愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

チェックイン・チェックアウト

会社で、2週間に1回、お昼ご飯を持って集まって、ある本についてディスカッションする「ブッククラブ」というのが始まって、この日が1日目だった。ブッククラブとは(日本にはあるのかな)・・・、みんなで本を選んでそれを読んでから集まり、感想を述べたり意見交換をする集まり。本屋さんなんかに行くと、よくブッククラブのお知らせが張ってあったりする。ジャンルは色々だけれど、ここは会社なので、読んでいる本はもちろんビジネスの本。2週間ほど前に本をもらって、この日までに第1章を読んどけ、ということだった。もちろんぎりぎりまで読まなかった(笑)。


留学生としてアメリカに来た最初のころは、ディスカッションが苦手で、貝のように押し黙っていた時期もあった。何か言うからには、しっかり予習をして、すごいちゃんとしたことを言わないといけないのでは・・と思っていたので。そして立派なことを言うほど予習もしていなかったので(笑)。でもしばらくしてこっちの学生は結構適当にしゃべりながら考えをまとめてるんだなぁー、結構何でも言ってOKなんだなと気づいて、多少は気分が楽にはなったけれど、やはりディスカッションでは必要以上に話すほうではなかった。


でも今の会社に入ってからは、それなりに言いたいことが言えるようになってきたみたい。特にここで気に入っているのは、大きなミーティングとか、トレーニングとかの時にする「チェックイン」。ミーティングの前に、まずは自己紹介をして、それからこのミーティングにどんなことを期待しているかをそれぞれが言う・・というのはよくあるけれど、この「チェックイン」では、それと同時に「今まさに現在自分が考えていること・自分の今の状態」もあわせて言うことになっている。それは本当に仕事と関係ないことでもなんでもよくて、「昼ごはんを食べ過ぎてしまって眠い・・しかも歯に食べ物はさまっていてとれない」とか「娘が最近マリファナに興味を持ち出して今心配してるんです」とか、「バンドの公演が近くて練習が立て込んでいて今そのことで頭がいっぱい」とか、本当に好き勝手に今現在頭の中にあることを、正直に言う。


最初にこの「チェックイン」をやったときには、へーなんでこんなことを?と思ったのだけれど、これをやると、なんとなく気持ちが軽くなって、「こんなこと言ったら変と思われるかな」とか、そういう心配がすっと無くなるのが不思議。この「チェックイン」があるミーティングだと、たとえ宿題をちゃんとやってこなかったとしても、「この本、朝バスの中で半分寝ながら読んだんだけど、その中でも思ったことは・・・」って、自分のできる範囲で正直に話をすることができる。気負いが無くなるんでしょうか。


そしてどんなに自分でこれはしょぼいかな、と思う考えでも、話し合っているうちに、もっと明確な形になっていったり、新しい発見につながる、というのもいまさらながらわかってきた(きっと昔は、みんなと意見交換するのではなくて、みんなに演説しようとしてたんでしょうね・・・)。このチェックインがあると、少なくとも、ディスカッションの間中に腰が引けて何も言わず、後で「ああ、あの時これを言って置けばよかった・・」というようなことがなくなり、気持ち全開で話し合いに参加することができるようになるような気がします。ミーティングを終えるときには、「チェックアウト」もあります。同じように、このミーティングをどう思ったか正直に話するの。ミーティングが「しーん」となりがちなグループには、チェックイン、チェックアウト、オススメかもしれません。


みんなで読んでいる本はこちら。今さらこんな学生みたいなことするなんて、たるいなぁ、とか思っていたのだけれど、一人で本を読んで自己完結するより、みんなで1章ごとに読みすすめて、じっくり話し合うというのもなかなか良い経験と再認識。



日々の行動、人とのコミュニケーションのとり方、仕事の進め方・・・時になーなーになってしまうことを、いかに「意識を持って」かかわっていくか・・・そしてそれがいかに違いを生むか、ということを説いた本。これは私の勝手な例だけれど、舞台に立つ前に深呼吸をしたり、人という字を手のひらに書いて飲んだり・・というのも、ある意味舞台に立つ不安を積極的に解消していこうという意識的な行動だったりするわけで・・。そういった感じのことが書かれております(多分)。今回のセッションで思ったのは、「シャワーのところにホワイトボードを設置するのはいいかもしれない(シャワーとか、トイレとか、無意識の行動をしているときに、結構良い案が浮かんだりしませんか?)」