愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

テムズ川で30年続くボートレース

ロンドンと一口に言ってもとても広いですが、そんなロンドンをくねくねと流れるテムズ川で行われるボートレースを観に行きました。

https://www.greatriverrace.co.uk/www.greatriverrace.co.uk

1988年に始まったというこのレース、全長34キロほどあるコースを競います。船は、オールやパドルを使った手漕ぎボードであれば、どんなものでもオッケー。本気でタイムを競う競技志向のチームもあれば、仮装してワイワイ楽しくやるチームまで色々。

スタートは川の東、グリニッジ。ゴールは南西にあるハムという場所。今回はこのハムのゴール近くにある街、リッチモンドの川沿いまで行き、まずは観戦です。

観戦というよりは、ほぼ見物?

すーっとボートがやってきます。みなさん、声援をかけるわけでもなく、川沿いの芝生でピクニックしたりビールを飲んだりしつつ、黙って静かに観ているのが印象的です。

橋の上からも見物。見切れている白いボートは、パーティーボート。この大きなボートの甲板は人が鈴なり。みんなお酒飲みながら観戦していました。

大昔に、チームに入ってドラゴンボートとアウトリガーをやった経験があるのですが、この長距離をドラゴンボートで漕ぐのはつらいよねぇ、なんて話をしていたら、向こうから太鼓の音とともに掛け声が聞こえて来た・・

と思ったら来た来た、ドラゴンボート!後ろの船がそうです。前のボートと比べるとわかると思うのですが、まず乗っている人がすごく多い。そしてこの人数を安定して乗せているだけあって、船底が四角い。だから抵抗も大きいんだと思います。で、太鼓の音に合わせて一生懸命漕ぐんですが、感覚としてはぐっ、ぐっ、としか前に進まない感じで、自分でやっていても効率が悪いよなぁこれ・・と思っていたものでした。

実際ハワイのアウトリガーなどは少ない人数で漕いでも飛ぶように進むのです。さすがにこういうものを使って太平洋の島々を渡っていただけはある・・・

他にも船の種類は良くわからないのですが、4人位で漕いでいるチームもありました。

参加しているチームの国籍も色々で、パレスチナ男女混合チームもあり、女の人はみんなヒジャブ着用で漕いでました。バイキングの仮装している人もあれば、みなさんいろんな国の旗を立てて漕いでいました。

リッチモンドからゴール地点のハムまでは歩いていけます。川沿いにずーっと遊歩道があり、そこを歩いて行ったのですが、テムズ川の風景って、本当に美術館の風景画で見るような佇まい。何が違うんだろう、周辺の木かな。

川とは逆の方向に歩いていくと、リッチモンドパークというとても広い「公園」に出ます。お散歩でしょうか、そちらに向かう人たちも。ご覧の通り、とにかく何もない広い広いスペース。ここはもともと貴族の狩猟場だったところだそうです。地図を見るとちょっと郊外に出ると大きな公園があったりしますが、そういうものの名残なんですねぇ。またこういうところは、リードをつけなくても一緒にたったと歩いている賢そうな犬にもたくさん出会います。

ゴール地点、みなさん声援を送ったりしています。すでにゴールし終わって、逆方向に漕ぎ出して帰っていく人たちも。まさかさらに30キロちょっと漕ぐわけではないよね・・?

そしてゴール地点ではこんな大砲がドカンドカンと!イベント用のテントや屋台も立ち並び、ちょっとお祭り風になっています。大砲がなる後ろではバイオリンで民謡が演奏されていて、ああ、イギリスだ・・・と今まで3ヶ月住んで特に何も思わなかったのに、変な感慨に一瞬包まれました。

会場には子供が遊ぶエリアもあり、そこではお約束のこれも・・

パンチ&ジュディー。それこそ17世紀位からある人形劇で、内容はだいたいドリフです。左のパンチというキャラクターが悪さをしたりするのを、志村後ろ〜!!と子供たちが騒ぐのがお約束。さらにこの人形、こん棒を持ち出して相手を滅多打ちにするかなり暴力的なシーンもお約束なのですが、その伝統は21世紀になっても脈々と続いておりました・・。

レースを終えた大人たちはビール売り場に群がり、芝生に寝転がったりご飯を食べたり。私達はレースの終わりの方に行ったからでしょうか、参加者は結構年齢層が高くて60代っぽい人たちばかりでした。さらに驚いたのが、レースを終えてタバコに火をつけ一服してる人が結構いたこと!喫煙人口まだまだ高いイギリス、昔のアスリートはタバコ吸ってたとか言いますけど、健康なんだか不健康なんだか・・

https://www.instagram.com/p/BnhVMYNFAtw/

ハムにはナショナル・トラストになっているハムハウスというお屋敷もあります。1610年に建てらたこのお屋敷、もともとはロイヤルファミリーのものがその後なんとか伯爵家に受け継がれたもの。戦争中の空爆でかなりダメージを受けたそうですが、その後国に寄付されて修復され、一般に公開されるようになったとか。中を見たかったのですが閉館間際で時間切れ。また今度ね。

そういえばボートレースに総合優勝したのはCornish Pilot Gigという種類の船で参加したチームでした。6人で漕ぐらしい。そして2位はアウトリガーのチーム。アウトリガーのチーム、タイムだけ見るとやはりダントツ早く、2時間12分。でも船のクラスごとにハンディキャップがついているようで、タイムは一番でしたが総合では2位でした。さらに驚いたことにドラゴンボートでタイムで3位に入っているチームがありました。きっとレースが終わって、腕がガッチガチに痛くなったのではないかな・・

このレース、船がなくても貸し出してくれたりするそうで、大人は参加費1人50ポンドちょっとだそうです。楽しそう?いや、やっぱり34キロは辛そう・・