなんだったのだか。


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行きはよいよい帰りは怖い。一瞬このでかい腹で登りきれるか?!と心配になりましたが、妊娠前はサンフランシスコの坂をジョギングしまくっていた身が幸いしたか、実際のところどうってことありませんでした。今も考えたら街中のこれくらいの傾斜のところを普通に歩いてたりするわけだしね・・・。


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灯台を後にして、今度はペタルーマというところまで運転、B&Bの主人が教えてくれたチーズ屋さん、Marine French Cheese Companyへ。こちら、1860年代からチーズを作っているという結構古いところです。日曜日だったので工場見学はやっていませんでしたが、外にはピクニックエリアもあって、ここでバゲットとチーズやサンドイッチを買って遅い昼ごはん。旦那が買ったチーズが結構クサイ!!旦那大喜び!


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色んなチーズを買い込んで帰宅の途に。夜7時には車も返してお家に到着。最近は夜9時まで外も明るいので、なんだか特した気分。特に何をするでもない、のーんびりした旅でしたが、こんな近場で、週末だけでこんなにのんびり美味しい思いをできてとてもよかったです。最初からベビー・ムーンはこういう旅にしておけば良かった〜!!でも、小さいが生まれてからもささっと行けそうな感じだし、また行くぞ〜。