愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

 小さいちゃん日記:12月編後半


12月【妊娠9週目】
久しぶりに夜遊びをするが、やはり10時すぎると眠くなる。そしてその時は平気でも結構翌日に響く。翌日は疲労と加藤茶が何度も訪問して大変だった。自分の体力や調子を見極めるのがまだヘタ。


少しだけど体重が増える。これからどんどんデブになっていくのか・・・・と思うと、急にへこむ。妊娠したからと人に腹を触られると腹が立つ。こりゃただの脂肪だよ!昔はあんなに体を動かしていたのに、本当に今は何もやる気がでない状態。気持ちがだれて、自堕落な生活になっているような気分。でも何かしたくても眠いし吐き気もするし、とにかくフラストレーションがたまる。


後で色々アメリカのマタニティのサイトを読んでみたら、特に妊娠初期は水分を体に溜め込んだりして、かなり体重のアップ&ダウンがあるので、いちいち体重を測って凹んだりするのはよくない、やるなら決まった時間に1週間に1回ぐらいにしておきなさい、と書いてあった。血液の量も増えるし、羊水、大きくなる子宮、胎盤、胸の膨張など色々なものを総合してもそれだけで数パウンドになるとのこと。日本のサイトはとにかく太るな太るな、と脅迫のように書いてあるのとはだいぶ違う。ちょっと気が楽になった。実は日本の妊娠雑誌は細かい情報が載っていて便利ではあるのだけれど、例えば「地球の歩き方」に現地の人からしてみると必要以上に治安やらいろんなことが心配性的に書いてあるように、かえって知りすぎて、パラノイアになりそうなこともたくさん書いてある。あんまりいらん情報を仕入れてくよくよするよりは、あっけらかんぼけーっと過ごせれば一番いいんだけど。


旦那は、「パパになるための心得」のような本は早速取り寄せて読んでいたが、ここ最近になって「妊娠中の妻がどう大変でどう変わるか」というのをウェブサイトで読んでようやく色々理解しはじめたらしく、妙に親切(?)になった。もちろん家事などはしんどい私に代わってしてくれていたけど、それはやっぱり何か大変そうだから〜、という程度の理解の元にやってくれていたわけで、妊婦の心や体の変化まではやっぱりなかなか把握はしていなかった。妊婦は自分の体の事だから、当たり前だと思っていることでも、男の人にはいまいち細かいところがピンとこないことが多いみたい。例えば旦那は受精したらその瞬間からつわりが始まってゲロゲロいうものだと思っていたらしい。こういうのって、私が説明するより、資料を読ませたり、医者に言われたほうが男の人はいうことを聞くようになるらしい。


夕食は旦那との緊密な連携のもと用意されるようになる。だいたい夕方ぐらいに、「今日はぜったいこれが食べたい!」という希望が固まるので、携帯で連絡、旦那が材料を仕入れて用意をする、という段取り。旦那のほうが家に帰るのが早いので、夕食の準備はほとんど彼がやってくれる。


9週も後半になると、加藤茶の来訪も軽く顔を出す程度になってくる。またしょっちゅうの事になってきたので、あまり苦にならなくなってきたというのもある。


【妊娠10週目】
クリスマスの連休。妊娠初期が年末に掛かっていてよかった。仕事も落ち着いてくるので、家で仕事したりしても大丈夫だったし、オフィスも閑散としていてあまり動きがなかったので、それほど大きく仕事に穴が開くことは無かった、と思う。


クリスマスに陳家両親に報告。香港には妊婦にまつわる色んな言い伝えというか迷信?があって、「妊婦がかなづちやのこぎりを見ると、口が裂けた子供が生まれる」(見るどころかIKEAの家具組み立てでかなづちとかがんがん使ったが)とか「バナナを食べると言うことを聞かない子供が生まれる」とか、ネタとして聞けば笑えるが、実際にこれをいちいち言われたらめんどくさすぎることが多い。実際香港にいる友人は義理の両親からしょっちゅう電話がかかってきて、バナナを食べるな・・とか色々言われたらしい。「妊婦が引越しをするのは不吉」もそのひとつだったので(まあストレスがたまるから、それはわからないでもない)、悪いが陳家両親には引越しが終わるまで黙っていたのだった。でも3人目の孫ともなると、そうも心配にはならないのか、普通に喜んでくれたので良かった。でも「ハイヒールをはかないように」「辛いものを食べないように」「電磁波が怖いからコンピューターを使わないように」とは言われた(苦笑)。


去年出産した友人カップルが旦那に本を貸してくれた。


A Guy's Guide To Pregnancy: Preparing for Parenthood Together

A Guy's Guide To Pregnancy: Preparing for Parenthood Together


「男のための妊娠ガイド」とでもいいましょうか。「お父さんになる心得」とか「子供にどう接するか」を学ぶ前に、まずは今まさに目の前で妊娠している妻のケアをちゃんとできるか、これすごい大事。特に妊婦はホルモンの影響で気分の上下もあるし、自分の体型、外見が変わっていくこと、フィジカル面での色々なことが制限されることによる心理的影響も大きい。「私、太って見える?」これにどう答えるか。奥さんがお酒を飲めないのに、目の前で自分だけビールを飲むのもいったいどうか?そして、「自分はいいパパになれるのか?」という不安にどう対処するか、奥さんが妊娠中の友達づきあいのこと、さらには男の人はよく知らないベイビーシャワーのあれこれなど色んなことが、とても短く、わかりやすく書いてある。本としても100ページちょっとと結構薄いので、飽きっぽい旦那さんでも読めるのがグッド!これを読み始めてから、旦那はさらに優しく、色々やってくれるようになった。おすすめ。


胸の張りが最高潮に達する。普段のブラがきつい。胸が張ってしんしんと痛くて、これも結構辛かった。今の状態をうまく想像できない男友達には、「二日酔いのまま船に乗ってさらに船酔いになった上に、自分の玉が2個とも腫れ上がっていて、ちょっと動いたりさわっただけでもものすごく痛いところを想像しなさい」と説明していた。


妊婦特有のイライラが始まる。他人に対する許容度が減る。ぼっさーっと歩いてぶつかりそうになってくる観光客、混雑する店でふざける子供とそれを放置する馬鹿な親、全てに必要以上に切れる。食べたいものが食べられないと、腹が立つ。そしてとうとうある日、意味もなく悲しくなって、1時間ほど号泣する、というのをやってしまった。微妙にしんどい、いろいろしたいのにできない、体重い、でも食べてしまう、周囲はリラックスしろとは言うけどじっとしてるのも癪、すぐ眠くなる、なんかそういう妊婦ルーティーンにちょっと疲れたのもあると思う。でもそれが一番大きい理由かというとそうでもなくて、とにかく理由もよくわからないままうわーっとなった。旦那は仕事から帰ってきたら私が号泣していたのでびっくりしていたが、とりあえず本で読んで理解していたので、ちゃんと対応してくれた。ある意味教科書通りの妊婦特有の行動に、「これは健康な妊婦ってことだよ」。