愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

フルート また始めました


出産とともにだいぶ遠ざかっていたフルート。出産後もお友達とちょっとアンサンブルしたりはしていたけれど、2年のブランクはやはり大きく、まだまだリハビリが足りない・・・。10月に仕事を辞めた時、子供と向き合って生活しつつも、自分が本当に一番好きなことにももっと真剣に取り組もう、と決めていたので、限られた時間の中でももう一度フルートを吹こうと、またレッスンを始めました。


以前習っていた先生は、私と入れ違いに産休に突入!もう5年以上もお世話になったし、ちょっと先生を変えてみるのも新鮮でいいかな、と別の先生に師事することに。たまたま友人の友人がフルートの先生だったので、レッスンをお願いして、2週間に一度、彼女が教えている大学の音楽科に潜入して、偽音大生気分を味わっています(笑)


仕事をしていた昔も、専業主婦・・じゃなくて子供大人計画プロジェクトマネジャーになった今も、悩みの種は十分な練習時間がとれないこと。特に最近は楽器を触っている間だけでなく楽譜を見たりするだけでも子供が全力で邪魔してきます。以前は忙しいのをいいことに楽譜だけ見てイメージトレーニングだけ、あとはレッスンの時にぶっつけ本番で演奏する、なんてこともよくありました。でも自分の収入がなくなった今、以前はなんてレッスン代を無駄にするようなことをしていたんだろう!と今更後悔しまくりです。もうそんなことができないように、今回の先生には、もう学生と接するのと同じ感じでビシバシ課題を出してください、とお願いしました。


でも先生を変えると、その先生のやり方が自分に合っているかどうかを見極めるのに時間がかかることも事実。レッスンはとりあえず今までほんっとに真面目にやらなかったエチュードをしっかりやって基礎をかためたい、あとはコンサバトリーでやるようなレパートリーをちゃんとカバーしておきたい、というのが希望だったのですが、特にそれに沿って先生が曲を選んだりレッスンを組み立てるというよりは、とりあえず今持っている楽譜を見せて、と言われて一部どさっと持って行き、その中から何やりたい?と逆に聞かれてええーっとぉ・・・、と自分で答えに窮する体たらく。実は前の先生と進めていたレッスンでは最後のほうだいぶネタ切れになってきて、次何やろうか?うーん。。という状態が結構あったので、何か新しいものを提示してくれるかなぁ、なんて期待していたのですが。


とりあえずエチュードは、ものすごく基本ですがケーラーの中くらいのと難しいのと全部。それが終わったらジャンジャンの近代練習曲をやる、ということに。そして肝心の曲は、う〜〜〜んと迷ったところで、とりあえずリハビリも兼ねてベーシックにモーツァルトのフルート協奏曲をチョイス。「のだめ」でオーボエの黒木くんがやっていたピンクのモーツァルト的な曲、といったらわかるかな。モーツァルトのフルート協奏曲とオーボエ協奏曲って、調が違うだけで実は全くおんなじ曲なんですよ!ヒー!私の中ではどっちかというとオーボエでのほうが、軽快に聞こえて好きなんですが・・・。


で、肝心のレッスン。この協奏曲、どう工夫したらいいかなと色々考えても見たけれど、表現についての記載もあまり譜面になく、どうやっても雰囲気でぱっぱらぱ〜と楽しくやっちゃっておしまいになってしまう。本当にこれでいいのか?と迷いつつの演奏だったにもかかわらず、先生のコメントはというと「Good! Any questions?」。。。えーそれだけ?!正直にこれで本当にいいのかわからん、ということも伝えたけれど、モーツァルトはこんなもんだから深く考えすぎなくて良いと。えーそうなの。こんな感じで2−3度レッスンを受けた時点での感触は、だいたい「いいわね〜」「で、質問ある?」みたいなコメントが多く、どうもピンと来ない。


先生の前で演奏して「いいわね〜」と褒めてもらうだけでこれだけのレッスン代払うのも何も得られていない気もする。とはいえ、やっぱりレッスン直前になって慌てて練習する悪い癖が抜けないため、レッスンにはまだまだ泥縄感たっぷりで臨んでおり、先生に「何か質問ある?」と聞かれても「えっと・・特にありません」で終わってしまう。この先生、大学の学生の指導もしているし、オケでの演奏もしているし、自分のオーディションもあるし、有名なプロ奏者のレッスンを受けている高校生の下請け指導みたいなこともしているし、かなりお忙しいはず。多分プライオリティとしては趣味でやってる私みたいなのは低いのかもな〜、だからよっぽどこっちからガツガツ行かなければ、何も与えてくれないのかもしれない。数年前に初めて会った時、彼女の出身校ジュリアードはまさしくそんな感じで、自分でとにかくアピールしないと教授がそんなに手取り足取りやってくれるわけではなかった、みたいなことを言っていたし。


ということで、子供の邪魔を払いのけるのは大変だし、練習よりも子供を公園に連れて行ったり、絵本を読んであげることのほうが今は大事ではあるのだけれど、なるべくあいた時間に楽器に触れなくても譜読みをしっかりし、もっと色々考えながら、疑問点はどんどんリストにして先生にぶつけよう!自分がやれることは全力でやっていこう!(ってこれ本来なら当たり前)と少し自分の中のギアを変更することにしました。で、モーツァルトの次はハチャトリアンのフルート協奏曲に取り組んでおります。


これはむかーしマスタークラスで演奏させてもらった、イベールのコンチェルトとともに、フルートの近代2大協奏曲といわれてるんですが、モーツァルトの協奏曲がフルート、オーボエ兼用だったように、実はもともとはバイオリン用に書かれたもの。20世紀のフルートの名手ランパルさんが、ハチャトリアンにフルートにも何か書いてよ、とお願いしたそうですが、わし忙しいけん、バイオリンのやつがあるからそれ吹いとけ、と言われて吹くことにしたんだとか、しないとか(年取りすぎててもう書けんから、昔書いたバイオリンのにしとけ、と言われたという説?もどこかで読んだ)。


このため、実際やってみると、このパッセージはバイオリンだったらちょろいのだろうに!とか、バイオリンのほうがきっと格好良く聞こえるだろうなあ・・・と思う箇所が沢山。音域もフルートでは出せないところもあったり、ダブルストップなどフルートでできるはずもないため、ランパルさんが原曲に忠実に、でもフルートでもできるように一生懸命書き換えたりしています。キンキラキンのフルーティスト、ジェームス・ゴルウェイさんにいたっては、フルートの低音がオケにかき消されてしまう恐れがある部分をオクターブ上げてずっと演奏しているので、ピーヒャラピーヒャラなんかすごい感じになっていました。 


で、前回のレッスンまでに1、2楽章をやってくるようにとのお達しだったので、自分なりに色々調べたり勉強しながら練習して、質問もいっぱい準備して来たのですが、レッスン時間は1時間。その間にまずは別に出ていた宿題のエチュード2曲をさらい、次にようやく1楽章を全部演奏したらもうそれで時間切れ〜 orz 2週間後のレッスンまでに、今度は新たにエチュード3本、そして3楽章も仕上げてくること、そしてできたら全部暗譜してくるようにとの課題がでました。って、この曲オケの部分も入れると全部で38分ぐらいあるんですけど〜!!果たしてできるのか。また時間切れなレッスンになってしまわないか。先生は果たしてとうとう有益な助言をくれるのか、どうか。今後この先生と続けていくべきかどうかを占う次回のレッスン(!?)今から色々心配です・・・。


ランパルさんの、ハチャトゥリアン


なんか実はこっちのほうがちょっと好きな、バイオリンでのハチャトゥリアン