愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

中秋の名月


18日日曜日、私たちの周りのチャイニーズ・アメリカンの知り合い全員が、わけのわからないまま両親に召集されていた。私も、熱は収まったものの、突然襲ってくる胃の差込みに耐えながら、両親の家へ。そう、18日は本当の中秋節だったのだ。


この日は家族で集まり、食後に月餅を食べる。幸いパパの中華料理はギトギトしていないため、炭酸水を飲みながら少しご飯を食べることができた。そして恐怖の月餅タイム。


月餅、習慣として食べることになってはいるけれど、実は私はこれ、あまり好きではない。あのこてっとした甘さは、特に若いチャイニーズの間でもそれほど人気が高いというわけではない。アメリカの場合、クリスマスにもらっても、嬉しくないギフトナンバーワンのフルーツ・ケーキのような存在かもしれない。


両親はミルピタスにあるという、「ベイエリアで一番美味しい、一個7ドルもする」という月餅と、SF市内のチャイナタウンの月餅を用意していた。真ん中に卵の黄身、あとは蓮の実のペーストなどが入ったものと、そして7ドルのスペシャル月餅は何と「ナッツと、バージニアハム入り」であった。は、ハム?!とおそるおそる食べると、中には台湾でよく出てくる、感想した豚肉の繊維のようなものと、ナッツやゴマがたっぷり入った餡がぎっしり詰まっていた。うーん、これなら・・・いける、かな?中がアイスクリームの月餅だったら、喜んで食べるのになぁ。今年の月餅は一かじりで終わらせようと思ったものの、両親の猛烈な食べろ食べろ攻撃の前ではその決意も見事玉砕に終わったのだった。


帰りには、庭でもいだトマトを山盛り、そしてパパが丹精込めて育てた、ジャスミンのような、むっとするようなにおいのする小さな花がついた枝をもらった。「Night Flower」といっていたが、夜に咲き、日中は小さな花は閉じてしまう。花瓶にさしておいたら翌朝、リビングにはむんむんと花の香りが、そして小さな花は言われたとおり花びらを閉じて眠っていた。


今の両親の家で迎える中秋節もこれで終わり。若い私たちは、両親の招集がないと、季節ごとの節句のことなど全く忘れてしまっている。私たちの子供の代には、日本の習慣も、中国の習慣も、どれだけ残っているのだろう。私たちが歳をとっても、親戚従兄弟みんながわいわい集まるような家族が続いていればいいのだけれど。