愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

【室内楽ワークショップ】楽しい音楽の時間再び

1月から始まった室内楽ワークショップもとうとう終盤。発表会直前に子供が熱を出して練習を一度休み、本番穴を開けるようなことになったらどないしよ・・と思ったものの、なんとか発表会前には持ち直してやれやれでした。

後半の練習は、細かいフレーズの確認。でも細かくやりすぎて全体のバランスを見失わないように仕上げていくという作業。

同じ曲をこれだけ長くやっていたので、先生も含め皆、この曲のフレーズがいきなりフラッシュバックして頭の中でぐるぐる離れない、という症状に悩まされました(苦笑)。

今回のメンバーは、結構言いたいことを気軽に言える感じだったので、後半は自分でも後悔しないよう、思ったことや音楽的意見はどんどん言っていきました。自分でもこんだけ色々言えるんだなーと感心したぐらい。

そして迎えた本番は、トリでの演奏でした。

他のグループはバッハ、モーツァルトシューベルトとドイツものばかりだった中で、なぜか私達だけおフランスの近代曲(笑)。ちょっと趣向が浮いていましたが、思ったよりうまくまとまり、結構満足のいく仕上がりに。

発表会後のレセプションでは、色々な方からまた口々に褒めていただき、こういう時ってThank you以外になんて言ったら良いのだろう・・と、ファンに声をかけられる芸能人の気持ちがちょっとわかった(大げさw)。

特に練習を初めて後半、バイオリンの人の上達度が目覚ましく、本番が一番ピークの素敵な音を出してくれました。彼女もしばらく楽器を触っていなかったとのことで、最初の頃はだいたい途中で止められて色々指導されていたのは彼女だったのですが、舞台でとてもうっとりするような音が出て、一緒に演奏していてとても楽しかったです。

こういう演奏会の後って、ああすればよかったこうすればよかったと、自己批判というか反省ばかりしがち。実際、クラシックを演奏する人って、アメリカ人でも意外にそういう感じで演奏後にブツブツ自分に対する文句を言う人も多いのですが、今回は演奏する側も聴く側もずいぶん楽しめたので、そういうことは考えないでいいや、と思えるぐらいではありました。

でも後で録画を確認してみると、色々反省点は出てくるもの。今回のワークショップ全体、他のグループの演奏、自分たちの演奏から今回学んだこと、課題の自分用覚え書き。

  • 本番直前にテンポの確認をすること。本番になると緊張から必ず何かが崩れる、特にテンポは急に早くなるか遅くなるかのどちらか。前日にその話し合いはして、確認してはあったのだが、やはり本番になったら急にテンポが遅くなり、息が続かないかと思ったw。舞台袖でメンバーにリマインドするの大事。
  • アイコンタクトをしっかり。アンサンブルなのに、楽譜に顔を埋めて仲間の顔を見ないグループは結構多い。みんなでジャムる楽しさを伝えるためにも、楽譜より相手を見て一緒にタイミングを合わせること大事。フルートはリードする側なので、今回はこれを意識的にやり、よくできました。
  • クラシック音楽でもビジュアルパフォーマンスって大事だなと最近思う。音だけでわかってもらうのではなく、体の動きも合わせてパフォーマンスにしないといけないのではないかと。クラシックの場合、演奏者が自然に音楽に入り込んでいる姿を見せられれば良いと言う考えもあるかもしれないが、特に複数のアンサンブルの場合は、多少動きや、ある意味「振り付け」的なものを事前に打ち合わせしておくと、総合的に良い演奏になるんじゃないかと思った。衣装もしかり。
  • 音を置きにいかない。アイコンタクトの問題ともからめ、やはり楽譜に顔を埋める演奏は、アンサンブル相手にもお客にも語りかけない感じになり、単調になりがち、気をつけよう。
  • あれだけ色々表現を気にしていても、本番、広い会場で音を埋めようと思うと、吹き込みすぎて息が続かなくなりそうになったり、あれだけ計算していたダイナミクスがうまく表現仕切れず、単調に聞こえてしまったり。自分の思っているより200倍ぐらい大げさにやらないと、伝わらない。
  • 失敗しようが何しようが、自信を持って楽しく演奏した方がお客さんも聴いていて楽しい。自信がなくてもあるような演技をするの大事!音楽もパフォーマンス、演技なんですな!

と言うことで、久しぶりの楽しい室内楽の時間はおしまい。次は何をしようかな・・・?