愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ゴゾ島

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(6月1日には既にアメリカに戻っていたのですが、トピックごとに書いていたら日にちがずれてしまった・・・でも時差ぼけと残業でたいしたことはしてなかったので、引き続きマルタ島について)


マルタは本島であるマルタ島、そしてそのとなりにあるゴゾ島、そして2島をはさんだ無人島コミノ島の3つからなる国です。ゴゾ島はマルタの食料庫、農業を中心にした、マルタ本島よりもさらに田舎の、のーんびりした島。海もきれいで、マルタ人もここにバカンスに来ます。


マルタからはフェリーで20分ほど。ここのひなびた海水浴地マルシャフォーンというところで、家族経営の民宿に3泊ほどしました。旦那も私も、本島よりもゴゾ島のほうがだいぶ気に入りました。もう少し長くいたかったなあ。到着したのはかなり夜遅かったのだけれど、(シートベル無しの)トラックでママと息子が迎えに来てくれました。フェリー乗り場も、夜は人が少なくちょっと怖いかな、と思ったのだけれど、おまわりさんがうろうろしていて、「迎えは来るのか、電話番号があれば電話してあげるから教えなさい」と心配してくれたり親切でした。


民宿の家族もシャイですが良い人たちでした。運転して迎えに来てくれたママと息子ジョセフは「ゴゾはマルタともだいぶ違うでしょ、ほら、これがゴゾのスカイスクレイパーよ」・・・と3階建ての建物を指差したり。アメリカから来た、というと、「おー、カリフォルニアとニューヨークに親戚がいるよ」とのこと。


マルタは昔はイギリス海軍が駐留しており、農業、観光といった産業のほかに造船や軍関係の雇用がたくさんありましたが、イギリス軍が引き上げて雇用に大きな影響がでました。戦後、オーストラリアやアメリカ、カナダに移住していったマルタ人は多く、今では海外在住のマルタ人のほうが、マルタ本国に住むマルタ人よりも多いとのこと。マルタで読んだ新聞によると、失業者は約8000人、率にすると6%ほどだそうです。


ここのレストラン付民宿は父ちゃん母ちゃん、そしてシャイで女の子のような弱弱しい握手をする息子2人が主にやりくりしているようで、この他に不動産も持っているようでした。でもニューヨークにいるという従姉妹は、やはりマルタで職がなく、より良い生活を求めてボーイフレンドのいるアメリカに渡ったということですが、何でも不法滞在なんだと。そしてベビーシッターをやって暮らしているとのことでした。


ここの暮らしはのんびりしていていいよね〜、ニューヨークは楽しい街だけど、せかせかしてるし・・・、従姉妹はゴゾが懐かしくなったりしないのかね〜、なんて話していたのですが、「ニューヨークに行ったこと無いからわかんないけど、だといってここの生活がそんなにいいかもわかんない。結局従姉妹はもっといい生活をしたかったから行った訳だし」とのこと。ただただのどかな田舎でゆっくり楽しく生活してていいねーなんて呑気な幻想を抱いてるのは私たちだけかもーなんて思いました。