愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ロンドン2016 ⑨ ロンドンの歴史を知る博物館

ロンドンの街を歩いていると、ここでブラタモリまがいのことをしたらすごく面白いだろうな・・と思うことしばしば。
 
ちょっと歩くと街の表情がぱっと変わりますし、これは馬車道だったんだろうと簡単に想像できるような細い道、昔の名残を物語るような地名・・。興味はつきないんですが、歩いても待ち構えていて説明してくれる人がいないのがもどかしい!!
 
というわけで、ロンドンの歴史を知りたければ、オススメなのがMuseum of London。ロンドンそのものを知るための博物館です。
 
バービカンという、ある年齢の人はつい宝酒造のアレを思い出してしまう駅名が最寄りです。
 
私はバービカンじゃなくて、Moorgateというちょっと離れた駅から歩いたのですが、なぜかこの駅で、去年ロンドン・キッザニアに行った時にチョコレート工場を担当していたスタッフの人とすれ違いましたwwいくつも写真に写り込んでいたのを見ていたら顔覚えてしまっていた・・。
 
このあたりは近代的なビルが立ち並ぶオフィス街ですが、博物館の住所は150 London Wall。ずばり、2〜3世紀、ローマ時代に作られた防御用の壁がまだ残っている場所に立っています。
 
当時のロンドンは、「ロンドニウム」。まだロンドンがロンドンじゃなかった時代からの、すごい古いエリアなんですねぇ。

 


この博物館も無料です。どこまでも太っ腹なロンドン。

ローマ時代以前、まだロンドンが存在する前にあった遺跡、青銅器時代からの展示から始まります。

 
様々な移民が集まり多民族国家となっている現在のイギリス。でもこうやって長い歴史を見てみると、ローマから移民はくるわ、アングロ・サクソン人ももとはドイツやら別の場所から来た人達だし、と思えばノルマン人がやってくるし、ケルト系やらもいるし、イギリス人言ってもなんやら昔から色んな人が色んなところから来てごちゃ混ぜになってできたところなんだなぁ・・・というのがざっくりした感想でした。
 
これは最古のロンドンの地図。銅板が他の出版物用に再利用されていたらしく、裏を見てみたらロンドンの地図だったんだそう。今でもある通りの名前などをしつこくしつこく見てしまった。

 

 
ロンドン橋も形は違えど昔からあるんですが、処刑された犯罪者の生首が、見せしめのために橋の上にまるで針山かケーキポップのようにグサグサ刺してあるのが何とも・・(苦笑)
 
展示は先史時代のロンドン、ローマ時代、中世、大火やペストも含む動乱の時代、産業革命期、二度の大戦期、そして現代の7部構成。どれも世界史で一通りカバーしたはずなのですが、大人になってから見るとへーーー、こういうことだったのかと目新しく、特に今までピンと来なかった産業革命以前のイギリス、というかロンドンの部分をえらくじっくりと見てしまいました。
 
産業革命期以降は都市の貧困問題など、様々な社会問題が浮き出てくるのが印象的。当時は社会保障なんかあるわけもないので、見ていてかなり悲惨な状況だったことがわかります。第一次、第二次世界大戦中は、日本のように子供が疎開したり、空襲の様子なども。
 
今は煉瓦や石造り風の建物が並ぶロンドンですが、何度か大火に見舞われています。その中でも1666年のロンドン大火は、当時はまだ茅葺きだったり燃えやすい材質で家が建てられていたので、被害も大きく、中世のロンドンがこれで消失し、新たなロンドンが再建されるきっかけにもなった出来事だったようです。
 
そのころの様子が、今だに子供の歌として歌い継がれていて、子供も学校でロンドンの火事の歌を習ってきていました。
 
それにしてもグラフィックデザインがいちいちカワイイロンドン。

 

 
ロンドンオリンピックの聖火台も展示されていました。これ一個一個手作りで全部微妙に形が違い、またスペアが無かったんだって。

 

 

近代のところでは「ロンドンブーツ」の展示もあったよw

バスや電車に乗っていると、いわゆる白人、アングロ・サクソン系の「イギリス人」のほうが少ないなと感じるロンドンですが、1991年に初めて国勢調査で人種構成を調べるようになったんだそうです。

2011年の調査ではロンドンの人口の4割がマイノリティ。下のパイチャートだと、その多くが「アジア系」となっています。これがサンフランシスコだったら、チャイニーズとかなんですが、ロンドンの場合はやっぱり南アジア系の人が多い。

そして宗教のバックグラウンドも、クリスチャン、無宗教につづいてイスラム教が12%。新しいロンドン市長パキスタン系の人です。

 

中世までのロンドンをじっくり見てしまったので、後半はちょっと駆け足になってしまいました。さらに今回、素足にスニーカーというどっかの俳優のような真似をして歩いていたら、足の裏から結構体が底冷えして最後はガクブルに。

また行けるならもう一度じっくり見に行きたいなあ。