愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

警察に電話


週末の朝、寒いのを我慢してしょぼしょぼとランニングに行こうかと家を出て5メートルほどいったところ、道端で年配のおばさんにつかまった。「あなた、携帯持っている?」使いたいのかな?と思ったら「今お宅の隣の建物に、変な男が窓から侵入していったから、警察に電話したほうがいいわよ」へっ?と思っているうちにおばはんは「私はもう教会に行かないといけないから」と行ってしまった・・・。ええっ・・。なんでそんな中途半端なよきサマリア人なの〜!


現在我が家の隣は、大規模なリモデリング中でアパート全体が空き家になっている。休みの日でもたまに工事の人が来て仕事をしてはいるけれども、今日は日曜日だし、トラックも来ていないし、音もしない。やっぱり侵入者?でも警察に電話するっていっても、私何も見てないよ?このままうっちゃって行こうかとも思ったのだけれど、建物自体は密接に隣り合っているので、下手をしたらうちのアパートにも窓を伝って侵入できるかもしれないし、それだけはいや〜!と、隣の家がある方向を見てみると、いた・・・。怪しい感じのおっさんが、隣の建物からふらふらと出てきた。何かほこりっぽーい感じ。果たして工事の人なのか、何なのか・・。何か誰かを待っているような感じで建物の前を行ったりきたり・・・。工事の人だったらいやだなぁと思ったが、といってこのままおいておいて我が家に入られたらいやだし・・・と、思い切って911に電話をした。


サンフランシスコに来てから警察に電話することが増えたのだけれど、結構気軽に(?)警察に電話するのは旦那のほう。私は警察に電話するってよっぽどおおごとじゃないとかけちゃいけないような気がして、びびってしまう・・・・。まあ普通はそう?


携帯から911に電話をすると、「緊急モード」というのになる。私の携帯は市外局番がカリフォルニア州のものではないけれど、ちゃんとサンフランシスコの警察につながった。「あのーですね、隣の空き家に変な男の人が侵入してるんですけど」「住所はどこですか」「あー、◎◎通りの××番地からかけてます。隣の住所はわからないんだけどうちが××だから△△かな多分・・」「あなたの家の右側、左側?」「あー左です」「その人などんな服装ですか」「3色のジャンパーを着てます。黒、青、赤・・でフードをかぶってて、黒のズボンで・・えー靴は黒・・」


結構人の特徴を言うのって難しい・・・。覚えているつもりでも、いざ口頭で言おうとするとうまく思い出せないもの。あまりに近くにいって、じーっと相手を見ながら電話なんてできないし・・・今は建物の前をうろうろしているおっさんから見えないように、道の角にまわってこっそり電話をしてるので、私のほうが怪しいかも・・・・。「人種は」「えーっと黒人ですね」「肌のトーンは」「(おおそんなことも聞くのか)どちらかというと薄いです」「ひげは」「生えてます、口の周りにぐるっと」「背の高さは」「(しまったインチじゃわからない)えーっと高いです・・」「どうやって家に入ったのですか」「えーっとあいている窓にジャンプして入ったみたいなことをきいたんですけど」「入ったところは見なかったんですか?」「ええ、教会に行くっていう通りがかりのおばさんが見たって・・あ、でも私は建物から出てくるのを見ました」「あなたのお名前は」「◎◎です」思い切っておっさんがいる道の向かい側にいってみると、その怪しいおっちゃんはアパートの階段に座ってじーっとしている。「あーまだいますねえ階段の上に座ってます」「今警官が向かってますから、電話を切らないで待っていてください」「(ええっジョギングに行きたかったのに・・でもしょうがないか・・)」「その人が行ってしまうようだったら、どの方向に行ったかわかるように見ていてください」「(ええっ見張るのか・・見られたらいやだなあ。しょうがないから自宅の入り口の角に隠れる)」でもものの1分もしないうちに警察がやって来たので「あー今来ましたよ」というと、「あ、私からも見えました」というので、カメラでもついてるのかな?と思いつつ、ありがとうといって電話を切った。


警察は、ゆっくりゆっくり、「なにを、しているの、かな?」みたいな感じでその人に近づいていっていたけれど、別に通報した人がその場にいなくてはいけない、というわけではないようだったし、逆に通報者の顔をそのおっさんにまじまじと見られるのはいやだなあと思ったので、とりあえず走りに出かけ、ついでに先に走りに出ていた旦那に電話をかけた。結局旦那が近くまで戻っていたので、途中で合流して家まで戻ってみると、警官がこのおっさんが敷地から出て行くのをじーっと見守っているところだった。おっさんは工事のビニールシートの下に自転車を隠していて、それを取り出しているところだった。しかしどさくさにまぎれてそのビニールシートも持っていっていた・・。この季節、やはり寒いからホームレスの人が空き家に入り込んだりするみたいだ。寒いのはお気の毒なのだけれど、しかしー、そんなところで火の不始末とかがあっても非常に問題だし、下手をすると、板を渡せば隣の家にも入り込んだりできるわけで、工事の人も戸締りをちゃんとしてくれよ・・という感じであった。別におっさんは捕まったりはせず、出ておゆき、といわれただけだったのだけれど、実はおっさんに顔を見られていて、あとで恨みに思われたらいやだなあ・・とちょっとどきどきした。


携帯を切ったあとも、気がついたらまだ電話が「緊急モード」になっていた。もう一度ちゃんと終了しないと、緊急モードのままらしい。気をつけねば。