愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

夢のフエ


旅日記、ぜんぜん終わっておりませんが、食べ物日記「陳家の食卓」のほうはすでにベトナム編、全部アップロードしてしまいました。写真に一言残す感じなので、こっちのほうが最近面白くて、更新頻度が高いかも・・・。なんかいいカメラがほしくなってきた。ベトナムグルメ、体調が悪かったので、あんまり冒険できなかったのが悔やまれますが、またいつか行けるよね。


フエ2日目。前日歩き回ったせいか、疲労と喘息のような咳が止まらず、朝起きられず。今日はホテルをチェックアウトしなくちゃいけない日なのに、大丈夫か・・・?このまま、飛行機の時間まで外をうろうろしなくちゃいけないのに、できるのか・・・?


ちょっとお金を払ってでも、チェックアウトを遅らせることができないかと思ったのだけれど、ホテルの予約が一杯でもう無理、とのこと。しかし、三つ揃えのスーツを着た、オードリーの春日とトミーズ雅を足して2で割った支配人がとても親切で、ささっと近くのホテルの部屋を安く押さえてくれ、ささっとタクシーを呼び、自分も一緒に乗り込み、そこまで連れて行ってくれました。


聞いたところによると、連れて行ってくれたホテルは彼の「ガールフレンド」のホテルなんだそう。どちらも新しくできたばかりのホテル。ロケーション的には、どちらのホテルも少し中心部から離れているのですが、それでも春日のホテルは大盛況。一人びしっとスーツで決めているところからしても、かなりやり手のビジネスマンって感じがします。ありがとうありがとう(涙)


部屋が取れて安心したのか、外の空気を吸ったらすっきりしたのか、ちょっと休んだらなんとなく元気に。このまま部屋にいるのも勿体無いし、お腹も空いたので、下に降りていったら、春日支配人はまだロビーでうだうだ、受付の人たちとおしゃべりしてました。こういう、ちょっとのんきなところがいいなぁ、ベトナム。おなか減ったのかい、というので、おいしいフォーが食べたいよ、と言ったら、ならついておいでとまたささっと立ち上がり、近所のお店に連れて行ってくれた上に、注文もとっておいてくれました。うーん、いい人だ。こういうちょっとした親切が、特に言葉の通じにくいところでは(そして病身には)ありがたい。


フエは雨は降るけど、暑くもなく、寒くもなく、前にも書いたけれど、なんだか自分の部屋の気持ちいいお布団に包まっているような気分になるところ。ここで食べたフォーは、今までで一番美味しかったかもしれない。でも多分それは、味だけじゃなくて、このベトナムの雰囲気や、支配人の親切や、一瞬だけでもフォーを食べて体がすっきりしたから・・・そんなことが色々重なったからかも。だから多分もう、同じ場所に行っても、同じ味は経験できないだろうなあ。


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私たちがフォーをすすっているあいだ、テレビからは歌謡曲ががんがん流れ、向かいのビアホイ(青空居酒屋?みたいな感じのところ)では、昼間だというのに親父達がビールを飲んでわいわい、そして時たま自転車やバイクや、軽自動車が通過していきます。そしてレストランの目の前では、果物売りのおばさんがお商売を始めたりして。バイクで買いに来たおっちゃんはずいぶん長い間品定めしたりしながら、このおばちゃんからお買い物をしていました。そんな風景をぼんやりと眺めていたら、なんだか自分がこの空気の中に溶けているような気分に。何か夢の中の世界のような、不思議な心持でした。

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