愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

 OQ


フエ一日目は、阮朝の王宮へ。ここはユネスコ世界遺産に指定されているところだそうです。中国の紫禁城のミニチュア版といったところらしいけれど、ベトナム戦争中にはベトコンが司令部として使っており、戦闘でだいぶ破壊されてしまったよう。フエはベトナム戦争時激戦地でもあったのです。王宮の修復作業はまだまだ続いていました。


ミニチュア版といえども、このスケール。どっかの観光客の兄ちゃんを、たばこ代わりに使ってみました。


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1800年代の建築というと、「それほど」古いわけでもないのだなぁ、なんて思ってしまいますが、よく考えるとずいぶん昔。


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雨がよく降るフエだからか、建物は全体的に苔むしている感じが。そしてそれが何ともいえない雰囲気をかもし出していました。


中に入ると欧米人の観光客だらけ。結構ツアーで来ている人たちが多いみたい。ベトナム人のガイドのおっさん達が、流暢なフランス語やドイツ語を駆使して、阮朝の歴史について語ってました。ガイドさんだから外国語ぺらぺらで当然なんだけど、日本だったら競艇場とかにいそうないでたちをしたおっさんばかりなのが印象的・・・。


なんとなくぐずついたお天気だったのも、しばらくしたら晴れ間が。


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建物の一角から、うははがははうひゃひゃひゃひゃと、尋常ではない笑い声が聞こえてくるので何かと覗きに行ったら、ベトナム人一家がコスプレ中。皇帝の格好らしいんですが、なんとなく香港映画に出てくるアホなおっさんみたいや。


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戦争でだいぶ破壊された箇所も多いこの王宮。銃弾の痕ががっつり残っている壁もあり。修復中の場所は、何もない野っ原。ぬかるみの中をずんずん行く。そこらへんは適当なベトナムなので、建築中の場所でも、囲いをまたいで中に入ってみたり、中で昼寝している人がいたり。


新しく建設されたところ。


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ちょっと離れにある、皇帝の書斎。目の前に素敵なお庭、そして不思議な静寂。なんだか懐かしいような、不思議な気分に。雨がしとしと降るフエで、こんな建物の中から書物を広げ、筆を持って書き物をしながら外を眺める・・・ちょっと素敵な光景かもしれません。


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空模様はだんだん怪しくなり、「フランスふう建築様式を取り入れた、当時の官僚のたてもの」にたどり着いたときには大降りに。石造りのお庭が広がる建物の入り口で、雨宿り。いつ止むともわからない雨の中、ぼーっ。別に急ぐわけでもないし、寒くも暑くもない、この不思議な空気の中で、まるで夢の中にでもいるよう。ふと、ドビュッシーの「雨の庭」という曲を思い出しました。この曲はおフランスのどっかの、雨に打たれたお庭を描いた曲だけれど、当時のおフランスといえばオリエンタル風味が大流行。そしてベトナムおフランスの植民地だったところ。この王宮の色合いも、なんだかそんな時代におフランス人が思い描いた東洋そのままのような感じだし・・・。いや多分、おフランス人のバックパッカーの男の子2人も一緒に雨宿りしていたからそんなことを思っただけ?


雨の庭。

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オリエンタリズム好きがお好きそうな、色使い。

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