愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

悪魔の双子のウェディング


ウェディング当日。あいにくの小雨。山の空気は、避暑地の朝のように肌寒く、でも清々しい(まさしくここが避暑地だったりするのだが)。結婚式は昼過ぎからだけれど、私は朝9時に教会に赴き、音楽の打ち合わせを。親友のために、イタリアまでどきどきしながらフルートを持ってきたのでした(保険とかかけなかったので、ちと怖かった)。この黄色いのが教会。


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パイプオルガンの伴奏をしてくれるのは、ベッちゃんの幼なじみのニコラ君。今はイギリス在住なんだそうですが、この日のために前日飛んできたそうです。ベッちゃん、ピーポ君、私とニコラ君の4人で、演奏する曲目について、ずっとメールでやりとりしてたんですが、あまりどの音楽がいいかピンと来ない新郎新婦。ヒントとなる曲リストと、YouTubeのビデオリンクを送ったりして、ようやく曲が決まったのが出発の1週間半ぐらい前。しかも、ピーポ君は新郎入場の時にクラシック音楽はやだな、好きなメタリカの曲なんかがいいよ・・・と冗談で言っていたのですが、YouTubeで調べたら、教会のパイプオルガンでメタリカを演奏しているビデオを発見!できないことは無いんだね、ニコラ君!とムチャぶりしてしまいました(苦笑)。ごめんよニコラ君。


新婦の入場や、新郎新婦の退場などは、お約束のウェディングマーチをパイプオルガン一本でやることにして、私は式の途中のお祈りとか、牧師さんの説教の間にバッハのフルートソナタテレマンソナタを演奏することに。バッハのフルートソナタの中でも、結婚式でよく使われるゆっくり目の曲を選んで提案したのですが、ベッちゃんたち、もっと元気なのがいい・・、と、なぜか指定してきたのはEマイナーのアレグロ。結婚式になぜこれを・・・確かに早い曲=元気なのかもしれないが、ちょっとダークな色彩の曲。まあ本人がそれがいいというのだから、それでいいんですが・・・、新郎入場の曲もメタリカの「Nothing Else Matters」だし、変わった選曲になりました。


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ニコラ君と初めて会って、1時間弱リハーサル。パイプオルガンを演奏するための、特別な靴があるんだそうです。音響がものすごくいい!良すぎて、パイプオルガンの音が団子になって消えていくので、アンサンブルがしにくい。それにしても見晴らしがいい。ここから結婚式を見ることになるのかー。下では、教会を管理するおっちゃんがあーだこーだと口うるさくなにか言っております。あんまりしゃべるんで、ビデオを撮ってみた。そのうちイタリア語がわかるようになったら、解読してみよう。


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こんな高いところにおります


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教会での式の前に、市役所みたいなところで手続きを交えた、公式な結婚のセレモニーが。小さな村なので、教会、ホスピス、市役所と全部一本道で歩いて1分ぐらいのところにあるので、リハーサルが終わってそのまま直行。急いで徒歩で移動だー!


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お役所の中の一部屋に関係者がぎゅうぎゅう詰めになって、ベッちゃんとピーポ君の結婚の手続きを見守ります。イタリアの国旗の色をしたタスキをかけたお役人さんが、イタリア語でうーたらかーたら、ずーっと何かを読み上げています。だんだん祝詞に聞こえてきました。でも何かそれが特別に聞こえてきて、もうすでにこっちは涙腺が・・。他にも涙ぐんでる友人も。セレモニーが終わってあわてて撮った、たすき掛けのおっさん。壁にかかってる写真は、ベルルスコーニか?!


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セレモニーが終わって、ちょっとGちゃんA君とお茶を飲んでお腹に何か入れてから、ホスピスに戻ってドレスアップ。そしてまた教会へ行き結婚式のスタンバイ。ベッちゃん、ピーポ君たちも正装に着替えに戻って行きました。


教会の表


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教会裏(というか中から)


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教会苦手な悪魔ですが、プロテスタントの教会は、血だらけのジーザスとかの絵もないし、シンプルなので落ち着くわー。お客さんもわらわらとやってきます。


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そしてメタリカの音楽にあわせて、ピーポ君の入場!ピーポ君、軍人さんなので、カッコいい制服での登場です。


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そんでもって、なかなか登場しない花嫁。花嫁が登場すると、ウェディングマーチを演奏しないといけないんだけれど、オルガニストは教壇から背を向けて座っているので、直接見てタイミングを図ることはできません。どうやるのかなと思ったら、ちゃんと合図ができるようなランプが、オルガンのところについてました。これにぱっと電気がついて、花嫁の入場!


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あーキレイ。自分の結婚式の時はヘラヘラ笑ってただけだったんですが、人の結婚式のほうが泣ける。式が進むにつれて、何か色んなことを思い出して、こみ上げてくるものが何度も・・・。ベッちゃんとピーポ君も付き合ってすでに10年。彼と初めて出会った時、ベッちゃんがそのいきさつを8ページぐらいの手紙に書いて送ってくれたこと、9年位前、私が(別の友人の結婚式のために)サルディニアに行ったとき、当時まだ付き合いはじめて間も無いピーポ君と一緒に、ミラノからローマまで会いに来てくれた時のことなど、色々思い出しました・・。サルディニアからローマに帰る船がものすごーく遅れて(それこそ半日ぐらい)、もうあえないんじゃないかと思ってたところで、ホテルでベッちゃん達が待っていてくれて、まじで大泣きしてしまったことなど・・・。何か彼女にいいたいこと、伝えたい気持ちがワーッと込み上げてくるんだけど、じゃあ実際何て言っていいのか分からないような、そんな変な気持ちが、浮かんでは消え。


そんな(変な?)気持ちを込めて、フルートもちゃんと演奏しましたよ。


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(ネイルは私のアクセサリーにあわせて、けいなちゃんがやってくれました。ありがとう!!!)


ベッちゃんが後で、音楽を聞いたときにわーっと涙が出てきた、と言ってくれました。えーほんと?でも嬉しかったです。そしてベッちゃんのご両親とも初めて会いました。ベッちゃんのママが、「母親として、娘がこういう友達を持っているというのは、本当に心強くて嬉しいことなのヨ」と言ってくれた。悪魔の双子のベッちゃん。本当におめでとう。式が終わるころには、雨も上がっていました。


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