愉快的陳家@阿拉米達島

ちょっと雑だが愉快な暮らし。サンフランシスコ・ベイエリア日記

 SFシンフォニーのワークショップ


・・・に行って来ました。チェリストのお友達なつみさんに教えてもらったのですが、SFシンフォニーでは弦楽、管楽、コーラス、室内楽のワークショップがそれぞれあって、参加者はシンフォニー関係者に指導してもらうことができる上に、シンフォニーホールの舞台にも乗れちゃう、という素敵なイベント!私はもちろん管楽のワークショップに申し込んだのですが、実はSFシンフォニー、このイベントが開催される直前まで、ミュージシャンの給与引き上げを求めるストライキに入ってしまい、3−4週間の間公演が全てキャンセルされてしまうという事態に。このワークショップも場合によってはどうなるかわからないので、その時は連絡しますというお知らせが来たりとちとドキドキでした。幸いストライキはイベント直前に終わり、まずはワークショップの2日前に楽器ごとのセクション練習がありました。


このイベントの何が楽しみだったかって、プロの指導もなのですが、あこがれのシンフォニーホールの舞台に立てるというか裏側が見れちゃう!!というところ。まずはセクション練習はシンフォニー・ホールの地下にあるリハーサルホールで行われました。憧れのSFシンフォニー!といえど、地下に降りて案内された練習室はひろ〜いけれど、ものすごく古くてボロっとした感じの、なんだか学生時代を思い出させるような部屋でした。トイレもずいぶんガタがきて年季入ってます。部屋の向かい側には、これまたどこかのボロいDMVのオフィスにでもありそうな、丸テーブルと椅子、コーラやスナックの自動販売機が無造作に置かれた休憩ラウンジがありました。うーむ、こんな感じなのね。


フルートの参加者は40名近くと大所帯だったのですが、セクション練習に参加したのは半分以下。楽器ごとにメンターといってシンフォニー関係者が一人付き指導してくれるのですが、フルートの指導者はSFバレエのオーケストラのフルーティストの人でした。40人分の楽譜と譜面台がどわーっと敷き詰められた部屋で、パート練習。年配のおばちゃまの参加者多し。このワークショップの常連や、お互い顔見知り風な人たちもちらほら。そしてなぜかみな遠慮して指導者がくるまで誰も音出しをしない・・・(私は吹いたけどw)ちと最初は居心地悪かったです。


今回演奏する曲は、ウォーミングアップ用のコラール1曲、モーツァルトの「交響曲40番」、ホルスト第一組曲から「シャコンヌ」、スーサの「エルキャピタン」というある意味吹奏楽的にはベタベタな選曲。私は小学校4年の時に吹奏楽部でフルートを始めたのですが、どれもだいたい小学校時代にやったのばかり!いやー懐かしい!!!しかしこのベタである意味シンプルな選曲にあって、フルートだけで合わせてみるとレベルにかなり開きがありテンポやリズムが合わないという事態が発生、指導もほぼそういった点に時間が取られたため、本番に向けてどんなことになるのか不安となり、「わ、私実はフルートものっっすごくうまいんじゃ?!」と頭のなかでゴーマンかましてしまったりしてしまう。


で、そんなこんなで迎えたワークショップ当日、日曜日の夜6時半集合、シンフォニーホールの「ミュージシャン専用入り口」なるものから入る!ウヒヒ(ミーハー)。裏口入場だが入るにはチケットが必要だったので、中に入ると蝶ネクタイの人が待ち構えていてチケットもぎりをしてくれる。日本だったらここで夜なのに「おはようございます」とか言うんだよなと思いつつ舞台の裏側へ・・・。


リハ室だけでなく、ホールの裏側もかなりボロい!!!!客席からみているとわかる由もないのですが、なんといっていいか、とにかく古い。ミラノのスカラ座とかの歴史ある古さじゃなくて、なんか残念な感じで古い!(1980年に建てられたらしいです)裏においてある機材も今時こんなモニターあるんだねぇ、という感じだったりして、多分私が行っていた高校のホールの機材のほうが新しくて綺麗だったかも・・・。舞台袖もあっさりしたもので、学校の体育館にある舞台の袖とあんまり変わらない感じでした。本番前後、オケの人たちがここらへんを楽器もってぎうぎうになってるんじゃないかと想像するとちょっと笑えます。


裏の壁の所には、今までに演奏したソリストや指揮者の白黒ブロマイド写真とサインがだーっと貼ってあり、ぱっと1980年代のランパルさんの写真が目に入ったりしてテンションがあがる!そして舞台にあがる袖のすぐ横に、最近オーボエコンチェルトを演奏中に舞台上で卒倒して数日後に亡くなってしまった主席オーボエ奏者のメモリアルが。色々な人からのおくやみのカードや彼の写真、そして「写真ある人はもっと持ってきてください」とのメッセージもありました。


袖に行くとフルートはあちら、トロンボーンはあちら、と飛行機のビジネスとエコノミーの入り口がわかれてる感じで楽器ごとに矢印付きの張り紙も(笑)。そして袖にトイレはたったひとつしかありません!これは本番前に緊張してトイレに行きたくなる人がそんなにいないということなんだろうか。


そしてステージにあがると、こんな感じです、どーん!


