愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

続・にわかサッカーバカ

結局ドイツが優勝して終わったワールドカップ。スペイン語チャンネルから流れるワールドカップテーマソングがすっかり耳についてしまった身としては、1ヶ月間続いた試合が全部終わってしまってちょっとしたワールドカップロス状態です。そんな心のスキマを埋めるのは・・


にわかファンとはいえ意外と家にあったサッカーもの。今となっては何度見たかわからない「少林サッカー」、イギリス映画「Bend it Like Beckham (邦題ベッカムに恋して)」、そして自分の中ではサッカー漫画といえばキャプテン翼よりもこっち、80年代に出版された「シャンペンシャワー」。

この「シャンペンシャワー」、まだまだサッカーがメインストリームではなかった時代に南米の架空の国エスペランザのサッカーチームを描いた、なんと少女漫画でございます。中学生の時に友達に借りて読んで衝撃を受け忘れられず、その後大人になってからまた読みたいなぁと思っていたら同じように思っていた人は多かったらしく、復刊ドットコムのリクエストを受けて日韓ワールドカップの年に再版されました。

少女漫画ということも考慮して、試合のシーンがそれほどあるわけではないのですが、作者のサッカー愛と深い理解がひしひしじわじわと感じられる漫画。作者のかわみなみさん、当時インターネットも無い時代、Jリーグなんて発足するなどまだ考えられなかった時代に海外のサッカーシーンを追い続け、メキシコまでワールドカップを見に行ったりしている筋金入りのサッカーバカです。でもその情熱を読者に無碍に押し付けることなく(むしろそうならないように気をつけながら)描かれているところも良い。いわゆるスポ根系の漫画ではなく、どちらかというとギャグ漫画!なのですがそれでもサッカー選手がプロとしてやっていくことの大変さ、ナショナルチームでチームワークを作り上げることの難しさ、アウェイでの試合でのあるある話、そして年齢とともに落ちていく体力との戦い等など・・サッカーに限らず、人生に当てはまるような話も沢山。

そして登場人物のキャラがいい。ジャングルで育ちスカウトされてチームにやってきた新人・野生児アドル、美しすぎる変態ジョゼ、汚い手を使っても勝つことにこだわるイタリア移民の苦労人マルロ(このガッツマンマルロがとても良い)などなど。当時の実在の選手をモデルにしてるキャラも多い。そして全編にわたってセリフもとても良い。

今まではどちらかというとサッカーより人間模様をメインに読んでいた部分もあったのですが、今回真面目にワールドカップを見てみて、こんな変なキャラが実在する!?というのも含め、いまさらこの漫画のサッカー周りの色んなエピソードがしっくり来た部分もありました。

まだアマゾンに行けば中古で買えるみたいよ!