愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

夏のユザーン

去年に引き続き、ユザーンがベイエリアに来ていたのでそのまた演奏を聴きに行って来ました。この時期、インドじゃなくてこっちでタブラの夏期講習があるようです。

去年はサンラファエルのインド音楽学校で、色んなアーティストのうちのひとりとしての演奏会でしたが、今年はバークレーのアートハウスみたいなところで、ユザーンとスティーブ・オダさんという日系人サロード奏者のおじちゃんとの2人ライブでした。

去年誘った友達とまた一緒に行ったのですが彼女は去年行ってから何故かハマった(?)らしく、日本に行った時も2度ほどユザーンのライブを見に行ったとか・・wお陰でなんとなく覚えて頂いてた。


会場もギャラリーみたいな所なので、地べたに座るのじゃなくて設置されたステージに椅子を三方から取り囲んだ形になってました。タブラの目の前に陣取って、推定157センチぐらいの至近距離でのユザーンの演奏!

去年は場所柄インド密度が非常に濃かったのに対して、今年はUCバークレーのキャンパス近くってこともあり、白人比率のほうが高し。旅行ついでにやってきたっぽい日本人もいました。ふと振り返れば立ち見もできていて、多分3−40人ぐらい入っていたかな?インド比率が低いからか、前回のように良いアドリブの後でうわーっと拍手とかは無し、畏まって静かに聞き入る感じ。私もなんとなく、目がだんだんヨガでいうところのSoft Gazeの状態に・・。

去年はただただタブラすごいなーと思って聴いていたのですが、今回はなんだかインドの弦楽器サロードのほうに目が行ってしまった。結構デリケートな楽器のようでチューニングが大変そう。ちょっと会場の気温がムッとしてたのですが、そのせいか演奏途中にも結構チューニングしなおしたりしていました。ここ湿気ある?とか聞いてましたが、この程度の暑さであれだったら、本場インドではもっと大変なのか・・?!タブラもCのちっちゃい方は何度もチューニングしたり勝手が悪いのかグルグル回したりしてた。

スティーブ・オダさんは山の上のお寺に住んでいて普段は柔和だけど実は師父とか呼ばれてそうな感じの方。そんな彼が黄色いインドの服を着ていると余計カンフーの達人のよう・・。カンフーの師匠と爆発頭の日本人が2人で異国の楽器を奏でているのは絵的にはかなり不思議な感じでした。昔むかし、マレーシアのマラッカのシーク寺院に行った時、この文化が大好きでここに入り浸っているという地元の華人に出会ったことがあるのだけれど、その時のことをなぜか思い出してしまいました。そしてさらになぜか、大昔、唐の時代とかにも、シルクロードからやってきた異国の楽器をこんな感じで演奏していた東洋人がどこかにいたかもしれないなぁ、でもそんな時代にあの爆発頭はなかっただろうなぁ、などととめどもないことが頭の中をぐるぐる・・・。

去年も聴いていて思ったのですが、サロードって少なくともタブラと演奏する時は、必ずつなぎ音として高音Cをかき鳴らし続ける感じなんでしょうか。8分の6拍子で適当に高音Cを合いの手風にかき鳴らしつつ、適当にエキゾチックなメロディを演奏すればインド音楽っぽくなりそう。実際途中で「ひな祭り」とか「故郷」とか日本の唱歌をねじ込んでましたが、多分アメリカ人にはバレていなかった模様w

あといつも思うのですが、後ろで伴奏と称してひたすら開放弦4つを順番に弾き続けるという楽器、タンプーラ。いつも演奏する人の目がどんどんうつろになっていくのが気になります。誰かあれをメインにフィーチャーしてあげて!