と言いたい所だけどどんだけ写真とっていいものかよくわかんなくてビビってこそっと撮ったのでこんな控えめな写真しか・・・



基本的に自由席、本番始まるちょっと前に到着してしまったため、コンマス席にすわるという野望は打ち砕かれ、空いていたファーストフルートの三列目の席におとなしく座りました。そしてここで発見:オケの人が座っている布張りのパイプ椅子は、横に付いているハンドルで高さが調節できる。しかも調節ハンドルが2個ついていて、前後の角度も調節できる。最初わからなくて手前のハンドルをぐるぐる回していたら、手前ばかり下がりお尻がどんどん上がっていくのでびびった。


そしてもう一つの発見:ステージ、思ったより狭い。フルートだけで40人、向こう側チェロのセクションに座ってるクラリネットも地平線彼方まで埋まるほどの大所帯だったので、参加者も全体的に多かったとは思いますがそれでも国技館で相撲を初めて見て土俵の小ささに驚いたのと似たような感覚で狭かったです。小中学生時代にコンクールや演奏会でのぼった千葉県各地の市民会館の大ホールのほうが舞台が広かった気もしなくはない。あれ、それは小学生で小さかったからか?


そして舞台からみた客席も思ったより小さかった。2700席ほどあるらしいですが、昔立ったことのある日本のホールのほうが大きく感じたのは・・・それはやっぱり私が大きくなったからか?


そして舞台の横、客席正面から見えないところには、デジタルのおっきい時計があって、音楽の進行時間がわかるようになってます。おもろいなー。そして空調がたまにぶおーっとなって、楽譜が飛ぶ。舞台の前のほうだったからかもしれませんが。隣に座っていたおばちゃんが洗濯バサミを持ってきていて難を逃れる。


で、肝心の音楽のほうですが・・・指揮者のお出ましです!どーん!



SFシンフォニーのリトルリーグ的なSFユース・オーケストラの指揮を主にやっている、ドナート・カブレラさんです。な、なんと今Wikipediaで見てみたら私より1歳年上なだけですか・・・・??(゚Д゚)ガーン



オケでも吹奏楽団でも、やっぱり指揮者で音ってほんっとに変わるんですよね。彼の指揮はシロウトさん相手に優しくしてくれているのもあるとは思うのですが、わかりやすくて本当に楽しかった。「なんかわかんないけどこんな感じじゃね?」みたいな感じで振ってたへぼへぼオケの常任とは大違いだわ〜!!!ってそりゃそうだ、SFシンフォニーの人ですもの!!!!わざと楽譜とは違う表現をしてみたり、違うテンポでやってみたり・・と彼の指揮で音の表情が面白いくらい変わる変わる。


で、ホルストの第一組曲、これは私にとって小学校の吹奏楽部で初めて演奏した曲のひとつで思い出深い曲。4年生で入部して、最初は全員縦笛。で、そこからオーディションみたいな感じで希望のパートに入れてもらえるのですが、その年はフルートの希望者が多くて本当にフルートに入れるのかドキドキな感じだったのでした。今思えば、日本の音楽教育って本当にすごい。こんなのをちっさい小学生が色んな楽器もって演奏してたわけですもんね。朝練、放課後の練習、夏休みの間も、本当に毎日音楽漬けでした。あの頃のことがあるからどんなにブランクがあっても体にフルートが染み付いている感じがします。この曲を演奏するのも30年弱ぶり(!!!!)だったのにもかかわらず、楽譜見ないで全然大丈夫だった位。


そんな曲を大人になってからこんな外国のこんな場所でこんなかたちで演奏しているとは・・フルートよりも、この曲の打楽器やトランペットの音を聞いていたらあまり思い出すこともなかった当時の細かい情景がうわーーーーっと浮かんできて、演奏しながらガチで泣きそうになりました。で、なぜか指揮者の人も振り終わってから「Memories, huh?」


ちなみにホルストの第一組曲はこんな感じです



ひと通りやったあと、またボロボロ地下のリハ室に行きセクション別練習。楽器持ってみんなでわーわーと移動するところからして、なんだかもう学生に戻った気分でした。誘導されてリハ室に行く間にも、わ!楽譜が全部管理されてる図書室がある!わ!廊下やら至る所に無造作にまるで遺跡のようにグランドピアノが放置されている!、壁に沿ってある謎の鉄格子、その中にかかっている謎のタキシード!そして舞台裏には、金管のでっかいケースが置けるようになっているながーーーーい棚がある!面白すぎる!と一人でキョロキョロニヤニヤ。


パート練習の間に指揮者の人も挨拶に来て、「シャコンヌ、高校時代にやったことある人〜?」と聞いていたので、やっぱりアメリカでもホルスト吹奏楽部の鉄板曲なんでしょうね。私もついつい「ハイ!小学校でヤッタ!」としゃしゃり出てしまいましたが・・・w


その後コーヒーブレイクがあって、他のフルーティストの人ともお話して(プロの人もコネ作りやギグ探しみたいな感じで参加していた・・・)、慌ただしく最後の合わせ。短い間でもどんどんちゃんと聞ける音楽になっていくのがなんともいえず楽しかったです。聴衆も少しだけいたのですが、じゃあ最後に全部通して演奏して、本番みたいに最後は立って終わりにしましょう、ということになり全曲やったのですが、嘘でも本番となるとみんな緊張するらしく、今までリラックスしていい音が出ていたのにいきなり音がひっくり返ったりテンポが怪しくなったり・・・でも最後にこれまた行進曲としては鉄板のエルキャピタンになると、やはりブラスバンドで昔取った杵柄になるのか、えらく調子よく終わったのがまたおかしかったです。


というわけであっという間に終わってしまったワークショップ。最初は大丈夫なのかこれ、なんて思っていたのに、やはり音楽ってみんなで合わせてなんぼ、最後はもう終わっちゃうのか悲しい・・・と違う意味でがっかりしてしまった位。やっぱり一人でしこしこ演奏しているよりも、みんなでどわーって合わせるのが楽しい。オケでも吹奏楽でもいいからやっぱりちゃんとやりたいなあ。。。とまた強く思った夜でした。