愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

 脳みそと胃袋の戦い


特に理由は無いのですが、同僚Mちゃんと「プチ断食をやってみよう」ということになり、3日間の断食を敢行。


1日目〜今日から断食か!と思うと、すごーく嫌な気持ちに(笑)Yayakoさんのブログでも、断食したときのことが書いてあって、はじめる日は朝から嫌だった・・っていうくだりがあったと思うのですが、それを読んだときは「ええそんなに?」と思っていたものの、実際自分がやるとなると、本当にブルー。でも朝ごはんは普通に食べる。


昼は普段の半分の量。でもカフェテリアのご飯が美味しくて、これを普段の半分しか食べられないなんて・・。ご飯お皿に山盛り。Mちゃんは何とかそれを半分だけ食べる。でもデザートも食べたくなる。いかん、いかんよ。「少なくとも」普段よりは少なめに食べた。あとは水を飲んだり、ハーブティーを飲んだり。とりあえず食べているから、お腹はすかないのだけれど、あまり食べられない・・という制約があるからか、どうしても何か食べたいと思ってしまう。


夜は量をさらに減らす・・・うむむ!家では旦那が残り物のスープを温めているのでちょっともらう。そのままフルートのレッスンに行き、また家に帰ってから「これでしばらく固形物とはおさらばだから・・」と未練たらたらで、ちょっとだけ残っていたパスタを茹でて食べる。


2日目〜朝、断食ということを忘れていた旦那がどーん!とオートミールを用意している。うわーん、食べられないよ!でも朝はそんなにお腹もすいておらず、まあ大丈夫かなという感じ。会社にあるNaked Juiceを飲む。栄養はものすごくたっぷり。


昼、なんと酷なことにランチミーティングが入っていた!Mちゃんと出席。カフェテリアからのにおいに、「ううう」となるも、にんじんジュースをちびりちびりとやる。結構野菜の甘みが美味しい。水分や野菜ジュースでお腹がだぼだぼになっているので、結構平気かも。しかし私達が断食しているのを知っていて、「そうだ!カフェテリアでお寿司ももらってこよう〜っと♪」といって席を立つと同時に食べかけの皿を私達のほうにずずずっと押しやる輩が一名。殺す!


何とか持ちこたえるが、午後になると禁断症状が。断食、週末にやることが多いらしいけど、週末こそ美味しいものが食べたいし、仕事をしていれば気がまぎれるかなと思ったのだけれど、自分のデスクに戻っても、デスクでランチをとる同僚も多くて美味しそうなにおいがぷーんと・・・。食べた容器をゴミ箱に捨てるから、食べ終わってもずっと誰かのランチのトマトソースのにおいが・・・。自分のPC内の写真や、自分がアクセスしたウェブサイトの写真がスライドショーで表示されるガジェットを入れているのだけれども、表示されるのは食べ物の写真ばかり。きぃー!!


あまり甘いものが好きではないので、野菜ジュースとかを飲んでいても、その甘さが口の中に広がるのがすごく嫌な感じ。何か塩系のものがほしい・・・チキンスープとかだったらいいだろうか?醤油をなめようか?などと思ってしまう。しかし同僚の一人に「砂糖は脳に必要だからしょうがないけど、塩を摂ったらデトックスにならないんじゃないの?」といわれて断念する。途中でちょっと頭が痛くなって、断食そのものを断念しようかとも思うがなんとか持ちこたえる。お腹がすいているというよりは(ジュースとかは飲んでいるので)ほとんど自分との闘い状態。Mちゃんと社内のチャットプログラムを通じてはげましあう。


夜は家に帰って、食べ物関係の番組だけは見るまいと思う。今日一日断食をして、仕事中はコンピューターの前でだれーっとしていたが、家に帰ったらとたんに元気になる。ご飯を食べなくていいので、あいた時間にちょっと台所やトイレの掃除をする。旦那が腹の足しにとスパークリングウォーターを買ってきてくれた。旦那もあまりお腹が空いていないのというので、旦那の夕飯はサラダと、旦那お手製の鳥のレバーのパテ(ソーセージのほかにもパテも自分で作り始めた・・・)。後はひたすら、録画していたテレビ番組(食べものとは関係ない)を見る。しかしなぜか、料理本を読むという自分を拷問にかけるようなことをしてしまう。でもとりあえず、水分を取っているので飢餓状態というわけではなく、気持ちの問題なのでまあなんとか平気。「映画に出てくる料理の本」という本なので、ここに出てくる映画をNetflix(オンラインビデオレンタル)のQueueに追加する。旦那が何を思ったか、先日買った中東アイスクリームを私の横で食べ初めてちょっと切れる。


さあ!あとは寝るだけ!朝目が覚めたら、ものが食べられる!なんてエキサイティングな!と喜び勇んで寝る。しかし20分ぐらい目がさえて眠れず。寝ている間にだいぶ食べ物の夢を見た。おきぬけには、「がりがり君ソーダ味」を食べる夢を見た。あの水色のアイスが目の前に・・・。


