愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ユザーンのすごいタブラ

愉快なツイートと著書「ムンバイなう」で有名なユザーン

・・と先日つぶやいていたので、ロックインジャパンのチケットも取らなかったし、サンラファエルは家からだとちょうど新宿立川間ぐらいの距離なのでちょうどいい、と本物のユザーンを見に、友人と一緒に思い切って行ってみることにした。

場所はアリ・アクバルカレッジというインド音楽の学校。そうユザーンこと湯沢啓紀さんは、インドの太鼓タブラ奏者なのであった。


本名での出演!

「日本で最も注目されるタブラ奏者。伝説のタブラマエストロ、アニンド・チャルタジー大先生の弟子。世界的マエストロ、ウスタッド・ザキール・フセインの元でも本気で修行」。日本のタブラ業界がどんなものなのか知らないので、この紹介だとすごいのか何なのか微妙にわからん!

会場は結構こぢんまりしていて、入り口ですぐにユザーン本人にばったり遭遇。ツイートを真に受けてやってきた日本人登場に、「うおっ、本当に来た!」

 

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この散らばってる座布団をかき集めて座る。舞台にはユザーンのタブラも鎮座しています↑。東京からやってきたヒロノリユザワさんですとの紹介を受けて始まったサロードという弦楽器との掛け合い演奏は、全部アドリブなんだそう。色とりどりの座布団に座って見ていた約5、60名のお客(8割がたインド人)は、舞台の真ん中にいるサロードより、舞台左に座っている爆発頭の日本人のタブラに興味津々、ふと客席を見ると皆の顔が11時の方角ユザーンのほうに向いていたので驚いたwタブラのソロになるたびに繰り出される華麗なテクニックに、皆拍手、拍手。
 
タブラというかインド音楽の太鼓って何かぽんぽこ叩いてるなぐらいの認識しか今までなかったけれど、ユザーンも実は今までしらっと面白い人ぐらいの認識しかなかったけど、彼のタブラを実際目の前できいて、ああ、この人はとぼけてこんな変な頭もしているけれど、10年以上もインドと日本を往復して、言葉も覚えて、この太鼓をマスターするために、ものっすごい努力と練習を積み重ねてきたんだろうな・・ということだけがドーン、バーン、と伝わってきて、一流のすごさというか、この太鼓に対する執念に、圧倒されたというか。今回サンラファエルに来たのも、この学校で何十時間もタブラの稽古するためだったようだし・・ってあくまでご本人は飄々としてるのですが。
 
一緒に行った友達の感想「最初はユザーンやその仲間達は好きなことをできて、自由でいいなぁと思っていたけど、今日行ってみて、その好きなことだけをやるために、やりたくないことも含めほかのことをやることも厭わないひとたちなんだと思った」というのがまさしくそのとおりで。私も自分のやりたいこと、色んな物事に対する中途半端な態度をどうにかせねば、と本気で思った。
 
しかしそんなすごいタブラの演奏も、その後で始まった延々延々と続くインド歌唱(これまたアドリブらしい)のしつこいメロディにすっかり脳内からかき消されてしまい「いつ終わるかわかんないから疲れたら帰ったほうがいい」というユザーンさんの忠告を守り、ぼちぼち切り上げて御暇したのでありました。
 
なんか普段古典なんて演奏する機会があまり無いらしいので、ユザーンのインド古典聴けてラッキーでした。