愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

断捨離悲喜こもごも。

海外引っ越しをするにあたり、家のものをずいぶん処分した。

ガレージセールもやってみたが、これは一番時間をとる割に、買いにくる人の財布の紐が硬いのでなかなか売れない。客は3ドル以上は払う気がないと考えてよい。大きな家具はこの方法では売れない。子供の自転車がかろうじて20ドルで売れた。6時間ぐらい売り続けて、総額売り上げは80ドル。

次はCraigslist. 不特定多数に向けて広告が打てる。ガレージに眠っていたストローラーを売りに出してみたが、欲しいと連絡してきてもそのあと音信不通になったり、「お金がないのでタダでくれ」とメルカリユーザーもびっくりな連絡が来たりして、嫌になってやめてしまった。

次はご近所サイトNextdoor。地域住民だけが登録できるサイトなので、身元がわかって安心。広告を出したい地域も指定することができるが、これは当たり外れがあり、売れたり売れなかったりだった。それでもまあ、衣装ケースとか、マタニティの服セットとか、ぼちぼち処理することができた。

引っ越しまであと1ヶ月半を切ったところで少し焦り始める。子供の同級生のお母さんにこぼしたところ、町内でやっている紹介制のスワップグループに招待してくれた。これはFacebookの中にできているグループで、メンバーの紹介がないと入れないので、さらに信頼度が高い。

結局このグループがすごくて、ほとんどのモノはここで売りさばくことが出来た。売りたいものの写真を撮って、値段をつけてグループにポストすると、購買希望者がポストにコメントを残してくれるので、そこからプライベートメッセージで受け渡しの日や住所のやりとりをする。

どこかで待ち合わせをしたり、家に取りに来てもらってもよいが、特に素晴らしいのが、「ポーチピックアップ」という受け渡し方法。購入希望者が出てきたら、自分の家の玄関ポーチに商品を置いておき、住所を教えて勝手に取りに来てもらう。お金は玄関マットの下か、郵便ポストに入れて置いてもらう。

比較的安全なわが町だからこそできるのかもしれないが、早い時は広告を出して5分以内に買い手がつき、あとは家の外にモノを置いておけば勝手に取りに来てポストにカタン、とお金が入っているので、楽なことこの上なかった。

特に引っ越し2週間前にはテレビ、カーペット、子供の勉強机にベッドフレームに本棚・・と大きいものが数時間で全部売れた。

それこそハエたたきや買い物袋、プラスチックのフォークやナイフなんていう超細かいものも売り続け、結局断捨離して得た総額は1600ドル。

アパートの次の入居者に、洗濯機や大きめの家具などを売りつけたものあるが、それこそ2−3ドルの細かいものもコツコツ売っての結果。しかしコツコツやりすぎてかなり消耗してしまったことは間違いない。

掘っても掘っても出てくるモノの多さ。捨てるべきなのかどうするべきなのか、判断に迷ってしまい頭がおかしくなりそうになったこともあった。購入希望者の気が変わることもあるし、数ドルのために右往左往するのもアホらしくなりしんどくなった。

もうそんなの捨てれば良いと思っても、好きなだけゴミ集積場に積み上げれば良いというわけにもいかない。ここでは、一家に一台ある大きなゴミ箱に入る量しか捨てることができないので、一度に捨てられる量も決まっている。そう気軽に捨てることもできない。本当に疲れた。

結局最後の最後、引っ越し業者が来る直前に残された様々なモノは、売る気力も無くなったので、家の前に置いておくからもってけドロボー!と住所と写真をポストしておいたら、ものの10分ほどで色々なモノが無くなっていた。本当はもっと計画的に頑張って売ったら、2000ドルぐらいにはなっていたのかもしれないが、もう精魂尽き果てた。

ちなみに、今回色々売ってみて、売れ筋商品と売れにくい商品はこんな感じだった。

なかなか売れないもの

  • 大型ベッド、クリブ
  • 新生児用の服(もう少し年齢が上がると売れる。特にドレス系)
  • 大人の服
  • マットレス(これは慈善団体にもって行っても受け付けてくれないし、最後まで難儀した。ギリギリ引っ越し前に無料でようやくもって行ってくれる人がいた)

ほぼ秒速で売れたもの

  • ガーデニング関係のもの(植木も含む)
  • ドレッサー(他の写真に写り込んでいたドレッサーを、これも売ってくれない?!と連絡してきた人さえいた)

板はこんなの。ベッドの下に5枚ほどあった。みんなDIYで使うらしい。

ちなみにこのスワップグループでは、時々「熟れすぎたバナナ」が売りに出る。が、バナナブレッドを焼くなどに需要があるらしく、結構すぐに買い手がつく。中には、「誰か熟れすぎたバナナありませんか?」なんてポストが出ることもあった(笑)何にでも需要と供給はあるようで・・・。

それにしても今回、自分の周りのモノの多さにただただげんなりし、神経をやられる結果となった。引っ越しを繰り返す人は、こういうのをそぎ落とすのが上手になるんだろうな。アメリカに来た20年前はスーツケース1個だったのに・・。今までどれだけいらんものにお金を使っていたんだと思うと、本当に嫌になってしまった。