3日目〜この日は朝、お粥などを食べても良い。すっごい楽しみにしていたのだけれど、朝起きるとお腹は空いていないし、何かあまり食べ物への執着がなくなっている。昨日は昼間、ハンバーガーとかパスタとかいろんな食べ物が妄想のように頭の中をよぎっていたのに。今日もまた一日、野菜ジュースだけでもいいかな、なんて思っている。お粥は無いので、オートミールを少量いただく。何もかけていないプレーンなオートミールなのに・・・甘い!美味しい!味がはっきりくっきりわかる!これはすごい。やはり人間、毎日いろんなものを食べまくっていると、色々なものが鈍ってくるのだろうか。食べ物をよりありがたく感じる。


しかし本当に少量だったので、会社に着いたらまたお腹が空いてしまう。それでまた調子にのって、オートミールを食べる。ついでに、イチゴヨーグルト味のシリアルもちょっと食べてしまう。そうするとうおっ、人工いちごの味がすっごいよくわかる!!昔のいちごポッキーみたいな味が、鼻の奥、脳の裏側まで来る感じ。そんな感じで調子に乗ってしまったので、ちょっとお腹が「うっぷ」という感じになってしまった。はっ、しまった、少しずつ食べ始めないといけないのに。もともと得意でない砂糖分にも敏感になっているみたいで、砂糖の味がきんきん口と頭にこたえる。


お昼は、うどんをいただく。さっぱりおつゆで、つるつるっと〜・・と思っていたのだが、アメリカ人が作るうどんのスープは油っぽすぎた。茹でただけのグリーンピースがうまい。デザートにムースがあったけれど、砂糖が強すぎてきーん。二口ぐらいしか食べられない。


午後になると、カフェテリアの人が、軽食(サンドイッチとか、お茶とか)を積んだカートを押して私達のフロアに来てくれる。これはすごく危険・・・。しかし誘惑に負けてクリームチーズのサンドイッチをもらう。するとこれがまた味がすごく強い・・・午後はずっと口の中に食べ物の強い風味が残って、ちょっといやな感じ。ここのカフェテリアのご飯、思ったよりも味が濃いのだな。何か薄味を求めている感じ。おそうめんとか、つるつるっと食べたい・・・。


夜はお豆腐のお味噌汁。豆腐がすごく美味しい〜。旦那がおまけにかまぼこやすり身もつけてくれたが、これはちょっと塩っぽい。でもこれが一番ほっとした。やっぱり家のご飯が一番?!


ダイエットのためというよりは、普段美味しいものを食べ過ぎて、お腹が減らないこともあったりで、ちょっとデトックスに・・みたいな感じでやった断食、ちょっと3日目に調子に乗って食べてしまったのは不正解だったけれど、食べ物に対する味覚がすごく鋭くなったのと、食べることのありがたさを再認識できるたのはすごおおく、よかった。そして、会社のカフェテリア、美味しいんだけど自分の口にはやっぱりあんまりあってないのかも、ということもわかった。やっぱり、人間限られた回数しか食事ができないんだから、やっぱり美味しいものが食べたいよなあ・・!これからは食べることにもっとこだわってしまいそう。

不正解はぼっしゅーと


通勤時間が長いので(往復3時間ぐらい)、バスの中でこのブログを書いたり、読書したり新聞読んだり、音楽を聴いたり・・・と、自分の楽しみのための時間に使っている。最近は、借りたDVDをコンピューターで見ることも多くて、結構映画を見るようになった。これだと映画の世界に引き込まれるから、渋滞にいらいらすることも無い。断食中に見た映画:


クイズ・ショウ [DVD]

クイズ・ショウ [DVD]


1960年代だかに、本当にアメリカであった、クイズ番組にまつわるスキャンダルの周辺を描いた映画。クイズ番組の解答者が、実は事前に答えを知っていて、すべてがやらせだったということが実際にあって、連邦政府の調査が入ったことがあったそうな。当時のセットや衣装もよく、(なぜか出ているスコセッシを除く)演技もよく、とても見やすい映画。やらせにかかわってしまった解答者(コロンビアの教授でニューヨークのBlue Blood、とってもチャーミング)をスケープゴートにするのではなく、本当はテレビそのものをクリーンにすることが目的だったはずなのに、結局テレビはそのまま今もきてしまっているのだな・・


この映画には「ルーベンサンドイッチ」を食べるシーンがあったり、家族でピクニックランチをするシーンがあったり、そして何より、解答者が心に葛藤を持ちながら、両親の家のキッチンで牛乳と一緒にチョコレートケーキを食べるシーンがあって、その美味しそうなこと・・・断食中だったのでつい食べ物にも目がいってしまった・・・